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十一話 真実を、知るために。
春さんは、俺の頼み事を快く承諾してくれた。
頼み事というのは、純が死んだ理由について。
掘り返したくもなかったけれど、俺はこのまま忘れたくはない。
それほどに、大切な人なのだから。
真実を知るために。
俺はまず、純の部屋に行く。
思い出が、詰まった部屋に。
――***――
見慣れたドアを開けると、そこは純の部屋だった。
六畳半の、俺の部屋と同じ間取りの部屋。
窓からは見事な桜が見え、もう二度と帰ってこない部屋の主を偲んでいるようにも見える。
「純って確か、日記をつけてたはずなんだよな……」
幼なじみである俺にだって、隠し事はあるだろう。
純は、そういう思いをすべて、日記にぶつけていた。
一度だけ、見せてもらったことがある。
友達の悪口、喧嘩、悲しかったこと、誰にもいえない本音。
――私は、汚い感情は全てここに置いて、綺麗でいなきゃいけないの。立派でなきゃいけないの。
何でなのかと聞くと、苦笑いして答えた。
親が、友達が。望んでいる『純』は、そういうものなのだと。
そして、自分が目指しているのは、優美な女性だからだと。
「いっけね……」
涙を拭き、本棚にあった日記を取り出す。
ぱらり、と、俺はページをめくった。




