第3話 二回目のデートはイチャイチャできるかな?
翌日、日曜日。二回目のデートだ。
デートプランは小説で決まっているから、私はそれをブラッシュアップするだけだ。
映画をネットで予約し、レストランも電話で予約した。こういった作業は苦手だったがリハビリだと思って頑張った。当然失敗するといけないから午前中の内に、彼女に連絡を取って希望を聞いてある。
問題は……イチャイチャできるかだ。
(こっちの方が大変だな。昨日のデートで十分イチャイチャしてたような気がするが……)
午後、駅で待ち合わせて、街に出かけた。私の服装を見て彼女が言った。
「私の服よりあなたのを買ったほうが良いかしら……」
私たちはデパートのブランド店を回っていろいろな服を試着した。私は着せ替え人形だった。
「もう着替えた?」
彼女が笑顔で試着室を覗く。当然まだ着替えは終わっていない。
「いやん、エッチ!」
店員が少しあきれて見ていた。
(これはイチャイチャか? イチャイチャだよな……)
私は少し派手なシャツを買った。これもリハビリだ。
その後、フルーツパーラーに行った。店内は女性客で混雑していた。カップルはチラホラとしかいなかった。……百合カップルだと分からないが。
私は桃のパフェ、彼女はイチゴのパフェを頼んだ。クリームがないと始まらないのでそれを頼むしかなかった。
「あーん」
「ほんとにそれやるの。恥ずかしいわ」
「リハビリだからしょうがないよ」
彼女はパフェを掬って私の口元に持ってきた。私はそれをさっと食べた。甘い。甘すぎる!
私もパフェを掬って彼女の口元に持っていった。彼女はゆっくりと食べた。わざとクリームが口元に付くように……
「あ、リョウコ、クリームがついてるよ。しょうがないな、取ってあげる!」
私は指を伸ばして彼女の口元のクリームを取った。指先にクチビルが少し触れた。私は指先を舐めた。
超絶恥ずかしかった。周りの視線がイタイ。
(私は、よくこんなシーンを書いたな。恥ずかしいじゃないか!)
次はゲーセンでプリクラだ。近くのゲーセンに行ってプリクラを撮った。
「このプリクラね、小説で書いていたのは!」
「ネットで調べただけなのでどうやるかわからないんだ。リョウコさんが操作してくれ」
「私も数年ぶりなのよ。最近のはわからないわ」
何とか撮ることができた。彼女と頬をくっつけて撮影する瞬間、彼女の方を向こうと思ったが、できなかった。
彼女もそうだった。私達はまだまだリハビリが足りない。
少し緊張した顔が並んでいた。
ハートマークやメッセージを追加してプリクラは完成した。
彼女との初めてのプリクラは私の宝物になった。
映画は彼女が観たいと言ったアニメの劇場版だった。
小説で書いた通り、私たちにアクション映画は不要だった。手をつないで映画を見ている間じゅう、ずーっとドキドキだった。
ラストにキスシーンはなかったが、映画が終わるころには私の頭の中は次回のデートの『ファーストキス』の件でいっぱいだった。
レストランで食事している時、私たちは次回のデートについて触れなかった。
最後に別れるとき、彼女が真顔で言った。
「これから次回のデートまで、ドキドキして過ごすことになるのよね。次回、楽しみにしてるわ」
(プレッシャーをかけるのはやめてくれ! リハビリ中なんだぞ!)




