第1話 再会は彼女に呼び出され……
第2章 セカンドバージンの私とセカンドバージンの彼女が再会した件
新章開始です。
今度はリョウヘイとリョウコの物語です。
私は趣味で小説を書いて投稿している。
最新作は恋愛小説だ。
昔の知り合いの彼女をモデルにした。彼女とは仕事上のつながりで、よく一緒に出張したりしていたが、恋愛関係になることはなかった。
ここ数年会っていない。彼女は私が小説を書いていることは知っていた。
その彼女からメールがあった。
『小説、読んだわ。ちょっと会えない?』
(文句を言いたいのかな? でも小説ではステキに描いたつもりだけど……)
私たちは土曜日のお昼に街の小さな喫茶店で会うことになった。
喫茶店に入ると彼女がいた。
小説で書いた主人公と同じスキニーのジーンズに白いシャツを着ていた。
彼女は数年前と変わらない笑顔で私を迎えてくれた。
私はドキドキした。
私もスリムジーンズに白のワイシャツだった。これは私の小説で主人公の二人が最初にデートするときの服装だった。意図せずにペアルックになった設定だった。
(どうして……ああ、これは彼女のちょっとしたイタズラなんだな)
私はできるだけ平静を装った。
「やあ、リョウコさん、久しぶり!」
「ほんと久しぶりね、リョウヘイさん」
私は彼女の前に座って、コーヒーをホットで頼んだ。
「もう夏なのに、やっぱりあなたはホットなのね」
「冷たいものを飲むとおなかを壊すからね」
私たちは少し笑った。
「小説、読んでくれてありがとう」
「あの主人公、私がモデルでしょう! でも私は胸は小さくないわ」
(なんだ、そんなことを言いに来たのか。彼女らしいな)
「大きくすると僕の趣味がバレるじゃない。だから小さくしたんだ」
「やっぱりそうなのね。あなた、よく私の胸を見てたもの」
(やばい、バレてた!)
「男はみんなオッパイ星人なんだ。仕方ないよ」
「ふーん、そうなの」
彼女は少し胸を突き出していたが、何かを思い出して腕で胸を隠した。
「いや、恥ずかしい…… こうね」
私は少し照れてしまった。
私の小説で私は胸を隠して恥ずかしがる仕草が好きだと書いた。彼女はその通りにしたのだった。
「で、用件は何? 胸のサイズの件じゃないよね」
「わからない? やっぱりわからないよね」
彼女は少し怒っているように見えた。
「リョウヘイさん、今彼女いないでしょう。私も彼氏いないの」
「まあ、そうだけど……やっぱり君もいないのか」
「私はセカンドバージンだからね。で、お願いがあるの」
「なんでしょう。僕にできることがあれば何でも……」
彼女は少し言いにくそうにしていた。私はだいたい予想はついた。私の小説では男から申し出ていた。
「よかったら僕と恋愛のリハビリをしてくれませんか」
彼女の顔がぱーっと明るくなった。
「いいわよ、しましょう! 恋愛のリハビリ」
私は彼女の姿を見た時からこうなる予感はしていた。
もっと言えば小説を書いた時からこうなるといいなと思っていた。
小説は彼女への数年遅れのラブレターだったのだ。
(でも私に小説のようにうまくできるかな……?)
私は祈るような気持だった。




