第6話 中略された内容って何ですか?
五回目のデートはお家デートだった。
料理でカオリの胃袋をつかむつもりだ。失敗しにくいメニューを考えた。
肉じゃが——味付けをめんつゆで行えば失敗しない。これは経験済み。
サラダ——野菜を切るだけ、おいしい市販のドレッシングがあればいい。失敗しない。
だし巻き卵——市販の液体白だしを使えば味はOK。何度も作っているので大丈夫。失敗しない……はず。
あとは……もう思いつかない。
(普段はレトルトか冷凍食品、スーパーのお惣菜だからね。仕方ない……)
仕方がないので手作りショートケーキで誤魔化すことにした。市販のスポンジに市販のクリームを塗り、フルーツを載せて飾り付けるだけだ。
まず、近くのスーパーに行っていろいろな食材を買い込む。二人であれこれ言って買い物するのは楽しい。余計なお菓子とかジュースを買い込む。あとビールとワインも! 料理が失敗したらお酒で誤魔化すためだ。
「リョウ、私、お酒弱いから、ほどほどにお願いしますね」
「ちっ、バレたか、酔わせて襲おうと思ったのに……」
(ほんとは私自身の景気づけのためなの……お酒の勢いを借りなきゃエッチなんか出来ない!)
料理は私が頑張った。メニューは私が出来るものだけだから簡単だ。野菜を切ったりするのはカオリが手伝ってくれた。
最後にデザートのケーキ作りを二人で一緒に行った。好きなフルーツを、クリームを塗ったスポンジに乗せて、またクリームで飾り付ける。飾り付けのセンスが問われるだけだ。
これも失敗せずにうまくいったと思う。
さあ、ディナーの始まりだ。実はオードブルセットをスーパーの総菜売り場で買って、きれいなお皿に盛り付けてある。一見豪華な夕食だ。
味は……スーパーの総菜はおいしかった。そのほかの私の料理は可もなく不可もなくといったところだった。
「リョウは料理が得意なのね。リョウだけに……」
「もう! カオリったら……」
デザートのショートケーキは文句のつけようがなかった。
(おいしい! 味に関するところはノータッチだからね)
食事が終わってコーヒータイムだ。でも私は気が気じゃなった。リハビリは不十分だった。
(本当にエッチしちゃうの……私、女の子とは初めてなのにどうしよう……カオリはどう思っているのかな?)
彼女も顔を赤くして何も話せなくなっていた。
彼女がスマホを取り出して何か見だした。私の書いた小説だった。
(私の小説って、どうやってキッカケ作ってたっけ?)
「リョウ……この中略された内容って何ですか?」
私は書き直す前のファイルを見せようとしてやめた。それは男と女の営みだ。参考にならない。
仕方なく(?)その部分の元になった、『少しアダルトな表現の小説もOKなサイト』に投稿していたR18の小説を教えた。
ソフト(?)な百合のやつだ。私はエッチな小説は百合かBLしか書いていないので……
ちなみに、もっとすごいR18小説は別名義で別のサイト――規制が緩いサイトに投稿している。これは内緒だ。
彼女は静かに読んでいた。
「いいですね。ソフトだけどすごくエッチかも……この通りにしてみませんか?」
「いいけど大丈夫?」
「この小説はパンツを脱いでないから大丈夫です! パンツを履いていればセックスじゃないんですよね」
(それは運営から消されないために、わざとそうしただけなのに……)
私たちはまず、小説の通りにキスをした。これまでカオリと何度もキスをしていたが、これはまた格別のキスだった。
……中略……
私とカオリは二人並んでベッドの上に寝ていた。
手は繋いである。パンツは……二回目デートで買ったおそろいのパンツを履いたままだった。
(あとで一緒にお洗濯しなきゃ…‥)
「後悔していない?」
「はい。だってパンツを履いたままですもの。私はまだ女の子バージンです。セカンドバージンの卒業はまだです。次のミッションが楽しみ!」
私たちは笑った。
「リョウ、私、リョウの他のエッチな小説も読んでみたい!」
「それはダメ。私の小説はR28なのよ」
私と彼女のリハビリは続く……
[第3章 了]
私の妄想に付き合っていただいてありがとうございます。
一応、これでこのシリーズは終了です。
あなたはどの物語が一番好きでしたか?
感想などをいただけると嬉しいです。
(BLのパターンも書けって? それはR28にしかなりませんでした……)
次回、おまけの章です。
カオリが書いた作中作の小説を公開します。
お楽しみに!




