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セカンドバージンのOLの私とセカンドバージンの彼が出会ってしまった件  作者: 坂本竜(リョウ)
第3章 素人小説家であるOLの私と、私の読者である彼女が出会った件

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第4話 ファーストキスはもっと計画的に!

 私はひとりで、ピクニック予定地の森林公園――標高50メートル程度の丘の雑木林をそのまま残して公園にした、都会の中の森林公園に行った。


 ロケハンだ。せっかくのチャンスだ。フイにしてはいけないと思った。この努力をほかに回せばもっと……私は何をしているのだろう。


(可愛い女の子とキスするために……いや違う。読者である彼女の期待を裏切らないためだ!)


 どこでキスするのがいいのか、ただっ広い公園内を歩き回って探した。ここ数か月で一番の運動量だ。デートは健康にいいことがわかった。で、小説に書いたいくつかの『キス』のポイントを確認した。


 ①樹のトンネル――芝生広場の脇にあり、高さ2メートルくらいの生垣のような樹が1メート幅くらいで2列に50メートルほど並んでいる。その列の間に入ると、足元から上が周りから見えなくなる。ただし子供に人気なので子供が多くいる場合は、小説のように邪魔される場合あり。


(端の方は少し曲がっているので、見られにくくなるのでは? もし子供が近くにいたら睨んで追い返せば……)


 ②見晴台――急な階段を上った先にある。景色が良くて周りに人がいなければワンチャンありか……


(下から見ている人は無視してしまえ!)


 ③湿地エリアの木道のそばのベンチ――これも人通り次第だ。


(躰で隠すようにすれば……)


 ④丘の反対側の見晴しポイント――公園外になり少し遠い。だが、遠くに大都会東京のビル群が見え景色は抜群。夜景ならなおさら良い。


(これはそのうち彼女と夜景デートしよう!)


 ⑤芝生広場の隅にある大きな木の裏――小説に書いた第一候補の場所。結局ここが一番良いように思えた。周りに邪魔する子供がいなければ……


(これも子供が近くに来たら睨みつけて追い返そう!)



 当日、私たちは駅で待ち合わせし、バスで公園へ向かった。小説に書いたような簡易テントは持って行かなかった。今日は暑くなりそうだったからだ。


 広場に着いてレジャーシートを広げる。近くに何組も家族連れやらカップルがいた。みんな楽しそうだった。

 遅い昼食が始まった。彼女の手作りだった。小説で書いように応援? してくれる子供はいなかったが、私たちはサンドイッチを『あーん』して食べた。


 その後、バドミントンをしたり、フリスビーをしたりした。彼女が持ってきたワインも少し飲む。少し疲れて彼女に言った。酔いもあったのかもしれない。


「ひざまくら、してくれない?」


 冗談半分だったが、彼女は膝をポンポンした。私は喜んで彼女の膝に頭を載せた。彼女の膝は柔らかかった。


「カオリの膝、柔らかい! いい気持ち!」


「もう、先生ったら……」


 上を見上げると、青い空が二つの山で1/3ほど隠れていた。いい景色だ。彼女と目が合う。私は急に恥ずかしくなって、起き上がった。彼女は胸を腕で隠した。


「いや、恥ずかしい……こうですよね」


 二人で笑い合った。これは私が小説の中で好きだ!と書いた仕草だ。


(私はエロオヤジか! いや、たぶんそうだな……)


「ちょっと散歩しましょう。あっちの木陰に行きましょうね」


「いいですよ、先生」


 彼女の目が笑っている。何かを悟ったようだった。まあこれは二作目の小説と同じ流れだ。


 樹の向こう側――広場から隠れる方に移動し、彼女とたわいない話をしながらタイミングを待った。近くに邪魔しそうな子供はいない。


(もしいたら睨みつけてやるんだ!)


 樹木に『ドン』した。彼女が目を瞑る。私は彼女のクチビルに軽くキスした。ミッション達成だ。


「「うまくいったね!」」


 私たちは笑い合った。私は肩の荷が下りてほっとした。


(私の小説は間違っていなかった! これも小説のおかげだ!)


 私は調子に乗った。


「実はいくつかファーストキスのポイントをピックアップしてあるの。あっちにも行ってみましょう!」


 樹のトンネルは子供でいっぱいだったが、私が睨むと子供がいなくなった。軽くキスをした。


 見晴台は……少し待つとあたりに人がいなくなった。私たちは3回目のキスをした。下の方からは丸見えだったが気にならなかった。


(『木道のそばのベンチ』は帰りに試してみよう)


 帰りはタクシーで彼女のマンションまで送った。小説では二人は近所に住んでいる設定だったが、カオリも私も割と近くだ。私もタクシーを降りて歩いて帰ることにした。


 別れ際に、マンションの入り口でキスをした。あたりに人はいなかった。今日、5回目のキスだった。帰りの木道そばのベンチでもキスしていたのだった。


「今日はありがとう。楽しかったわ。それにミッションも達成できてうれしい」


「次回のミッションも楽しみにしています、先生!」


(残念だけど、次が最後になるのかな……頑張らなきゃ!)


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