第3話 二回目のデートはもっとイチャイチャと!
翌日、日曜日の午後。二回目のデートは街ブラデートだ。
ちなみに、小説に書いた二回目のデートのリハビリのミッションは『できるだけイチャイチャ』だ!
まず、デパートや専門店街でお気に入りのブランド店を巡った。彼女とのデートに着ていけるような少し派手な服を彼女に選んでもらった。
次に彼女にも服を選んであげた。
彼女は私の着せ替え人形だった。色白でカワイイ彼女は何を着ても似合う。私は彼女にいろいろな服を試着させて楽しんだ。
当然、試着室も覗く。しょうがない、これは小説にも書いたので……
(こんな小説を書いた私、ナイス!)
「もう着替えた?」
「いやん、覗かないで、先生」
店員もあきれていた。
最後に下着も買った。彼女とおそろいで上下セットのヤツだ。当然ブラはイチャイチャしながら試着した。彼女のサイズは私とほとんど同じで、ちょうど手に包み込めるくらいの大きさだった。
次にフルーツパーラーに入ってパフェを注文した。お店の中は女の子でいっぱいだった。カップルは少ししかいない。私たちのように百合だと分からないが……
私はイチゴのパフェを頼んだ。彼女は桃と杏子のパフェだった。
近くのカップルが『あーん』しながら食べていた。私と彼女はそれを見ていた。
「ちょっと恥ずかしいわね」
「でも先生、女の子同士なら普通ですよ!」
(普通って何だっけ?)
彼女はパフェを掬って私の口元に持ってきた。私はそれをさっと食べた。甘い。甘すぎる!
私もパフェを掬って彼女の口元に持っていった。彼女はゆっくりと食べた。わざとクリームが口元に付くように……
「あ、カオリさん、クリームがついてるわ。しょうがないわね、取ってあげる!」
私は指を伸ばして彼女の口元のクリームを取った。指先にクチビルが少し触れた。私は指先を舐めた。彼女は超絶恥ずかしがっている。周りの視線が心地よい。
(私は、よくこんなシーンを書いたな。私は私を褒めてあげたい!)
次はプリクラだ。
近くのゲーセンへ行った。プリクラコーナーは女の子でいっぱいだった。きっとこの中には私たちのような百合カップルもいるのだろう。私はエッチな百合小説の参考になるかもと思い、よく観察していた。
「あ、先生。ほかの子をあまり見ないで、私だけを見てね!」
「ごめんね、カオリさん。小説の参考になると思って……」
(やきもちを焼いているのかな? カワイイ!!)
私たちの番が来た。私は操作がわからないので彼女に任せっきりだ。二人、頬をくっつけて写真を撮った。写真の私はすこしニヤニヤしていた。
ホワイトバランスを調整して嫌なところを消す。目も少し大きくして…… 最後にメッセージを書いて終了だ。
私は『大好き!』と書いた。彼女は『大好き♡』と書いた。
久しぶりのプリクラは私の宝物になった。
映画は、彼女が観ていないと言ったアニメのリバイバルだった。シティハンターの劇場版だ。そう、『リョウ』と『カオリ』が活躍するやつだ!
『リョウー!』
『カオリー!』
主人公が呼び合うたびに私たちは見つめ合って笑った。
彼らの活躍はドキドキだったが、私たちもそれに負けず劣らずドキドキだった。手をつないで映画を見ている間じゅう、ずーっとドキドキだった。
ラストのキスシーンはもう見ていられなかった。映画が終わるころには私の頭の中は次回のデートの『ファーストキス』の件でいっぱいだった。
予約したレストランで食事している時、私たちは次回のデートについて話した。
「先生、女の子同士でキスするのは、今の時代、普通ですよ!」
(普通って何だっけ?)
彼女は乗り気だ。むしろ私の方が少し、しり込みしていた。でもさっき見たシティハンターの『リョウ』が私を後押ししてくれた。
「そうね。『リョウ』と『カオリ』のキスはみんな待ち望んでいたものね」
食事の味は……ほぼ覚えていない。きっと食事中に飲んだビールのせいだ、と思った。
最後に別れるとき、彼女が笑顔で言った。
「これから次回のデートまで、ドキドキして過ごすことになるんですよね。次回のピクニックデート、楽しみです」
(小説よりうまくやらなくちゃ!)




