第6話 ……中略……って何
五回目のデートはお家デートだった。
彼女のマンションにお邪魔した。
彼女が手料理を振舞ってくれるという。ここは小説にはない部分だ。
ピクニックデートでもごちそうになったが、彼女の料理の腕は可もなく不可もなくといったところだ。でもここで誉め言葉以外は言ってはいけない……と思った。
「おいしかったよ。リョウは料理がうまいんだね、リョウだけに……」
「ばか……」
食事が終わってコーヒータイムだ。
私たちはこれから起こることを予期して会話が滞った。
私はドキドキだった。どうやって切り出すか困っていた。まだリハビリは不十分かもしれない。
彼女はスマホを取り出して私の投稿した小説を開いた。
「リョウの小説の最終話、この『中略』された内容って何?」
私は自分のスマホで書き直す前のファイルを見せた。
彼女はしばらく読んでいた。
私の性癖がばれてしまう。
「すごくエッチね! でもすごくいいわ。さすがエッチな小説を書いてるだけのことはあるわね。この通りにしてみる?」
(エッチな小説を投稿している件、探し出されたのかな……やばい……そういや彼女をモデルに一本書いたのがあったな……)
「いいよ」
私は自分が書いたくせに、間違えないように事前に何度も小説を読んでいた。
私たちは、まずは小説の通りにキスをした。そこからは書き直す前の小説の通りに……
……中略……
私たちは結ばれた。
私たちは二人並んで仰向けになった。小説のように手は繋いである。
「次のミッションは裸エプロンね。私はエプロンは持ってるわ」
「残念。一緒に買いに行きたかったのに!」
「小説では『水着も一緒に買いに行こう』みたいな形で終わっていたけど、プールか海へ連れていってくれるならいいわよ」
「試着室を覗いてもいい?」
「それはダメ。女の子が水着になるにはいろいろ準備があるの!」
私は今、それに気づいた。これまで気づかなかったなんて、私にはまだまだリハビリが必要みたいだ……
[第2章 了]
第2章終了です。
明日から第3章です。
第3章はリョウとカオリの物語です。
尊い二人の関係をご確認ください。




