第二十八話「弐撃決殺」
キングボス が はんげき に でたぞ !
キングボスは考えた。遠乃に勝つ方法を。
初撃の落雷をかわされた上に、魔術戦はすべて無効化されている。
故に魔術戦を捨て、その無駄に肥大化している筋肉を用いて、
接近戦へとシフトしていった。
キングボスはそのクッソ細い足で細やかなステップを刻み、
遠乃が放つ魔術を紙一重でかわしつつ接近する。
時折、直撃を免れない物もあったが、『水属性汎用呪文』により、
多少ダメージを負いながらも、無効化に近いことをやってのけていた。
そして、遂に拳が届く間合いにキングボスは踏み込んだ。
「ちょっと眠ってろお前!!」
キングボスはそういいながら遠乃を殴りつける。
異常に発達した上半身から繰り出される打撃は、
ラグビー部の後輩を気絶させる程の威力を持ちながら遠乃を襲った。
遠乃は完全に油断していたのか、接近を許してしまっていた。
その打撃に反応し、腕を十字させ防御体勢を取りガードするが、
メキメキと音を立てながら遠乃の腕は軋んだ。
「う、うぐぅ……」
遠乃は苦悶の表情を浮かべながら、
距離を取ろうとバックステップを踏み始めた。
「痛めつけるぴょん♪」
この戦法が効果的と見たキングボスはクッソ細い足で追い足を強め、
遠乃のガードの上をメチャメチャに殴りつける。
「怨!怨!怨!怨!怨!怨!怨!」
「ちょっ、まずいですよ。ちょっと、ホントに……っ!」
ガードの上からひたすら殴られ、遠乃の腕の限界がすぐそこまできていた。
遠乃はキングボスの猛攻に手を出せずにいた。
油断癖が招いた一連の流れである。こいついつも油断してんな(呆れ)
「最後の一発決めてやるよオラぁ!!」
キングボスは最後の一撃と称したワン・ツーを叩き込んだ。
その一撃(ニ撃?)で遠乃の腕は折れ、壁際まで吹き飛んだ。
「こんな美少女がさぁ、顔歪めてさぁ、最高だぜオラァ」
「ぅ、うぐぅ」
「お前もう生きて帰れないな」
キングボスは追い討ちをかけず、次に備え雷雲を作り始めた。
距離が出来てしまった以上、深追いは危険と考えた為である。
雷雲の製作途中に遠乃が詠唱を始めた。
「鬼よ許しは請わぬ。兄よ許しは請わぬ。逢魔の娘」
「極大回復呪文:コワ=ルルー」
おとk……女の子になっちゃいそうな呪文により、
遠乃ダメージが完全に回復した。お兄さんゆるして。
「ふぅ、びっくりしました」
「マジむかつくなコイツぅ~」
キングボスはこのときも接近する方法を考えていた。
先程、火属性呪文を詠唱していたことから、
火属性のストックは無いと判断し、雷雲を消されないように立ち回るつもりだった。
「接近戦だったら勝てると思いましたか?」
「オッス(Z戦士)」
「じゃあ、ちゃんと接近戦してあげます」
「あのさぁ……お前、接近戦でさぁ、勝てると思ってんのかオォン!?」
「あたりまえだよなぁ……」
遠乃は呆れ顔でそういいながら、徒手空拳を構えた。
「迫真空手:双打の型」
それは迫真空手界で最も恐れられた、
【知将】と呼ばれる男がとる構えと全く同じだった。
あんまりオーソドックスな魔術戦をしていない。
やはりホモはうそつき。




