第二十二話「なんで見る必要があるんですか」
あ ら す じ
キム・ラーがイケメン復活を遂げた。
肉丸とキム・ラーの戦いは拮抗していた。
憤怒剣を持った肉丸。
嫉妬剣を持ったキム・ラー。
この2人が拮抗状態で戦い、ギリギリのところで勝った方をうちが倒す。
これしか、うちが勝つ方法が無い。
先ほど、4本目の嫉妬剣を精製した瞬間に卯剣が消えていた。
うちの最大精製本数は3本のようだ。
1本あれば雑魚は屠れてたからね。
今まで検証してなかったのはしょうがないね。
そういうことなので、この戦いがより拮抗するようにうちは茶々をいれることにした。
「12本目 戌剣 ッポクネェナ!」
午剣をいったん消し、戌剣を精製する。
これは若干短い双剣が特徴だ。
うちのスピードにも若干のバフがかかるぞ!
肉丸の後ろへ回り込み、肉丸のバックステップに合わせて踏み込む。
双剣による2回の斬撃に加えもう一度斬りつける。
3回だよ、3回!
が、3回目の斬撃に合わせて肉丸は憤怒剣をこちらへ振りかざしてきた。
「ふぁっ!!」
慌てて戌剣を交差して、盾にすることで致命傷は避けることができたが、戌剣は折れた。
体勢を立て直して、再び2人の動向を見据える。
だが、そこには血だるまになった肉丸の姿があった。
恐らく、こちらに気を取られ、憤怒剣を振った瞬間にキム・ラーに切られたのだろう。
憤怒剣も折れて消滅していた。
うちの作戦は失敗した。
キム・ラーの体力はMAXではないにせよ、
うちが勝てるレベルまで削れていない。
そして嫉妬剣を渡したままだ。
うちが嫉妬剣に触れることができれば消すことも可能だが、
次にうちが嫉妬剣に触れるタイミングは斬られた時の可能性が非常に高い。
とはいえ嫉妬剣のバフがかかった状態のキム・ラーはヤバイ。
まずは嫉妬剣を消す作業から始めよう。
「卯剣、午剣を精製!」
スピード勝負で、嫉妬剣に触れて消す!!
キム・ラーの後ろに回り込もうとした瞬間だった。
うちの両手の剣が 「パキャン」と小気味良い音を立てて折れた。
「走れてないですよ?」
キム・ラーの前では2本でのバフも無意味だった。
もう泣きそうだけど出し惜しみ無しで、嫉妬剣を消しにいく。
「13本目! 透明剣 ガール!! 」
自分の姿を消す剣。透明剣。ぼくの真夏休み。
「えっ何?」
キム・ラーはうちの姿を見失ったようだ。
ここで最強剣を使ってキム・ラーを。
いや、嫉妬剣だけでも消滅させる。
「14本目! 騎士王剣 アーサー!!」
この剣はすっごい光がすっごい火力ですっごい強い。
うちはこの剣を上段に構えて、少し離れたキム・ラーに向かって振るう。
「いきますよぉ!いくいく!!んあああああああああああああああ!!」
超圧縮された光が、熱量が、質量をもって剣に宿る。
絶対破壊の一撃を不可視の状態で打ち込む。
これで大ダメージは確実。
振り下ろすその瞬間、
キム・ラーはすでに目の前にいた。
見えてないはずのこちらへ迷いも無く正確にうちを捉えていた。
振り下ろす最中の騎士王剣に嫉妬剣が走る。
剣の最も硬いはずの根元に嫉妬剣を打ち据えられた。
そして、騎士王剣はあっさりと折れ、すっごい火力は不発に終わった。
うちは焦燥で半狂乱になりながら透明剣でキム・ラーに斬りかかったが、
これもあっさり迎撃され、透明剣は折れた。
なぜ?透明剣の効果でうちの行動は全く見えてないはずなのに!!
「なんで見る必要があるんですか」
太陽神は事も無げに、うちにそう告げた。
クリスマスを彼氏と過ごしたので更新します。




