第十九話「一つ目巨人 vs 太陽神」
COAT大陸の小国、そこがうちの故郷だ。
キム・ラーはガキのときからの付き合いで、
なんでも先祖代々王家を守る一族なんだそうだ。
キム・ラーはその一族の歴代でも軍を抜いて優秀だったようで、
迫真空手の道場に通えば大人を圧倒し、すぐに一位にまで上り詰めるようなやつだった。
対するうちは、歴代でも稀にみる落ちこぼれで、
迫真空手の道場に通っては途中で辞めたりなんだり。
だがまぁ、うちも王家の端くれだ。
王家に伝わる一家相伝の能力が備わっている。
この能力でいままでカーリー達と旅してきたんだ。
結局国を出るまでキム・ラーには一度も勝てなかったけど、うちも昔のままじゃない。
うちも強くなったってことを証明してやる。
見とけよ。見とけよ!
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うちは控えめな胸の前で両手を握り込む。
「24の一つ目」
これがうちの能力。24の一つ目24本の伝説の剣を精製する。
王家に伝わる神降ろし、サイクロプスの能力を引き出す技だ。
サイクロプスは刀鍛冶。故にうちはどこからともなく剣を召喚できる。
「1本目、亥剣 ボア!」
十二支剣の1本ボアを精製する。
この剣の能力で直進スピードと攻撃力が増大する。
「いきますよ~!いくいく!!」
剣の能力に任せ、キム・ラーへ踏み込む、
基本的に能力が低いうちは武器性能に頼って戦う以外の術は持たない。
したがって、剣の能力が最大限に活きる戦法をとる。
高速での踏み込み、そして突き。
亥剣の単純にして最強の技。猪突。
キム・ラーはそれを最小限の動きでかわし、亥剣の刀身に裏拳を放った。
パキャンという小気味良い音をたてながら亥剣は折れた。
魔力精製とはいえ、伝説の十二支剣なんだがなぁ。たまげたなぁ。
キム・ラーは「今の剣の刀身はぼくの髭と同じくらい薄かったからしょうがないですよ」
とかなんとか言っていたがあまり頭に入っていなかった。
「これもう(勝ち筋)わかんねぇな」
今の一合でうちの心は折れそうになった。
が、あと23本も剣はあるんだ。キム・ラーの弱点くらいつけるさ。
「2本目、丑剣 カウ!」
十二支剣の1本カウを精製した。
この剣は非常大振りの剣で刀身が厚い。
いうなれば両手剣。しかしやっかいなデメリットも存在する。
「んにゃぴ……やっぱりこの剣を精製すると胸がセクシー。エロいっ!」
そう、デメリットとは精製している間、胸が大きくなる。
しかもかなりの巨乳になるのだ。邪魔でしょうがない。
プライベート時は常に帯刀しておきたいとか思ってない。全然思ってない。
が、この剣を精製し、胸が大きくなると同時にある変化がおきた。
キム・ラーがうちの胸をガン見しているのである。
これを好機と思ったうちはすかさず胸を寄せて上げてを繰り返した。
「ほらっ!ほらほらっ!なにやってんだキム・ラーほら見とけよ~」
「いや、見てないですよ///」
あまりにエロチックな光景にキム・ラーは目をそらした。純情か。
戦闘中に目をそらしたキム・ラーに対し、うちは丑剣を振りかぶる。
大振りの剣ゆえに速度が出なかった為か、
キム・ラーにバックステップでかわされてしまった。
だが、キム・ラーの頬に一筋の傷が走った。
「えっ何」
キム・ラーは頬の傷を抑えながら困惑していた。
それはそうだろう。うちは胸をもにもにしながら3本目を精製していた。
「3本目、子剣 マウスですよ。フゥー↑気持ちいい~」
子剣は短刀の様な形状で、丑件の鍔にセットできる。
そして丑剣を振ったときにカタパルト射出される十二支に則った良武器だ。
対応されるまで、丑剣による近距離と子剣による遠距離の波状攻撃で攻めさせてもらう!
それと同時にキム・ラーは部活の先輩に「大事なところも洗え」と言われたときのように
ため息をつきながら呟く。
「わかりました……」
その瞬間キム・ラーが凄まじい勢いで光に包まれた。
「神降ろし……太陽神・ラー」
「ファッ!?」
「ラーの名において、適正武器を精製せよ」
「ウチもして欲しいけどなぁ~」
「”創造です”」
キム・ラーの手に対ウチ用の武器が握られていた。
新ぶっくまーく兄貴ありがとナス!




