盗賊を捕まえたそうです
僕が盗賊達を気絶させてから数十分が経過した。
僕は今荷馬車の中にロランスさんや他の護衛達と一緒にいる。
盗賊も護衛達も少し前に全員目を覚ました。
だが、盗賊達はうるさかったので、もう一回気絶させておいた。
他の冒険者と話すいい機会なのでサリムさん達に色々聞いている。
「なんでサリムさん達は護衛の依頼を受けたんですか?」
「あぁ、こいつが討伐依頼以外もたまには受けてみるのもいいかもな、って言い出したのがきっかけだ。」
話を聞くと、サリムさん達のパーティー「キーンファング」は3年前にパーティーを結成して、ひたすらランクを上げるために討伐依頼ばかりを受注していたが、ある程度ランクが上がり、護衛依頼を受けることができるようになったから受けたのだとか。
「へー、じゃああなた達はずっとこのメンバーでパーティーを組んでるんですか?」
そうロランスさんが質問した。
「そうだぜー。ちなみにリーダーはサリムだ。まぁリーダーなんて形だけで、大事なことはみんなで話し合って決めるけどな。」
色々話していたら監視役の護衛から盗賊が目を覚ましたという報告が入った。
「俺が行ってくる。
悪いがジュンも来てくれ。お前がいないといざという時に気絶させられないからな。」
僕は頷き、サリムさんの後をついていった。
でもなんで気絶させる必要があるんだろう。
どうやら報告してくれた護衛の人は残るようだ。
盗賊達の荷馬車についた。
流石に、もううるさく騒がない。
サリムさんが盗賊達の前に立って、1人を喋れるようにした。
「襲ってすまなかった!もう2度とあんなことはしないから見逃してくれ!!」
少し自由にしたらこれか。
「黙れ、お前達は警備隊に引き渡す。ただその前に質問に答え…」
「本当に反省してるんだ!なんでもするから、警備隊だけは勘弁してくれ!!」
サリムさんが言い切る前にそう叫んだ。
周りの盗賊達も首振り人形のように頷いている。
捕まるのが嫌なら初めから盗賊なんてしなかったらいいのに。
自業自得だ。
「黙れと言っているだろう。警備隊に渡される前にまた気絶したいのか?」
サリムさんがそう言うと、盗賊は黙った。もう雷を受けるのは嫌なようだ。
というか雷魔法をで気絶させるのは僕なのに、サリムさんは当たり前のように脅す。
まぁ別にそれくらいならいいけどさ。
「それで、なんで俺達を襲ったんだ?何か特別な理由があったのか?」
「いや、何も理由なんてなかったよ。あんた達は金を持ってそうだったから襲っただけだ。」
盗賊は素直に話し始めた。
そんなに雷魔法を受けるのは嫌なのか。
あれを受けてから倒れるまでには多少時間差があるらしく、気絶するまでの数秒間は苦しかったと護衛の1人が言っていた。
でもあれだけ騒いでた盗賊が大人しく話し出すのは予想外だった。
「そうか。」
サリムさんはそれだけ言うと盗賊の口を封じて、ロランスさんのいる荷馬車へと戻った。
「ロランスさん、俺達はただ運が悪かっただけみたいだ。」
荷馬車に戻ってきたサリムさんはロランスにそう告げた。
「そうですか、それはよかった。」
どういう意味だろう。
「ロランスさん、なんでよかったなんですか?」
「いえ、こういう仕事をやってますからどこかで恨まれていたのかと思いまして。」
なるほど、そういうことか。
「まぁ襲われないのが1番いいんですけどね。」
それはそうだろう。
それから数時間後、特に何事もなく、メイガンの街についた。
サリムさん達といろいろ話して勉強になった。
「キーンファングのみなさん、ここまでの護衛ありがとうございました。
ジュンさんは申し訳ないですけど、もう少しお付き合いください。」
「こちらこそ助かりました。機会があればまた。
ジュン、あの時は助かった。お前が盗賊達を気絶させてくれなかったらこっちも被害が出ていたかもしれない。なんの礼もしなくて本当にいいのか?」
「いいって、ロランスさんから報酬がもらえるみたいだし。」
荷馬車の中で、サリムさんが冒険者同士ではあまり敬語は使うなと教えてくれたので、敬語は使っていない。
「そうか、悪いな、今度会った時奢るよ、って言いたいんだけどお前酒飲むか?」
「飲まないよ。」
「そうか、じゃあ何かあったら言ってくれ、できる限り力になる。」
「わかった、じゃあその時はよろしくね。」
「あぁ、またな。」
そう言ってサリムさん達は去っていった。
「ジュンさん、私の店へ来ていただけますか?」
「え、奴隷商の店に行くの?」
「ええ、私のところは比較的奴隷に厳しくないので、そこまで警戒しなくても大丈夫ですよ。」
「わかった、じゃあ行くよ。」
「ありがとうございます。ではついてきてください。」
そう言ってロランスさんは歩き出した。




