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鳥人戯画  作者: 吾子 要
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自殺講座その五

自宅・6月30日6時45分


朝はいつも母の朝ごはんが出来たという合図に起こされる。昨日夜にやっていた映画を見てから、風呂に入ったり歯を磨いていたら結構遅くなってしまい、今日はあまり寝れていない。なので寝不足でボヤ〜っとした意識のまま制服に着替え部屋を出る。階段を降りて洗面台まで行き、顔を洗う。意識が覚醒していく、そのうちに昨日の出来事が頭によぎった。嫌な感じだ。人が目の前で死んだのに何故だかショックが少ない。あの事件の後にすぐラーメン屋に行っている。それほどにショックがなかった。分からない。こんな自分が嫌だ。人ならばあんな酷い形で人が死んだのを見たら、その直後にラーメン屋なんて行かないはずだ。そうやって考えることは出来るのにショックの実感がわかない。とても嫌な感じだった。

「どうしたの?そんなところで立ち尽くして、朝ごはん出来てるよ。早くお食べ」と母が優しく声をかけてくれた。

「ああ、いやなんでもないよ母さん。今行くよ」

「そう?」まだ心配そうにしている。

「本当に大丈夫だよ。それより学校から連絡来てない?」

「そういえば来てたわ、今日は休講ですって」

よかった、こんなモヤモヤ嫌な感じがする中で学校には行きたくなかった。今日はご飯を食べたら部屋でゴロゴロしているか、この間買った小説を読むことにしよう。




狛中第一高校校門・6月30日7時48分


アパートから急いでこの学校まで来たが校門が閉まっている。自殺事件の影響で休講になっている。しかし、学校の中には人がいる様子がある。きっと調査をしているのだろう。

どうしたものだろう。学校に入って私も調査したいのだが、これは一芝居うつ必要がありそうだ。


30分後

家に帰りなるべくお堅い服を着て、サングラスをかけてきた。さてと後は私の演技次第ね。

校門にあるインターホンを押す。


「はいこちら狛中第一高校事務室、どちら様でしょうか」事務員が出た。


「I'm FBI! I'm investigating the case of suicide in this school.」ネイティヴのようにまくし立てる。この田舎の学校なら騙せるだろう。


「え、え?ぷりーず うぇいと、うぇいと あ みにっつ」動揺している。


「uuuun ok」不機嫌そうに答える。


インターホンの向こうで話し声がしている。


「おい、やばいよエフビーアイが来ちゃったよ。どうしよう、ずっと英語だし、英語の先生呼ぼう。」


よし、うまくいったようだ。


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