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8話『夢双病対策会議』  

【本作の表記】

名前「セリフ」 →登場人物の会話

???「セリフ」 →正体不明の人物の会話

「セリフ」 →主人公の会話


8話『夢双病対策会議』  


夢双病。それは、

吸血鬼によって引き起こされる病で

症状は、ただ眠り続ける事である



[ギルド内 会議室]

会議室には、夢双病から生き延びた

戦力が集っている…とは言っても

ゆきなさんが増えただけだけど


大きな机を中心に皆が立ったり座ったりと

好きに囲んでいる状態で会議が始まった



「それで…この病の原因や症状はまぁ、大体分かったんですけど…結局治るんですか?これ」


ゆきな「原因になった吸血鬼を倒せば治るって話なんだけど…まぁ実際倒せることなんて希で、ほとんどがそのまま死んでしまうんだよ」

「そんな…」


アイリス「倒せないって言うよりは倒すチャンスがないって感じですね。」


アルピス「えぇ、戦力だけならこちらが優勢です。しかし、居場所が分からないのが問題です」


アルピス「あ…いや戦力は足りてないか…」


「キチガイマンも…やられたんですかね?」

ゆきな「あ、あ~はは…まぁうん。一応戦えない状態ではあるんだけども~」

「?」

明らかにゆきなさんの歯切れが悪い

…何か知ってるのか…?…だが今は聞けないな


アイリス「私達が、このギルドに残された最後のまともな戦力ってことですね」

「……前はあれだけ居たのに…か」


アルピス「有力な冒険者は軒並みやられた後ですからね。今回の吸血鬼は男性を中心に狙っている様です。もちろん女性からも被害者が出て居ますが、

基本は強い女性だけが被害にあっているようです」


ゆきな「あれ、今私馬鹿にされてる?」


アイリス「…私達って吸血鬼的に非戦闘員扱いなんですかね」


アルピス「いえ、恐らくは逆です」


「逆?…あぁ強すぎる的な?」


ゆきな「あー!あはっ!なるほどね!まぁまぁ私だってギルドのNo.2を張る女ですしぃ?キチガイ集団だの揶揄されてますけど、ヤバイのはキチガイマン呼ばわりされてるアイツだけで、私は真っ当に強いですし?」 

ゆきなさんがいつにもまして生き生きとしている。


アイリス「私だって…」

こちらは控えめに存在感を出している


「アピールタイム?」


アルピス「…問題は貴女達が襲われてない事よりも、彼が無事な事の方です」

アルピスが指を指す。全員の視線が集まる


その指が指す先には

「ん?え、あ、俺?」

 

アルピス「えぇ。軍にだって男性の犠牲者が多く出ている。ギルドからはごく一部を除いて全滅状態。なのに何故君は無事なんですか?」


「なんでって……言われてもなぁ…吸血鬼とか夢双病とか、そもそも知らなかったし…最近はずっとギルドに居て、基本アイリスと居たから……」

「まぁアイリスの恩恵かな?」


アイリス「…ちょっと照れますね」

珍しく口元が緩むアイリス


ゆきな「今日は私の家に来る?私の方が強いよ」

何故か食いつくゆきな


アイリス「私に2人も守らせる気ですか?」

煽るアイリス


ゆきな「あれあれー何で私も庇護対象なのかな?」

「何で喧嘩に発展してんだよ」


アルピス「この際だから白状しますが、私はしばらくの間、部下に貴方を見張らせていました」


「え?」

軍に…見張られてたのか?!嘘だろ?!何で?!

いつから?!何のために!……やましいこと…はしてるか…古代語調べてたもんな……これ…結構ヤバイんじゃ…


ゆきな「ストーカー…?」


アイリス「プライバシーって知ってますか?」


アルピス「仕事なんだよ!僕も好きでやってるんじゃない!……ごほん。私達軍は、おそらくご存知の通り、キチガイマンと呼ばれているあの男を日々勧誘し続けています」

アルピスが一瞬取り乱した


ゆきな「結構良い迷惑だよね」


アイリス「?」


アルピス「理由は当然軍の戦力増強。彼のオールーリスは恐ろしく強い。

だからヴァルキリー元帥は3次団体のギルドに止めず、直属の部下にしたいと考えているそうです。」


「それと俺になんの繋がりが…」

アルピス「そこの理由はシンプルです。ただ貴方が彼に接触したからってだけです」


「…何だそりゃ」

あぁ…なるほど…じゃあ俺が特別何かやらかしたとかじゃないのか……


ゆきな「まぁ確かにアイツ抜けてるようで、結構プライベートはガッチリだもんね。皆素性を知らないんじゃないかな?……」


アルピス「…付け入る隙を探すために貴方を監視していました。申し訳ないです」

「え…あ、まぁ良いよ実害は無かったし」

軍の監視…か。…何が禁忌かもわかんねぇんだ、下手はできねぇな。

ってあれ?俺が襲われなかったのってもしかして監視があったからか?


アイリス「つまり、軍が守っていたから狙われなかったと?」


アルピス「私達も当初そう考えました。

ですが今朝方、貴方を監視させていた部下がやられていた事が不可解です。

町から人が減るにつれ、吸血鬼が付け入る隙も増えるはずが、貴方の回りの人間ばかりがやられて、何故貴方は無事なのでしょうか」


ゆきな「うーん確かに、男性を優先的に狙うはずの吸血鬼がターゲットを女性に移しつつあるってのも気になるね…まるで君を認識出来ていないみたいだ」

…認識…か


アイリス「例えばゴブリンは、性別を体内の魔力や匂いで見極めるそうですが、吸血鬼も似た見分け方をしていて……あー…えっと、私と同じ石鹸使ってるから見分けれてない……とかですかね?」

アイリスが急に不自然な……


あ、いや、そう言うことか!アイリスが言いたいことはつまり、俺が現世人故に体内に魔力を溜めれないから、吸血鬼が俺を見つけれてないって事を言いたいんだな!!


ゆきな「……まぁ石鹸か、そっかぁ」


アルピス「理由はどうであれ、結果として出てる以上理由は何かしらあるはずです」

話が進む中、受付嬢が外からある人を

連れてきた。


受付嬢「お待たせしました!!軍本部より、ヴァルキリー元帥がいらっしゃいました!」


「!!」

ヴァルキリー…元帥!


ゆきな「きた」


アイリス「……」


アルピス「お疲れ様です。何か策は浮かびましたか?元帥」


ヴァルキリー「あぁ。もう準備に入ったよ」

大きな鎧を着た女性の騎士。

歳を感じさせる佇まい…だが老いとはまた違う…

若々しさと大人らしさが共生した見た目をして居る


受付嬢「うぇ?!え、え、え、」

外に出た受付嬢が急に取り乱す。


ゆきな「あれ、お姉さんどうかしたのかな」


ヴァルキリー「驚く事はないよ。ただ患者を全員連れてきただけさ」


患者を…連れてきた?


アルピス「まさか…」


アイリス「…!なるほど…そう言うことですか」


 「?え、何がなるほどなんだ?」


アイリス「君が一度やったじゃないですか。私達3人で、チビゴブリンと戦った時と後王ゴブリンでも」


「えーっと」

確かあのときは…ゴブリンの習性を利用して…

習性と言えば夢双病は吸血鬼が生きた血を保管するために得た力だとか言ってたな……あ、まさか


「囮作戦!」


アイリス「そうです」


ゆきな「自分で一回立てた作戦忘れちゃ駄目じゃーん」


ヴァルキリー「報告書によると、君はあの日初陣でありながらオールーリス発動までを囮作戦で凌いだそうじゃないか。ゴブリンの注意をそらし、勇敢にも王ゴブリンに攻撃したとか」


アルピス「つまり…町中の患者を1ヵ所に…このギルドに集めて吸血鬼をおびき出すと?」


ヴァルキリー「良い作戦だろう?彼のアイデアを参考にしたんだ。私にこんな冷徹で無謀な判断は出来ない。だけどね、前例があれば話は別さ」


アイリス「でも、町の人まで連れてくるのは…」


ヴァルキリー「あぁ。だからここへは吸血鬼的に優先度が高いであろう冒険者だけを連れてきたよ。後の皆は本部で眠っているよ。

もちろん本部に警備は着けているからね。ここ以上に厳重さ」


ゆきな「もしかして…ここを守るのって」


ヴァルキリー「もちろん。私とアルピス。君達だけだよ」


「なんて…無茶な」

俺は吸血鬼の強さも分からないのに…なんてこった


アルピス「吸血鬼は空を飛ぶから、それこそオールーリスの力でもないと…」


ヴァルキリー「もちろん策はある。それよりも…彼はやっぱり動けないのか」 


ゆきな「…………はい」

「……」


ヴァルキリー「残念だ」


ヴァルキリー「まぁ良い。敵がいつ来るかも分からない以上、立ち止まっていてはいずれやられるまでだ!!今この瞬間より!ギルド内防衛作戦を開始する!!」



[???]


マヤ「赤い月の日が来ますね」


マヤ「月の女神の私らしい…良い日!!」


マヤ「…イメチェンしようかな…」










[現在公開可能な情報No]


『夢双病』


吸血病とも呼ばれる病で、症状は

ただ眠り続けるだけ。吸血鬼が

人間を生の血液タンクにする

目的で身に付けた力で、完治の

条件は吸血鬼の討伐である

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