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41話『魔王降臨』

41話『魔王降臨』



マヤ「狂欲病で女神になった人間!!!」



マヤ「戦いの女神だ!!!!」




今思えば夢双病対策会議に居た生き残りのメンバー…!

全員に生存理由があったんじゃないか?!


俺とゆきなさんは転生者で魔力探知を逃れた!!

アルピスさんは結果的に風の女神で

……ヴァルキリーが狂欲病だってのが…マジなら…!!


ダッダッダッダッ


「信じるに値する…根拠がある!!」


マヤ「ははっ…それ、後で聞かせてね!」


だが…アイリスは何故無事だったんだ……??

ヴァルキリーが回収したがる程…有用な何かが……


ダッダッダッダッ

アイリス「???」


アイリス「えっと…マヤさん?…ですっけ」


マヤ「マヤだよー!どしたのアイリスちゃん!


ダッダッダッダッ

アイリス「何時まで走るんですか!!これじゃすぐに…」


「追い付かれる…!」


アイリスは狂欲病どころか、ゴブリンやルナさん、エルフの事も何も知らない…!!

それなのに文句も言わずについて来るなんて…


さすが…冷静…だな


ダッダッダッダッ



[軍本部 広く長い廊下]


元帥室より一つ下の階にある廊下。

ヴァルキリー元帥を吹き飛ばしたのとは真逆の方向から脱出するべく

この廊下を走っているが、すぐに目の前に4、5人の兵士が現れる


兵士「そこを止まれ!!」

兵士は皆フードを被っている…普段は見かけない様相…


兵士「アイリスを置いていくんだ」


マヤ「「「「ルミナス・グラビティ!!」」」」


兵士「なっ??!!!!」

これまで同様、マヤは問答無用で兵士を地に伏せさせ、

すぐに拘束魔法で縛り上げた


アイリス「…凄まじい」


「あれが、マヤの引力を操る力だよ」


マヤ「ちょっと!!急いでるんだから邪魔しないで!!」

倒した兵士のフードを捲りながら文句を言っている。

急ぎとは言え明らかに未知の敵の素顔を見ない程マヤは抜けていない。


だがそのフードをめくった時、マヤは驚き、その驚きと共に

新たな敵が一人、現れる


マヤ「不自然に…欠けた耳…!!まさか!!」


「!!」


???「私の可愛い部下が床ぺろかぁ…強いね」


兵士「すみません…アカリ隊長…!」


アイリス「褐色の…エルフ?」


「!!」


クソっ今度は何だ?!ダークエルフってやつか?!明らかに他の奴より

強そうだ…一定の間合いを取って…不用意にこちらに近づいてこない。


だがこっちは急いでんだ!!けつにヴァルキリー元帥がいるんだぞ!!

今すぐにもここから離れねぇと


マヤ「…この壁を破って外に飛び出るよ!!」

すぐ隣の壁を指差す


「!!!」


アイリス「え?!」


アカリ「やーやー!させるわけがないじゃないか!!!」


アカリが、一気に間合いを攻めてくる。

その狙いはマヤや攻撃ではなく…


「アイリス!!!」

アイリス「?!」


アイリスを抱きしめてでも捕らえて!俺達の逃走を

阻止する為のアクション!!!!


マヤ「!!!」

「避けろアイリス!!」

コイツはエルフだ!魔力探知に優れている!!だったらコイツは今!!

俺への警戒が極端に薄い!!!


アイリスに飛び掛かるアカリ…

俺も咄嗟に行動に出る


だが俺は直接アカリを狙ってアイリスを守るんじゃない…!

俺じゃきっとこのエルフに勝てない!!だったら!!

俺が直接!!!アイリスを抱き寄せてでも

このエルフの軌道からアイリスを奪う!!!



アカリ「んにゃ?!」

飛びつくアカリの視界から不意にアイリスが消える

アイリスがどう回避しようが確実に捕える算段だったが

計算外の存在の介入により、計算が崩壊する。


すぐに体勢を立て直し武器を構えるが、

この一瞬の隙が、命取りとなる


マヤ「ルミナス・グラビティ!!」


マヤの技により、アカリが壁に叩きつけられ

そのまま突き抜ける!!!!!!!


アカリ「うっそ」

アカリが落下したした直後

同じ穴から俺達も落下する


マヤ「私達も行くよ!!」


マヤ「落下には……もう慣れてるよね?!」


「…ははっ……勿論!!」


高さ数十mからの…落下!!!


「うぁぁぁぁぁ!!」


マヤ「ルミナス!!グラビティ!!」


アイリス「!!」


アイリス(体が…軽い)




[ギルド付近広場]


町の外を目指し、走る

今現在、ヴァルキリーの追手は見えない

だが…油断は出来ない


ダッダッダッダッ

アイリス「いったい…何処まで…逃げるんですか?」


マヤ「分からない!!…でもあれは戦って勝てる相手じゃないよ!!」


「…とりあえず魔王城をめざしましょう!」

アイリス「魔王城?!!!」


アイリスの反応が正常…全部を都合よく手短に教える手段が必要だ……いや!!んなもん!!無いもんを考えるな!


今はそれよりも…ヴァルキリーだ!!!

あのマヤが全力逃走を選んだ相手だぞ!!!


それだけが必死に逃げる理由になり得る!


俺自身も見ただろう!!

吸血鬼を瞬殺した瞬間を!!


確信…いや断言出来る!!

ヴァルキリーには…勝てない!!


??「止まれ!!!」


マヤ「げっ」


「嘘だろ…クソッ」


アイリス「!!…!」


また耳の欠けたエルフか!!


ミキ「ここから先は通すわけには行きません」


ミキ「…アイリスさんを返して貰います」


マヤ「君が事情を知ってるようには見えないな」


ミキ(……月の女神……か?……ならば拘束魔法は通用しない……)


マヤ「何か色々考えてるみたいだけど…」


マヤ「無意味だよ」


ヴァルキリー「無意味なの君達の足掻きだよ。」


背筋が凍る……


背後に……居る



アイリス「……!!」


マヤ「……っ」


「……マジか…」


ヴァルキリー「私に用意できる限りの最高戦力をこの街に集結させた。」


ヴァルキリー「コウアン部隊のアカリ君が今この街を包囲している」


ヴァルキリー「何より、私の刃が喉元に届く今」


ヴァルキリー「君たちはゲームオーバーだ」


詰み…詰み!!振り返ってメモルヴァメモリー?…意味あんのか?!…切られて即死だ!!


アイリス(…この情況…どうしたら)


マヤ(………私1人を切り捨てれば…あるいは……)


マヤ(………三人で……現世に………)


マヤ(…一か八か…その為の隙を作る!!)


マヤ「うああああああああああああ!!!!」


マヤ「ルミナス!!!グラビティ!!!」


ヴァルキリー「!!!!」


再び、ヴァルキリーを吹き飛ばす。しかし、2度同じ手が通じる相手ではない。


当然即体勢を立て直し、この引力を攻略する。

咄嗟に武器を構えるミキと、即攻撃を仕掛けるヴァルキリー


このマヤの行動は誰の目から見ても明らかな自殺行為


だがマヤは…死ぬ気で生にしがみつく。


マヤの応用能力が爆発する


マヤ「着火!!!!!!」


ミキ「?!」


ヴァルキリー「!!」


乱れ花火を知るミキと

未知の攻撃を警戒するヴァルキリーの動きが一瞬静止する。

マヤの射程内に踏み込む事を恐れての咄嗟の判断。

だが、マヤにこのような技は何一つない。

この着火は明確なブラフ


警戒と動揺。これはマヤにとって最も行動を読みやすい反応で

唯一意図的に誘発可能な最初で最後の隙…


「くそ!!」

マヤの攻撃の意図は不明。しかしこの隙を逃す程馬鹿じゃねぇ!!

全員の意識がマヤに向くこのタイミングで


アイリス「!!」

アイリスを抱えて逃走する!!


ヴァルキリー「なっ!」


ヴァルキリー「アカリ!!」


ヴァルキリーの意識が逸れたこの瞬間、

どんな魔法も再現するマヤが

最強の技を呼び起こす


マヤ「「「「オールーリス!!!」」」


刹那。ヴァルキリーとミキの攻撃が静止…


グラルトもゆきなもいないこの場所で

本来あり得ない現象…しかしこれは

本物のオールーリスではない。


反発と吸引の引力を同時に使用することで

擬似的に再現されたオールーリス


ルミナス・グラビティの新たな応用技


この一瞬の拘束をヴァルキリーは力技で突破し、

ミキは武器を手放すことで対応

ヴァルキリー「偽物はお前だろう?!!スズの出涸らしが!!!」

即座に攻撃モーションに切り替える


マヤ「!!」


ミキが手放した武器の引力は…まだ生きている。

それはまるでオールーリスの遠隔攻撃の様に

背後から迫るミキにマヤは武器を食らわせる!


ミキ「っっっ!!!!!!」

マヤはふら付いたミキと自分との間に更なる引力を付与。

ヴァルキリーの追撃をマヤは自分の肉体を後ろに弾かれた

ミキの方へ吸い寄せる事で回避。


ヴァルキリーとの間合いを取ることに成功する



[逃走側 アイリス達]

あの広場から逃げ出そうとしたその時

物陰から、先ほどの落下を生き延びた褐色エルフのアカリが

姿を表し、アイリスとの逃亡を図った俺に切りかかる


アカリ「今度は逃さないよ!!」


アイリス「!!」


アカリの攻撃が俺へ迫った時、アイリスが武器を取りその攻撃を防ぐ。

そして間合いを取らず、すぐに追撃、アイリスの連撃をアカリがさばく。


アイリス「私の背中は君が!!」

武器を取ろうとした俺に釘を刺すみたいに強く言った。


これは俺に弱いから戦うなと言っているのか?

いいや…きっとそうじゃない


アイリス「約束ですよ」


「あぁ!!」


この乱戦での俺の役割は…ヴァルキリーと戦うマヤと…

今このエルフと戦うアイリスの…サポートだ!!

思い出せ、冷静になれ、状況を見ろ!!


今何ができる?!何が必要だ!!


俺が無理に戦うことか?!違うだろ!!!


必要なのは逃亡の隙か…さらなる仲間だ!!

ゆきなさんでもグラルトさんでもアカネでも誰でもいい!!

状況をひっくり返せるきっかけでもなきゃこの危機を脱する事は不可能…!!


いつだってそうだ!戦況はいつもイレギュラーから覆る!!


何がある?!今俺たちにとってイレギュラーはどこだ?!!


激化する乱戦…増援がやってきて今まさにマヤとアイリスの

側に更なる戦力が動員された…


…全員の意識が地上に向いている…



今、俺達に唯一可能性があるのは…


この空からの…奇跡!!!!


ヴァルキリー「……!!!!」


絶望の刹那


ヴァルキリーは…いや俺達は

頭上に…………悪魔を見た



空から


悪魔の翼が姿を表す。


ヴァルキリー「…!!」


激化する乱戦の中で、全員の意識が

一点へ集中する。その先には


優雅に浮かぶ


ヴァルキリー「…暁のヴァンパイア!!!」


そして……………


???「「「「「メモルヴァメモリー」」」」」」


暁のヴァンパイアに、まるで姫のように抱き抱えられた

世界を揺るがす…まだ誰も知らない魔王の素顔



魔王「……久しぶり………アイリスちゃん」


魔王「お姉ちゃんが助けに来たよ」



この世界に…魔王が降臨する

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