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15話『メモルヴァメモリー』

【本作の表記】

名前「セリフ」 →登場人物の会話

???「セリフ」 →正体不明の人物の会話

「セリフ」 →主人公の会話


15話『メモルヴァメモリー』



こんな夢を見た


それはある王国の


それはある王様の


それはある少女の


いや。ただの恋人だっかもしれない


ただ普通に生きたかっただけの2人が



幸せに生きようとする夢だった



[ギルド一階 地下へと続く階段の前]

朦朧とする意識中、目を開けると、

ヴァルキリー元帥が暁のヴァンパイア、ルナに斬りかかり、

首を刎ねようとしていた。

ルナは必死に血を飲み込んで首を繋ぎ止めている


「なんだ…今の…ゆ、夢??」


「な!!」

いよいよ最後のトドメを刺そうと剣を振り上げるヴァルキリーを眼前に、

必死に生にしがみつく目の前の吸血鬼と夢の中で見た少女を無意識に重ねてしまって。俺は咄嗟に声を上げた。


ヴァルキリー「さらばだ。ヴァンパイア」


ルナ「あ………がはっっ…」


「待って下さい!!!」

いや、俺は何を言ってるんだ…?

街を襲った元凶を倒そうとする元帥を止める理由なんてないだろ。

暁のヴァンパイアの月の女神ルナにアイリスやアルピスさんもやられたんだ!

今さら何を躊躇って…………


あれ?

暁の…ヴァンパイア?……月の女神…?

なんだそれ…


ルナってことはあの吸血鬼の事だよな…何処でそんな言葉…


そういえばなんで他の皆は目覚めてないんだ?

何で俺だけ?………ヴァルキリーさんがルナを切ったから俺は開放されたんじゃないのか?


ヴァルキリー「何故止める?……いや…そうか確かに…違和感があるな。」

こちらの咄嗟の静止に対し、一度は無視を選ぼうとしたヴァルキリーが、

冷静に状況を読み取り、違和感に気がつき武器を下ろす


ルナ「や……べで……いや……だ」

少しずつ衰弱していく。それでも必死に首を抑えて地に伏せている。


ヴァルキリー「私がここに来た時点で君含めギルド内の全員が倒れていた…だから私は吸血鬼を切った。だが…何故君しか目覚めていない?…いや違うな、何故君だけ目覚めた?」


やっぱり…今の状況はイレギュラーなのか?ルナが意図的に俺だけを開放した?

…まさかな…

だがしかしどうする…くっそ夢の内容を整理しようにも

脳のリソースがまるで足りない!!!


…これは直感だが…ルナは今殺すべきじゃない……

いいや、殺させるべきじゃない


ならば今やるべき事は…!


「ゆきなさんだけ何処にも居ないんです!!ルナから居場所を聞き出す必要があります!!だから待って!!」

ハッタリでも何でも良い!使えるネタでヴァルキリー元帥を止める!!


ヴァルキリー「……いや駄目だ。

コイツは死んでも甦る吸血鬼だ。必要なら後で蘇らす。

最善はまずコイツを殺して全員を夢から開放すること。

話はそれからでも良いハズだ。それが最も合理的だと思うが?」


「ッッ!!」

正論過ぎて何も言い返せる気がしねぇ……確かに蘇るんだ。血を一滴飲ませれば!!さっき瞬殺された吸血鬼だって復活前提で元帥は捕獲したんだ……!そうだ…甦る…ルナは不死身なんだ……


だから…今殺したって問題は………


あぁ駄目だ……確証なんてねぇのに……


あの夢がもし……ルナが見せたルナの記憶だったなら……


殺したくねぇなぁ……


これはエゴなのか?

情じゃない…でもルナがこうなったのは

本当に夢の通りなら…ユーリが死んだからだ


そのユーリはなぜ死んだ?

和平を望んで、人里に降りた。だから冒険者に殺された。


王ゴブリンは…俺達が殺したんだろうが…!!!


そして今度はその恋人まで殺ろうってのか?


ルナにしてみりゃ正当な理由を持った

ただの復讐じゃねぇか


元凶は俺じゃねぇかよ……


王ゴブリンは和平を望んでいた。

だが俺の都合で作戦を立てて

オールーリスで殺された


……あぁ駄目だこれ以上考えるな


さっきから頭が痛いんだ……

くっそ……



ヴァルキリー「………すまないが私の判断で行かせてもらう」

痺れを切らしたヴァルキリーが、再び武器を構える


ルナ「だず……げで………ユーリ!!」


ヴァルキリー「………?」

元帥が剣を振りかぶる。


オールーリスでも発動しなきゃ止められやしない


駄目か……でも…これに目を瞑れば……皆助かって…


バチバチバチ

頭に電気のような痺れの衝撃が流れ


知らない人の、知っている声がする


これは……

「「「「この記憶を見ている君へ」」」」

この声の主は…魔王??


「「「「もしこの記憶を見たならば」」」」


「「「「今はただ私の事を信じて」」」」


「「「「こうやって叫べ」」」」




「がぁぁぁあぁあぁぁぁ!!!」

体が痛い、だが立ち上がれ!!

全身が熱く、痛い、でも意識だけはハッキリしてるんだ

苦しくても立ち上がれ!!!


ヴァルキリー「?!どうしたんだい?!!!

やっぱ優しいなヴァルキリー元帥…あんた…俺を見て

手が止まってるぜ


ルナ「?!」


魔王さんよ

後でちゃんと教えてくれよ?


魔王城には行くからよ


隠さず全部喋ってもらうぞ


「………スゥゥゥゥゥ」

息を吸い込み、記憶の声と共鳴する


「「「「「「『メモルヴァメモリー』」」」」」」


ヴァルキリー「?!!!!それは………」


ルナ「ま……おう…さま?」





[???]


魔王「グッドモーニング…運命の子よ」


魔王「閉じる力…与える力」


魔王「開く力…奪う力」


魔王「男の子か、女の子か、はたまた女神か、君が誰かはわからないけど」


魔王「世界の何処かで共鳴を感じるよ………」


魔王「ありがとう…おかげでピースが揃った」


魔王「さぁ…ルナウルト…君の記憶は今開いた。

幸せになる時が来たよ」










[現在公開可能な情報No15]


『王ゴブリンの末路』

ルナとの洞窟生活の末、暴走するゴブリン達を止める為に立ち上がり、

最後は王ゴブリンとして駆け出し冒険者とキチガイマンによって討伐される

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