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10話『目覚めの要求』

【本作の表記】

名前「セリフ」 →登場人物の会話

???「セリフ」 →正体不明の人物の会話

「セリフ」 →主人公の会話


10話『目覚めの要求』

[ギルド 大階段]


割れた天窓

その向こう側には


赤い月光に照らされて

悪魔の翼


暁のヴァンパイアが優雅に舞う




ルナ「はじめまして。運命の子達よ」


ルナ「私は暁のヴァンパイア…又の名を」


ルナ「月の女神 ルナ」






アルピス「月の女神…?私には悪魔に見えますね」

ルナを見るアルピス


ゆきな「女神…」

ルナを見て考えるゆきな


アイリス「…!」

ルナを見て武器を構えるアイリス


しかし


ルナ「!!」


ゆきな「アイリス!!!」



ビュンッッッ


超加速。ルナの攻撃が始まる。

一直線にアイリスを目掛けて高速

移動。


アイリス「んぐっっ!!」


誰よりも早く臨戦態勢を取っていたアイリス。

不意打ちに辛うじて耐える

だがそれ故に最速で狙われる



ルナ「へー…やるじゃん」


アイリス「邪魔!」


ルナを弾き距離を取るアイリス


ルナとアイリスが睨み合う



その隙を二人は逃さない

ゆきな「とりゃぁぁぁ!!」


アルピス「!!」


アイリス「はっ!」


挟み込む様にゆきな、アルピスが攻撃を仕掛ける

アイリスもそれに続く


しかし


ルナ「バーカ!空飛べるんだよ!」


空へ浮くルナ


こちらを煽るかのように飛び上がる



アルピス「ゆきなさん!」


ゆきな「あいよ!!」


ゆきなが遠距離攻撃魔法を発動

弾幕をルナに浴びせる


アルピス「これでも食らえ!!」


アルピスが続け様に投てき。

何かの塊を、ルナに目掛けて投げる


圧倒的有利位置、制空権を持つルナに

ゆきなの弾幕は命中していない。

全てがルナの背後に流れていく


ルナ「そんなの当たんないよ」


ルナ(今、あの騎士が投げたのは…)


アルピスの投げた何かが…ルナの眼前で


アルピス「着火!」


閃光を上げる

ドゴォォォン

爆風が巻き起こり、建物が崩れかける


その姿はまさしく爆弾



ルナ、突然の爆風で視界を奪われ

直後爆風で崩れた天井の瓦礫に押し潰される





アルピス「やりましたねゆきなさん!」


アイリス「早く行きましょう!」


ゆきな「えへっ」



ダッダッダッダッ

三人がその場から背を向け走り去る





がらっ、ごろっ


ルナ「ん!もう!!重い!!」


瓦礫の中からルナが起き上がる


天井は大きく崩落している。



ルナ「今のは…爆弾…じゃないな、ただの爆風だった」


ルナ「まぁそりゃそっか、この世界にそんなの無いし」


ルナ「あのゆきなとか言う女…魔力の起こりが見えない癖に、雑な攻撃をしてきたけど…あの魔法は精度が悪いんじゃなくて天井の崩落を狙ってたのか!」



ルナ「くそっ…羽がやられた、再生に時間がかかっちまうじゃねぇか!!」


崩落の余波で、ルナの羽が飛行困難な状態になっている。冷静な分析。しかし、戦況は停滞している



辺りを見るルナ


しかし周囲には誰もいない。

ゆきな、アルピス、アイリスは全員

姿を消している。


ルナ「逃げた…!でも無駄だよ!!魔力で気配は!気配…は」


ルナが得意の魔力探知で、壁越しに魔力版サーモグラフィでギルド内の索敵を行う。


しかし


ルナ「魔力が…二人分しか見えない…?」


ルナ「…さっきは確かに3人居たはずだ……」



ルナ「あぁ…なるほど…そう言うことか!!ハハッ!」




[ギルド 1階 地下階段前]


ギルド内の地下倉庫に通じる唯一の階段の前。


アイリス「このまま地下に入りますか?」


アルピス「まだです!まずはこの場所に誘い込む!」


ゆきな「外に出られちゃ勝ち目無いからね…どうにか屋内戦に持ち込みたいけど」



アイリス「…吸血鬼…噂通りなら再生力がとてつもないはずですが」


ゆきな「さっきので…ちゃんと足止めになるか…もし羽を傷つけられてれば…でもまぁ治るの待たれておしまいか」


アルピス「この作戦はリスクが大きすぎる…まんまと罠にハマってくれれば…」


アイリス「余程の間抜けか…自信でもなければ追ってこない気もしますが…」



アルピス「…ヴァルキリー元帥が考えた作戦だ。勝機があってのものと信じよう」


ビキキキッ

天井が軋む音?


これは



ゆきな「…?………!!」



ゆきな「上!!!」



バゴォォォォオォン!!


天井が崩れる音

瓦礫の雨が降り注ぐ

この元凶は




天井をぶち抜いて

現れる


悪魔の翼


ルナ「ゆきなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ゆきなの名を叫びながら

瓦礫と共にルナが降ってくる。

着地と共にゆきなに飛びかかる。


その背中には元よりも更に傷付いた羽が見える

今の崩落って、更に傷が深くなったようだ



ゆきな「えぇ?!!」

咄嗟の出来事に、ゆきなの思考が飛ぶ。

一撃目を受け身で回避し

ニ撃目は二人が咄嗟に間合いに入り

攻撃を防ぐ


アルピス「来たっ!悪女神!」


アイリス「ヴァンパイア…!」


三人が再び臨戦態勢へ



三人が武器を構える


ゆきな「何で私の事呼びながら派手な登場してんのさ」


アイリス「…!羽が」


アイリスが羽の負傷に気がつき


アルピス「あぁ!大当たりだ」


アルピスが次の一手を考える



だがルナは…何もせず、3人の前に立っている


そして…余裕な表情で


ルナ「チャンスをあげる」


戦場を乱す


アイリス「何?」

予想外の言葉にアイリスが一瞬首を傾げる


ルナ「今から3分だけ猶予をあげるよ。

これは私の羽が治るまでの時間ね」

指を3つ立てて、こちらに突き立てる…



アルピス「これは丁寧にどうも。でもそれを信じろと?」

アルピスの警戒が強まる



ゆきな「目的は何かな、吸血女神様」

ゆきなが睨む


ルナ「今から戦っても君達じゃ私に勝てない。

だからチャンスをあげる」



ルナ「もし乗ってくれたら、君達二人と…後町の人全員夢から解放してあげる」

先ほど突き立てた3本指から1本を折り、

2本の指を突き立てる。


アイリス「二人?」


アルピス「僕たちは3人だぞ?目でもつぶれたのか?」


ニヤリとルナが笑う

 

ルナ「1つめ、今殺されてる私の部下を解放して」


ゆきな「部下?…」




ルナ「それから」




ルナ「日本人を2人私に寄越して」



ゆきな「!」


アルピス「にほんじん?」


アイリス「え」


三人の思考がそれぞれ乱れる



妖艶に…それでいて子供じみた

吸血鬼が…両手を広げ舞うように

語りかけ、核心に迫る


ルナ「女神マヤに導かれた哀れな少年少女達よ」


ルナ「ねぇ…とぼけないでよ」




ルナ「転生者……ゆきなちゃん?」

[現在公開可能な情報No10]


『暁のヴァンパイア』


夢双病事件の元凶。

月の女神ルナを名乗るその吸血鬼は

赤い月の下で悪魔の翼で牙を向く

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