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友達は悪魔野郎  作者: pauel
日本編
12/23

お金を稼ぐのは大変だよね

 「あ、これは祟りです」


 「嘘こけ!」


 「………じゃあ、また明日来ますから、その時にどうするか返事くださいね」


 「誰がするか。俺はその類いのは信じないんだ!、もう来るなよ」


 ムカつく奴だ……


 そのムカつく奴の隣ではオロオロと狼狽えている奥さんがいる。

 「お前もアホか! 変な奴呼びやがって、何が祟りですだ! 塩だ、塩!」


 奥さんが申し訳なさそうに軽く頭を下げてこちらに視線を送る。

 俺は辛うじて頬を持ち上げて笑ってる風な顔をする。もち目は笑ってない。


 うんざりしてくる。アホな客を相手にしていると死にたくなる。

 お金を稼ぐって大変だな。いつまでも学生でいたかったわ俺。


 俺は何でも屋的にこの田舎町の霊的な問題に関与するようになっていた。

 地元ではそれなりに有名人だ。

 巷では、事故に合って頭を打ってからそういう系の能力が目覚めたんだとうわさされている。

 まあ、きっかけについては間違ってはいない。

 いえ、正確には悪魔との契約によるものです、と、そんなネガティブっぽいことをのべるとハブられそうだから黙っている。

 次の日の朝、そいつから直ぐに来いと連絡があった。

 分かっていたがウザイ。超うざす。命令すんじゃねーよ。大体年齢が上なくらいで態度がでかい奴はゴミだよね。あーまじやりたくないが奥さんがイイ人だからなー、離婚すればいいのに。そしたら奥さんだけヘルプして、あの親父ははめ技でも食らわせてやるのに、とぶつぶつ言っていたら、飛鳥に性格悪いとたしなめられたからこのくらいで黙っておく。


 「ちわー」

 「遅いぞ! 早く徐霊でも何でもやってくれ!」


 「チッ」


 「なんだって?」


 「チッ……とばかし時間を頂戴致します」


 「高い金払うんだからな。さっさとやれよ詐欺師!」


 こいつ……


 ぶち殺そうかと思ったが、飛鳥がこちらを見て首を降っているため断念する。


 庭に生えている巨大な柏ノ木を見上げる。


 依頼人の主張はこうだ。


 この木を切り倒したい。だが、工事の連中が原因不明の何かで、工事できないらしい。


 そもそも奥さんはこの柏ノ木を切るのを反対していたが、このグズ親父が強硬したとか。


 目を凝らすと、柏ノ木にカラスがとまっているが確認出来る。


 「切りますが良いですかね?」と俺は言う。周りのひとは完全に独り言を言っているように見えるだろうな。


 カラスはじろりとこちらを見る。そして驚いたことに普通に喋った。


 「貴殿は徳のある方とお見受けする。何卒、この柏ノ木を切るのを止めて頂きたい」


 「何故ですかな」


 「この柏ノ木は、先代との想い出が詰まった木であるため、我輩としてはこれを失いたくないのです」


 「なるほど。お気持ちは理解しました」

 「ところで、先代と想い出はどのようなものがあったのかお聞かせ願えますでしょうか」


 「おお、勿論だとも。あれは雨の降る夜のことだった……」



 あれから5時間近く、涼とカラスが会話している。なかなか根気のいる作業だ。

 飛鳥は感心していた。やはり霊の気持ちが分かるというか、なんというか……この道のスキルが高いな、といったところだ。


 しばらくしてカラスは満足したのか、この柏ノ木を切ることに同意し、去っていった。


 「やるね」


 「ふん、疲れたら。まあ、あいつの気持ちも分かるな」


 クライアントに終わったのと伝える。あの親父は半信半疑だったが、大人しく引き下がった。


 何とかおわった。

 ずいぶん案件をこなしたかなー?







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