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明けの明星
翌朝、国境の町に一人の護衛兵が辿り着き、奇跡的に届けられた治療薬によって流行病は沈静化へと向かった。
町の人々は、「死んだはずの仲間たちが道案内をしてくれた」という護衛兵の話を、不思議な伝説として語り継ぐことになる。
一方、朝日に照らされた街道。
終は、きれいに整えられた墓標に一礼し、再び歩き出した。
鞄の中には、昨夜の工作員たちが持っていた、隣国の軍の極秘指令書が入っている。
「……どうやら、私の旅路には、少々騒がしいお客様が続きそうですね」
彼は若々しい脚取りで、しかし一歩ずつ噛みしめるように、まだ見ぬ町へと向かう。
百二歳の魂を持つ亜神の葬儀屋。
彼の行く先には、常に「死」がある。だが、その死の後には、必ず「再生」の光が芽吹いていた。
東の空から、希望を告げる暁の光が差し始めていた。




