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薬草探しを舐めてました

「私たちからあまり離れすぎないでくださいね。カバーできる範囲には限りがありますから。特にミカちゃんとは離れないでくださいね」


「わかった。頼むよ、ミカ。俺の安全は任せたぞ」


「おかしいわね、私はダイサクを守る気なんてこれっぽちもないわよ。私が守るのはミレネだけ。あんたは対象外よ」


「だめだよ。私たちがついてきた意味がないよね? ミカちゃんが頼りなんだから」


「ミレネに頼まれちゃったら仕方ないわね。不本意だけど、あんたを守ってやるわよ。感謝して報酬を私によこすのね」


 この態度はずっと継続されるのだろうか?

 守ってもらうっていう形はしっかりしておかないとな。俺の実力がバレてはこれからの冒険者人生を順風満帆に過ごすことができなくなってしまう。平凡に過ごすという意味じゃなかったらバレた方がいいんだろうが、生憎俺は平凡を求めてるからな。


「こっちのほうにいっぱいありますよ。みんなでどんどん集めていきましょう」


 ミレネが薬草を見つけて、そこに全員で集まり採集する。本当にこれの繰り返しだった。

 俺が想像していたよりも薬草を見つけるのが難しい。ミレネに場所を教えてもらえばこんなにわかりやすいところにあるのかと思うんだが、自分で探すとなるとうまくいかない。それはミカも同じみたいで、俺とまったく同じ行動を繰り返している。


「何だよ、薬草探しだったら俺もミカも変わらないじゃないか。ミカもミレネと一緒に採集クエストに行ってたんだろう? なんで薬草を見つけられないんだよ」


「うるさいわね。今日はちょっと調子が悪いだけよ。いつもはガンガン見つけてるんだから。私が見つけた量だけでも余裕でクエストをクリアできるくらいの量になるんだから」


「へぇー、そりゃこれからに期待だな」


 全然説得力のない言い草に俺は適当に返事をする。

 これは、いつもミレネに頼りきりになっていたパターンだな。もしかすると、これもあって討伐クエストに行きたがってたんじゃないか?


「信じてないのが見え見えよ。ダイサクに信じてもらう必要もないけどなんだか癪だわ。あんたなんてモンスターに襲われればいいのよ」


「物騒なこと言わないの。採集クエストに来てるんだからモンスターに遭遇しないほうがいいに決まってるよ」


 ミレネの言う通りだ。今日はまったりと採集クエストを楽しむ予定なのに、モンスターなんかが乱入して来たら台無しだよ。一応戦闘はしてるし、俺はもうお腹一杯だ。そうだ、さらっと聞いてみとくか。


「なあ、このくらいの金ぴかに光るモンスターに心当たりはないか?」


「大きさはスライムくらいですね。私はスライムに金色の個体がいるという話は聞いたことがありませんが……ミカちゃんはどう?」


「ミレネが知らないようなモンスターを私が知ってるはずないでしょ。ミレネもわかって聞いてるわよね? 何かの見間違いじゃないの?」


「うーん、二人が知らないって言うんなら俺の見間違いか。わかった、もう大丈夫だ」


 経験値がありえないほど貰えるモンスターだ。駆け出し冒険者の二人が知っていたら間違いなく討伐に向かうだろうし、これは知らないと見て間違いないだろうな。それに、二人が俺に嘘をつく理由がない。


「一度帰ってみてから、メルに聞くのがいいと思います。ギルドの職員ですから、モンスターの知識は凄いですから」


「そうだな。メルに聞いてみれば何かわかるかもしれないな」


「そんなに気になるの? 何か特別な理由でもあるの?」


「いや、俺も記憶は曖昧なんだが、そういうモンスターを見たことがある気がしてな。珍しいモンスターなんじゃないかと思って聞いてるだけだ」


 倒して、レベルが9千を超えてるなんて言えるはずもないから誤魔化しておく。

 そういえば、俺はレベル9321だったっけかな。二人はどれくらいのレベルなんだろうか? 冒険者になって一か月ということなら10レベくらいか? それとも、俺の願望通り全員のレベルが3桁、4桁だったりしてな。


「疑問があるんだが、二人ってレベルはいくつなんだ?」


「レベルですか? えーと、私は12です。まだまだレベルを上げていきたいですがモンスターを倒さないと上がりませんからね。コツコツ行くしかありません」


「聞いて驚くといいわ。私は16よ。ミレネよりも4も高いんだから」


 あっさりと俺の願望が打ち砕かれてしまった。

 自慢げなミカを見るに、駆け出し冒険者のなかでは16レべでも高いほうなんだろうか? これは驚いていたほうがいいか?


「すっげぇな!! 二人とも10レべを超えてるのか? そりゃ俺も安心してパーティーを組めるってもんだな」


「ダイサクさんもモンスターを討伐して行けばすぐに到達できますよ。頑張っていきましょう」


「言っておくけど、すぐにレベルを上げようなんて考えてモンスターと戦うのはやめておきなさい。レベルを上げる前に死ぬわよ」


「わかってるって。俺はコツコツ一歩ずつ進んでいくんだ。駆け足で進もうなんて考えてねぇよ」


 そんな他愛もない会話をしながらの採集クエストもミレネのこれで終わりですという声で一旦は終わりを告げた。

 モンスター何て気配すら感じなかったが、今日はまだ初日だ。これくらいがちょうどいいだろう。

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