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平和な祭典
貴賓席。
ティアは静かに拍手を送る。
「見事でしたね。」
セルバも腕を組んだまま、小さく頷いた。
「ああ。」
「若いとは思えん戦い方だ。」
ティアは闘技場を見ながら、少し微笑む。
「それにしても。」
「今年も各国とも本気ですね。」
セルバも静かに頷く。
「ああ。」
「若手一人の評価で、十年後の外交が変わることもある。」
ティアは目を細める。
「平和な祭典ほど、恐ろしいものはありませんね。」
しばらく歓声を聞いていたセルバが、ふと思い出したように口を開く。
「そういえば。」
「最近、この国にいることが多いようだが。」
「何を調べている?」
ティアは穏やかに微笑んだ。
「調査というほどのものではありません。」
「ある若者たちの成長を、少し見守っているだけですよ。」
セルバは小さく頷く。
「そうか。」
それ以上は聞かなかった。
ギルドナイト同士とはいえ、極秘任務であれば互いに詮索しない。
それが暗黙の了解だった。
ティアは再び闘技場へ視線を戻し、小さく微笑む。
「次の時代を担う者たちです。」
「見届ける価値は十分にありますから。」
セルバも静かに視線を闘技場へ戻した。




