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LAVeLESS  作者: 神矢
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学園の星

 秋祭りから数日後。


 昼休み、マリーは教室の窓から空を見上げていた。


「この前の花火、綺麗だったね。」


「うん。」


「また見たいな。」


「……来年も行く。」


「約束したもんね。」


 マリーは笑って、ふと思い出したように言った。


「そういえば、この学園には夜しか見られない星があるんだって。」


「……星?」


「七不思議の一つ。夜、最上階の教室の窓を見ると、星が一つ増えるらしいよ。」


 アイリスも窓の外を見た。


 昼の空には、もちろん星は見えない。


「……見てみたい。」


「本当? 私もちょっと気になってたんだ。」


 マリーは椅子を寄せて、声を落とした。


「最近ね、その教室で夜に変な光を見た子がいるんだって。」


「星?」


「そこまでは分からないみたい。」


 アイリスは少し考えた。


「……じゃあ、確かめたい。」


「よし。今日、うちに泊まりに来ない?」


「……今日?」


「うん。夜になったら、二人で学園に忍び込もう。」


 マリーは楽しそうに笑う。


「レイさんには、うちに泊まるって伝えてね。」


「うん。」


 アイリスはもう一度、窓の外を見た。


 あの日の花火よりも綺麗な星が見られるかもしれない。


 夜になるのが、少し楽しみになった。


⸻


 その夜、アイリスはマリーの家に泊まりに来ていた。


 夕食には、温かい料理が次々と運ばれてきた。


 焼きたてのパンに、香草の香りがする肉料理。


 食後には果物の入った菓子まで出て、アイリスはすっかりお腹がいっぱいになった。


「美味しかった?」


「うん。とても。」


「よかった。」


 マリーは嬉しそうに笑った。


 それから二人で風呂へ向かった。


 浴室に入って、アイリスは足を止める。


「……広い。」


「そう?」


 マリーには見慣れた場所らしい。


 レイの家にも、ゆっくり湯に浸かれる風呂はある。


 それでも、目の前の浴室とは比べられなかった。


 二人で湯船に入っても、まだ十分に余裕がある。


「アイリスちゃん、こっち。」


「うん。」


 マリーの隣で肩まで湯に浸かる。


 昼間に話した、夜の教室のことが頭に浮かんだ。


「……星、見えるかな。」


「見えたらすごいよね。」


 二人は顔を見合わせて笑った。

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