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LAVeLESS  作者: 神矢
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125/146

王都アルトーラの人々①

 王都、アルトーラ。


 この街には、たくさんの人が暮らしている。


 商店を営む者。

 国に仕える者。

 職人として腕を振るう者。

 学校へ通う子供たち。


 そして、その誰もにそれぞれの人生がある。


 嬉しいことも、悲しいことも。


 大きな夢もあれば、他人から見れば何でもないような、小さな幸せもある。


 これは、そんな毎日を生きる住人たちの――


 ほんのちょっとした、日常のお話。


     ◇


「母さん! 今日、レイさんが仕事してた!」


「はいはい。」


「屋根の上にいたんだよ! それで仕事が終わったら、サッて飛び降りて! すっごい格好よかった!」


 夕食を待ちながら、少年は興奮した様子で母親に今日の出来事を話していた。


「僕も大きくなったら何でも屋さんになりたい!」


「何言ってんの。ちゃんとした仕事に就きなさい。」


「何でも屋ってちゃんとした仕事じゃないの?」


「そういう意味じゃなくて!」


 母親は料理の手を止め、少し考える。


「何でも屋さんって、なんでもできないとできない仕事なの!」


「そうなの?」


「そうよ。」


「じゃあ僕もレイさんみたいになんでもできるようになる!」


「だったら、まず何か一つを極めなさい。」


「一つ?」


「レイさんだって、最初からなんでもできたわけじゃないでしょう? きっと最初は一つずつできることを増やしていったのよ。」


「そうなんだ!」


 もちろん、母親はレイがどうやって今の技術を身につけたのかなど知らない。


 けれど少年は目を輝かせた。


「じゃあ僕もそうする!」


「はいはい。まずはちゃんと勉強しなさい。」


「うん!」


 少年に、新しい夢が一つできた。


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