第61話 ヒラヒラ
「で? どうするんだ? ソイツ」
正直な気持ちだ。俺はそう、正直者なのだ。だから、聞いてしまうのだ。
「お前がミライ国王に無理を言ったあげく忘れていた本拠地的なギルド的な家的な感じのところで休ませる他に何かあるか? バカ野郎が、どうぞ。」
「はい。こちらゲン。その考えに賛成ですがバカ野郎ではありませんどうぞ。」
だからだな、ニン。俺はバカ野郎でもないんだぞ。
「分かりました。さっさと行くぞ手伝えクズ野郎、どうぞ。」
「さっきから気になってたけど何ですかこのやり取りは、どうぞ。」
「手伝え。これは命令だ。」
目で殺しに笑顔で命令する。こんな上司はイヤだ大賞に受賞できるぞ。たぶん。あと、軽く受け流してたけど俺はバカ野郎でもなければクズ野郎でもないからな! コイツらが勝手に言ってるだけだからな! 俺は知らないからな! それだけはわかっててほしいな~なんて。
「それでどうよ? リン。ソイツ」
「ん~。怪我はしてないからね。寝かしておけば、目を覚ますと思うよ。これは軽度の気絶だからね。」
気絶に軽度も重度もあるのかは知らないが、まぁそれならば安心できるな。本当によかった。死んでたらなにか罪になりそうだからな。よかった、よかった。
「この調子だと夜には目を覚ますと思うよ。」
そうハカセが言う。どうやってそんなこと分かるんだ? そう俺は聞く。
「魔力の回復スピードだよ。寝てるとき魔力の回復スピードが一定になるだろう? 逆に起きているときは魔力の回復スピードが早い。まぁ意識があるかないかの問題だと思うけど。」
起きてるってことなのか? それとも目を覚ますってことなのか? まぁ俺には分からないな。バカだから、、、いや違うぞ。バカじゃないからな! ちょっと口が滑っただけだ! 滑ったら仕方ないだろう? 仕方ないんだ! ないったらない!
「ここは?」
目が覚めたらしい。まずは何から言えば良いんだ? 分からないし何でもいいか。目覚めた時の言葉は一つに限る!
「おはよう! ここは、ドラゴン団本拠地で家的なギルド的な感じの場所だ!」
困惑する。なぜわかったかって? 顔だよ、顔。なにいってんだコイツみたいな顔してるもん! こりゃぁ誰だって分かるぞ! たぶん。
「目を覚ましたのか。すまんなコイツが騒がしくて。許してやってくれ相当のバカなんだ。」
「だから、俺はバカじゃないって言ってるだろ!」
まったく。これだからニンは。俺はバカじゃないのにバカ呼ばわりする。ひどいやつだぜ。本当に、ひどいやつだ。
「あっあの! 俺と一緒に居た男は? あの、男はどこにいきましたか?」
「あいつならビミオンの聖騎士に連れてかれたよ。今はゆっくり休め。ただし明日になったらなぜお前が追われてたのか襲われてたのか。全て言ってもらうからな。」
そうニンは、きびしい口調で言う。
「明日? 明日なんて遅すぎる。今! 今言います! なぜ俺が追われていたのか、襲われてたのかを! ただし前提として、あなたたち全員は強いってことでいいんですよね?」
強いか? ずいぶんと直球質問だな。強いかと言われればたぶん、な。強いだろう。たぶん。それに今ここには強すぎるやつが三人と一匹? が居るんだぜ! 強いに決まってんだろう! 本当にたぶんだからな? それだけは分かっとけよ?
「明日。いえ。今日の夜。あと、二時間後ビミオンは反逆者たちに襲われます。」
それはいきなりの襲撃されます宣言だった。今俺の前で拳を握るやつの回りにはなぜか桜がヒラヒラと渦をかいて舞っていた。




