第56.5話 ニン&アーサー
ニン視点~
「なぜ、お前がここにいる? アーサー」
「ええ。実はですね、我が国を占領していた≪クウマ≫ という男がですね。黒龍様と言って慕っていました。なので、この度友好国であるビミオンの王、ミライ国王から、あなた方たちがこの、水の国にいると聞きまして。それで助太刀をしに来ました。」
まったく。考えが読めそうで、読めないな。さすが、国王だな。
「それで、なんだがな。お前の相手は黒龍だろ? 黒龍はこの先にいるぞ? こんなところにいて良いのか?」
今の、話を聞いていればこのような考えになるのは、いたって普通だ。
「そうですね。確かに、私が相手すべきは黒龍です。が、それ以前に私の師匠が押されている現場に出くわしそのまま、はいさようなら。って訳にはいかないでしょう? つまりですね。私は今ここで、あなたと共闘したいのです。もっとあなたから教えて頂きたい。そのためにも、まずは、ここを切り抜けねば。そうでしょう?」
よく言うよ。今の、お前は俺より強いのに。そもそも、魔力の属性がない俺に、教えられることなんてそもそも、ないだろうに。変わったやつだな。本当に。けど、助けが欲しいのは事実。まぁ、なら、その、言葉に甘えるのも悪くはないよな。
「背中を任して良いか?」
「ボロボロなのに前に? 私が行きましょうか?」
ハッ! 言うじゃねぇか。見せてやるよ。俺の、ボロボロの人間の力を!
「それでは、」
「また、会おうぜ。」
「ちょっと待ってください! 今の、まるで、死にに行くみたいな言い方じゃないですか!」
「背中は任せたからな。」
「私のことを過信しすぎですよ。」
ああ、そうだな。確かに、過信しすぎているかもしれないな。が、俺は、お前を信じている。こんなところでくたばるような、男じゃないだろう? 帰りをまつ人たちが居るのだろう? なら、生きて帰らなくちゃいけない。もちろん。俺にも帰る場所がある、生きて会わなくちゃいけないやつもいるし、助けてやらなくちゃいけないやつもいる。みんなが待ってる。だから、俺は、
「死なね~」
一つ。一つだけ、過去の話をしよう。俺は、昔龍の襲撃にあった。村の人たちは、刀を取り、戦った。二月にもかかる戦いだった。そして、あと少しで龍を、最古の龍を殺せそうだった時だった。龍は、その中でもっとも魔力が、多かった、俺に自身の魔力と魂を、命を宿した。それが、俺の左目。″龍の目″ である。そして、、、、、これ以上は苦しくなるから、語らないでおく。
「アーサー。限界か?」
「20分は、戦っていますからね。」
けど、減っている。あいつらが、頑張ってくれている。なら、俺も、こんなところで諦めてたまるかってんだ! 生き抜かなくちゃいけないんだよ~!
「アーサー。力を使う、、、目を閉じとけ。」
「え? あっはい! わかりました。」
次の瞬間。一瞬で血が宙を舞った。
「アーサー。目を開けて良いぞ。」
そこには、血が降り注いで来るなか、一人の忍者がたっていた。次の瞬間。辺りが光った。
「あの、」
「どうした? アーサー」
「あんなところに、祭壇みたいなのありましたっけ?」
そこには、赤い祭壇があった。まさかな。そんことは、ない。あの、祭壇がここらに降り注いだ、血を全て吸収したなんて。そんなバカなことがあるはずがない。と、思った瞬間。まばたきをする暇もなく、目の前から消えた。
「魔力の一つも感じ取れなかった。」
「いったいなんだったのでしょうか?」
「あんな奇妙な物、知りたくもないな。」
事実そうだろう。あんなもの誰が用意して、作った? あんなまがまがしく、どす黒いなにかを。ふと、頭の中で、なにかを否定する。ああ、分かってる。あれが。今のが、″悪魔の祭壇″ なんじゃないのかってことぐらい。けど、認めたくなかった。これが、人間の、動物の、生き物の、存在の、本能なのかも知れない。一つわかる。あれは、関わっては、いけない。と、言うことだ。できれば、もう見たくもないかな。あんなもの。
「ハッ! って、こんなことしてる場合ですか!」
あっ、完全に忘れてた。いや、忘れさせられていたのかとしれないな。と、心のどこかで思いながら、アーサーに一言言う。
「ありがとうな。これで、あいつらのところに、行けるよ。」
「感謝されるような、ことはしてませんよ? やったのは、あなたです。」
本当に、言うようになった。これが、国王の余裕ってやつか? 本当に、頼もしくなった。ありがとうな。アーサー、また、どこかで会おう。さぁ、あの、バカ野郎共を助けに行きますか!




