第105話
ニン視点~
「生憎、俺は相手が女だからと言って手を抜くヤツではないぞ?」
「手を抜いて殺されては元も子もないからな」
「そうかよ、なら全力でやらせてもらう」
速攻で終わらせたいが、まぁできないだろうな。
「来ないのか? ならば私から行かせてもらうぞ」
真っ正面からの突撃。見える、反撃するか? 否。守るか。
「受けるか。だが!」
連撃、一撃一撃が重いな。それに、速くなってる。ヤツの魔力か? それとも、肉体が付いてきてるのか? どちらにせよ止める。
「中々だな」
不意の一撃には慣れて無い様子だな。
「風よ、纏え」
剣に風が纏まる。これがヤツの魔力か。ならさっきのも、魔力による影響か?
「探られるのは気味が悪いから、教えてやろう。これだけだ。私が魔力を使って出来る事は、これだけだ。物に風を纏わせる、唯それだけだ」
じゃあ、さっきのは肉体が追い付いて来たって事かよ。
「私は目がいいんだ」
自身の眼に指を指しながら言ってくる。
「筋肉の動きがハッキリと視える。後はそれに合わせるだけだ」
簡単に言ってるがそんなこと出来るのか? いや、出来てるから俺に合わせることが出来たんだろ? だったら、真っ正面から行ってやる。視えるからこそ、反応できる。視えたから戸惑う。筋肉は一定に、唯、一点を狙え。
「何をした?」
「斬った」
俺はヤツの首に刀を向けた。それと同時に手に持つ剣の刃が落ちる。
「確かに、これでは戦えないな。何故だ? お前程の実力があるのなら真っ二つに斬ることだって出来たはずだが?」
自分で言うのも何だが、出来た。だが、しなかった。理由なんて簡単だ。
「人間を捕らえる事、それが俺達の勝利条件だ」
この戦いに置いて必須の条件だ。
「人間以外も居る言い方だな」
「黒い話は聞いたぞ」
ヤツはため息を一度した後持っていた刃折れの剣を捨て、降参と言わんばかりに両手を上げた。
「潔い良いな」
「剣を折られている時点で、私は戦えない。だからこそ、頼みがある」
一度大きく息を吸い、言い放つ。
「我が王を殺してくれ」
次回はハカセかな?




