第102話 王の御前での戦い
「来たようだな」
ここは、王の御前。ってことは上手くいったのか。
「スズ、ヤツがお前の親父か?」
腰に掛けている剣を取り出し、剣先を真っ直ぐに突き刺し答える。
「ああ、そうだ」
なら、手加減は無しだな。俺も剣を取り出し構える。ハカセは手から水を出し宙に浮かせ、それを刃へと変え狙いを定める。
「全てを使い来るが良い」
『無論!!!』
俺とスズが前線に出る。ヤツは何処からともなく剣を出し、俺の剣先を翻す。それに付け加えスズの一手も防がれる。怯んだスズが蹴り飛ばさせる。ッ! 速い。即座に守りに入るが間に合わない。左肩に刃が掠める。やつは俺に対し追撃に出るが、ハカセに邪魔をされる。
「助かった、ハカセ」
俺はヤツと距離を取る。が、直ぐに詰められる。ヤツは俺の頭を狙って斬るが、俺は屈んで回避する。それと同時にハカセが水滴を放つ。ヤツはそれを全て受ける。が、効いていない様子だ。
「フム。背後を取るか」
スズの死角からの一振は直前で止められた。わざとハカセの攻撃を受けたのだ。そして、スズに油断させた。圧倒的戦闘センス。
「その場での即興性、クッ面白い」
ヤツは左手をこちらに向け俺とハカセに良い放つ。
「だが、アレと話がしたい。スマンが、ここまでだ」
途端、体が重くなる。否、何かに押されている様な、引っ張られている様な。兎に角、何なんだ、コレは!
「え、」
壁に思いっきり当たる。ハカセも同じ状態だ。体が動かない、このままじゃ不味い。
「死ぬなよ?」
ヤツが一言そう言うと、壁は崩れ俺たちは宙に投げ出されていた。このまま落ちたら恐らく死ぬ。だから、助かる方法は、自己犠牲だな。俺がハカセに協力な結界を施す。落ちても無傷な様に。二人分の結界を作るには魔力が足りない。だから、ハカセに集中する。俺は、頭さえ守れば其れで良い。
「―――死ぬなよ」
体全体が痛い。内蔵が終わったな。眼を動かすだけで限界だな。辺りには瓦礫と家具がある。民家に落ちたのか? あ~駄目だ、頭が回らない。ハカセが無事ならそれで良いが、限界だな。意識が遠のいて行く。
「貸してもらうよ」
誰の声だ? 貸す? 何を? 無理だ。これ以上は・・・貸してやる。その代わり俺の体を治せ。俺の仲間には傷付けるな。
「ああ "契約" だ」
「さて、魔王の依代を見に行こうかな」




