第94話
ゲン視点
「"火球"」
先制攻撃! 当たったら即突撃!
「行きなりかよ!」
直撃、ぶん殴って速攻でケリをつける!
「もう、効かねぇよ」
早ッ! 腹に手を添えられる、瞬間明るくなり吹き飛んだ。
「グッ! 熱! 火の魔力か!」
「ア? 違げぇよ。俺の魔力は"模倣"だ。馬鹿にも分かる用に言うとコピーだな」
コピーってことは今の火はドラゴンの魔力を模倣したのか。何時だ? 何時模倣した? ドラゴンは俺の中にいる。なのに何時? どうやって? 条件は? 落ち着け、考えろ。一つずつクリアしていこう。まずは条件だ。模倣できる条件さえ分かれば何時模倣したかなんて直ぐに分かる。さて、分けていこう。パターン①俺が炎を出しているときにまたは、攻撃したときに出た炎を見たから模倣できた。けどこの場合ナイフに炎を纏わせれば簡単に殺すことができる。けどしなかったって事は条件ではないこと。パターン②アイツが攻撃を当てた時。つまり、ナイフで俺の髪に触れたときだ。それだといま火を出したのは分かる。けど、俺が炎を出したときに何故打ち返さなかった? 条件としての可能性は中ぐらいか? パターン③炎をつまり、"火球"に当たった時。当たってからこちらに来た。避けたのではなく、自ら当たりに行った。アイツのスピードなら避けるのも容易いはず。でもそれをしなかったのは模倣する条件だったから。だとすれば、パターン①は恐らくないだろう。だから、パターン②かパターン③のどちらかだ。後は駄目元で聞いてみるか。
「お前、模倣できるのは他人の魔力に触れたときだろ? もっと簡単に言えば火を使えるようになったのは俺の攻撃を喰らったからだろ?」
どうだ!
「・・・へぇ意外と考えるんだ、合ってるよその通りだ。まぁそれに付け加えるなら、この火は俺の魔力でできているってことだな。つまり、お前の火より断然火力が高いってことだ!」
取り敢えず合ってて良かった。次はどこまで模倣できるかだ。これに関しては戦いながら探る!
「"炎の渦"」
「ほらよ」
相殺したか! いや、アイツの火力が勝った!
「ガードしてこれか」
俺は魔力を全身に纏いガードした、が多少喰らった。熱さより衝撃。否。熱さと衝撃の同時。 そして、範囲が広い。地下水路全体に火が巡る。流れていた水は本の少しになっていた。
「距離を詰めても反撃される。中距離だとアイツの火力が勝つ、遠距離だと俺の攻撃側当たらない、つか届かない。どうしたもんかね、ア?」
俺の足元に影があった。俺のではない影が。
「ッ!」
急いで振り向き、下がる。刹那目の前に刃が振り下ろされる。がギリギリ避けれた。
「動物かよ」
どうやらさっきの火と一緒に移動してきたのみたいだな。いや待て、一緒に移動したのならもっと早く切るはずでは? 遅かった。考えるのが遅かった。
「ガハッ」
左腹にナイフが刺さる。それだけじゃない。右肩に向け切り上げる。背中から血が出る。口からも出る。咄嗟に口に手を押さえるが顔面を殴られる。右後頭部を蹴られ流れている水に行き良いよく吹き飛ぶ。
「安心しろ、その水は汚い水じゃねぇ。ちゃんと浄水が流れてるからよ」
要らねぇ情報を言うな。それより、何が起こった。早く体を起こして見ないと、状況を把握しないと。
「ハハッ自分も模倣できんのかよ、そのナイフも模倣しているのか?」
「まだ立つのかよ。キモ、ゴキブリ並みの生命力だな。良いぜ教えてやるよ、ナイフは残念ながら偽物だ。元は水だ」
そう言うと俺を切ってはいない方。つまり、コピーが持っているナイフが水になりバシャバシャと音を立てコピーから離れて行く。
「まぁ一種の幻覚の様なもんだ。それから俺自身は最高五十人まで模倣できる。手を叩けば近くの物質または物体が俺になる。勿論ソレにも魔力は籠ってるから本物に近いようになってる。まぁ血は出ねぇしある程度ダメージを喰らえば元に戻るのが駄目なポイントだよな。魔力は俺の元に返ってくるんだけどな。で、どうする? まだ続けるか? 背と腹を派手に切られても尚戦うか? 逃げても良いんだぜ? そっちの方がラクだしな。ほら言えよ。続けるか続けないか」
ああ、そうだな。血も大量に出てる。息もだんだん荒くなってる。それでもダグスに言ったろ? 先に行けって。これでアイツの所に行かなきゃ心配して思いっきり戦えないじゃねぇか。だから、俺も行くさ。だから、
「お前を倒す!」
「そうかよ! 来いよ! 本気で」




