極上の甘やかしと、ダメ人間化の加速
「ほら、樹くん。口を開けて? 『あーん』」
膝枕。
それも、全校生徒が恐れ抱く完璧な「氷山姫」こと夏目涼香先輩の、柔らかく暖かな太ももの上。
樹は涼香の膝の上に頭を乗せ、完全に仰向けになった状態で彼女を見上げていた。
視線の先には、部屋着のゆるいカットソーの首元から覗く白皙のうなじと、愛おしそうに目を細める涼香の笑顔。
涼香は箸で小さくつまんだ焼き餃子を、樹の唇の前へと運んでくる。
「あ、あのね涼香……僕、手も足も怪我してないし、自分で食べられるんだけど……」
「ダメよ。今日の樹くんは、大学の課題とアルバイトでクタクタでしょう?」
涼香はふふっと小悪魔のように微笑むと、空いている左手で樹の髪を優しく撫でまわした。
「私の前では、何の遠慮もいらないの。甘えて、身も心も私に委ねてくれればいいのよ。ほら……あーん」
「……うぅ、あーん……」
樹が観念して口を開けると、ジューシーな肉汁と絶妙なタレの味が口いっぱいに広がった。
「ん……すごく美味しい」
「でしょう? 樹くんの好みの味付けにしておいたの。……ふふ、美味しそうに食べる顔、とっても可愛いわ」
涼香は満足そうに微笑むと、そのまま樹の額や頬に、ちゅ、ちゅと軽いキスを何度も落としていく。
(あ、ダメだ……僕、本当にこの人に飼い慣らされてる……! 自分で何もできなくなる……!)
心の中で危機感を抱きつつも、涼香の手の温もりと甘い香りに包まれると、全身の力が抜けて抗う気力が霧散していくのだった。
【シーン2:夜の22時半、お風呂上がりの甘やかしタイム】
お風呂から上がった樹がリビングに戻ると、すでにパジャマ姿の涼香がドライヤーと大きなバスタオルを持って待機していた。
「あ、樹くん。おいで? 髪の毛、乾かしてあげる」
「えっ、ドライヤーくらい自分でやるよ!」
「ダメ。さっきも言ったでしょう? 今夜の樹くんは『何もしなくていい日』なの」
涼香は樹の手を引いてソファに座らせると、自らはその背後に回り、手際よくドライヤーの温風を当て始めた。
指先が髪をすき抜ける感覚が心地よく、涼香の優しい匂いがふわりと鼻腔をくすぐる。
「……涼香って、本当に世話焼きだよね」
「……誰にでもするわけじゃないわよ」
ドライヤーの音に混じって、涼香の少し照れたような声が降ってくる。
「樹くん限定。……私がこうやって甘やかすことで、樹くんが私なしじゃ生きていけない体に……私以外の女の子のところに行けなくなればいいって、本気で思っているんだから」
「それって……監禁飼育の予告……?」
「ふふ、どうかしらね? でも、嫌じゃないでしょう?」
涼香はドライヤーのスイッチを切ると、後ろから樹の首に腕を回し、耳元で甘く囁いた。
「私の前でだけ、ダメな男の子になって……私に甘えきってくれる樹くんが、愛おしくてたまらないの」
【シーン3:深夜24時、ベッドの中での甘い束縛】
電気を消した暗い部屋。
布団の中で、二人の身体はぴったりと密着していた。
涼香は樹の胸元に顔を埋め、まるで宝物を抱きしめるように樹の胴体に腕と足を絡めている。
「……ねえ、樹くん」
「ん……?」
「明日も……私にいっぱい甘えさせてね?」
「……これ以上甘えたら、本当に僕、ダメ人間になっちゃうよ……」
「いいのよ。ダメ人間になった樹くんは、私が一生責任を持って面倒を見てあげるから」
涼香はくすくすと嬉しそうに笑うと、樹の唇に深くて甘い接吻を落とした。
完璧な氷山先輩に、心も身体も、日々の生活さえも甘く飼い慣らされていく。
抗えないほどの幸福感に包まれながら、二人の夜は静かに深まっていくのだった——。




