休日モーニングの過保護飼育と、突撃の絶対防衛線
新歓コンパの夜、居酒屋から帰ってきてから行われた『深夜のお仕置きタイム』から一夜が明けた。
カーテンの隙間から、柔らかい春の朝光がリビングに差し込んでいる。
「……ん……っ……」
ゆっくりと意識が覚醒していく中で、最初に感じたのは、胸元に感じる心地よい重みと、甘くて柔らかい温もりだった。
「……すぅ……すぅ……♡」
私の胸の上に顔を乗せ、気持ちよさそうに小さな寝息を立てているのは――もちろん、涼香だ。
昨夜、リビングの大きなソファで私を抱っこしたまま引き留め、そのまま二人で寝落ちしてしまったらしい。
お風呂上がりの柑橘系の香りと、涼香の体温がダイレクトに伝わってくる。
そっと彼女の綺麗な髪に触れると、琥珀色の瞳がうっすらと開いた。
「……んっ……樹くん……?」
「おはよう、涼香。……もう朝だよ?」
「……朝……? 嫌です……まだ起きたくありません……」
いつもなら元・生徒会副会長として誰よりも規則正しい涼香が、私のお腹のあたりにギュッと顔をうずめてすりすりと甘えてくる。
寝起きのトロンとした目と、少し乱れた髪。大学で誰もが見とれる『氷山美女』のこんな無防備な姿は、世界で私だけしか知らない。
「ダメだよ、もう八時半だから……そろそろ起きないと……」
「ダメじゃありません。……忘れたのですか? 休日朝の『旦那様エキス補給』は、妻としての義務なんです……♡」
「っ……!?」
涼香はそう言うと、私の首元に腕を回し、そのまま私の唇に――ちゅっ、と柔らかいキスを落とした。
一度では終わらない。二度、三度と、お返しの暇さえ与えないほど愛おしそうに重ねられる唇。
「……んっ……涼香……っ」
「ふふ……顔が真っ赤ですよ、樹くん。毎朝こうして私のエキスを補給しないと、私が一日中『樹くん不足』でダメになってしまうんですから……」
満足そうに微笑む涼香の過保護な愛寵に、私の思考は完全に麻痺させられていく。
大学生活が始まっても、彼女の溺愛と飼育日常は留まるどころか、ますます熱を帯びていた。
◇
だが、そんな甘い二人きりの清晨の時間は――唐突に破られることになる。
ピンポーン!
「「……!?」」
静かな部屋に響き渡るインターホンの音。
こんな休日の朝から一体誰だろうと私が身を起こそうとすると、涼香が警戒したように瞳を細めた。
「……嫌な予感がしますね」
「えっ?」
ガチャリ。
「お兄ちゃん! 涼香さ〜ん! 朝だよ〜っ! 『お兄ちゃん絶対防衛線(第二期)』のモーニング突襲だよっ!」
「ふふ、新居の居心地と過剰飼育の現場を取材しに来てあげたわ。感謝しなさい」
合鍵(※葵が持っていた予備鍵)を使って元気よくリビングへ飛び込んできたのは、朝食の買出し袋を抱えた葵と、トレンチコートを着こなした白鳥麗華先輩だった!
「「えええええっ!?」」
ソファの上で、抱き合ったまま固まっている私と涼香。
「あ……」
「あら……」
葵と白鳥先輩の視線が、私の膝の上にすっぽりと乗っかっている涼香と、少しはだけた部屋着に注がれる。
「……お兄ちゃん。朝から涼香さんと何をしてるのかな〜?(ジト目)」
「ふふふ……『休日の清晨から始まる過剰飼育のリアル』ね。絶好の取材資料だわ!」
パシャリ! と白鳥先輩が容赦なくカメラのシャッターを切る!
「ちょっと先輩!勝手に撮らないでください〜っ!」
「葵ちゃん! 鍵を持っているからって不法侵入は禁止です! 樹くんは今、私のエキス補給中だったのよ!」
「お義姉さん開き直らないで!? お兄ちゃんをダメ人間にさせないのが防衛線の仕事なんだから!」
朝の静寂は一瞬で吹き飛び、賑やかで愛に満ちた大騒ぎが始まる。
大学という新しい舞台でも、二人の同居生活はどこまでも甘く、そして賑やかに続いていくのだった――!
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【作者から読者の皆様へ大切なお願い】
第128話(超大ボリューム! 休日の過保護モーニング&防衛線突撃!)をお読みいただきありがとうございました!
寝起きの甘々エキス補給と、葵&白鳥先輩の爆笑突襲を楽しんでいただけましたでしょうか……!
本作は現在、読者の皆様の温かい応援のおかげで【評価平均★★★★★(5つ星)】を獲得しております!
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「朝のイチャイチャが甜すぎる!」「防衛線の突襲が最高に面白い!」と思ってくださった方は、
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