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新歓コンパの過保護と、絶対防衛線の再結成

四月中旬、午後六時半。

駅前の賑やかな居酒屋の一角で、文學部と法學部による新入生合同新歓コンパが開催されていた。


「かんぱーい!」


賑やかな威勢の良い掛け声とともに、ジョッキが打ち合わされる。

本来ならサークル勧誘や新しい出会いで盛り上がるはずの酒席だったが、私と涼香が座る中央のテーブルだけは、異様な雰囲気に包まれていた。


「はい、樹くん。お豆腐の冷ややっこよ。醤油を少し垂らしておいたわ……あーん♡」

「り、涼香……っ! 周りに人がいっぱいいるから、自分で食べられるって……っ!」

「ダメよ。あなたはお箸を持つ手も疲れちゃうかもしれないでしょう? ほら、口を開けて?」


周りの上級生や新入生たちの視線など完全スルー。

涼香は自分の膝の上に私の手を優しく乗せ、完全な『愛妻モード』で私のお口へお豆腐を運んでくる。


「あ、あーん……んむ……」

「ふふ、偉いわね、樹くん♡ 拭いてあげるわ」


涼香はハンカチで、私の口元を優しくちょんちょんと拭う。高貴な貴婦人のような優雅さと、深すぎる愛寵。

周りの男子学生たちが血の涙を流しながら囁き合っていた。


『な、なんだあの激甘カップルは……っ!?』

『あの子、法学部で「誰も話しかけられない氷山美女」って噂の夏目さんだぞ!?』

『なんであの男の口に飯食わせてデロデロに甘やかしてんだよ……羨ましすぎて爆発しそうなんだけど!?』


◇


そんな中、一人のチャラめな二年の先輩男子が、グラスを片手に涼香に割り込もうとしてきた。


「いや〜、夏目さん! そんなに樹くんに付きっきりじゃもったいないよ! 僕たちとちょっとゲームでも——」


カチャン。


涼香がグラスをテーブルに置いた、たったそれだけの音で、周りの温度が一気に五度下がった。


「失礼ですが……どなたですか?」


琥珀色の瞳から放たれる、一瞬で相手を凍りつかせる元・氷山副会長の威圧感。


「えっ……あ、いや、同じ学部の先輩で……」

「私は樹くんの『同居人』兼『許嫁(将来の妻)』です。彼以外の男性と親しくするつもりは一微塵もありませんので、お引き取りください」

「ひっ……! す、すいませんでしたぁっ!」


悲鳴を上げて逃げ出していく先輩男子を見送り、涼香は私の腕にきゅっと抱きついてきた。豊満な胸元を密着させながら、トロンとした瞳で見上げてくる。


「ねえ、樹くん……早くおうちに帰って、二人きりになりたいわ……♡」

「り、涼香……顔が近すぎるよ……っ!」


◇


その時、居酒屋のドアがカラカラと開いた。


「すみませ〜ん! 遅くなりましたーっ!」


元気な声とともに店に入ってきたのは、少し大人っぽい服装に身を包んだ葵だった。そしてその後ろからは、高級感のあるトレンチコートを羽織り、メガネをクイッと上げた白鳥麗華先輩が続いて入ってくる。


「葵……!? 白鳥先輩も!?」

「お兄ちゃん! 涼香さん! 大学でも相変わらずデロデロに放閃(ほうせん)してるね〜!」

「あら、葵ちゃんに白鳥先輩まで……どうしてこの新歓に?」


首を傾げる涼香に、白鳥先輩は不敵な笑みを浮かべてメモ帳を取り出した。


「ふふふ……私が帝都大学の大学院に進学しているのは知っているでしょう? 今日は取材に来たら……まさか貴女たちが相変わらずの過剰飼育を見せつけているとは思わなかったわ」

「白鳥先輩、取材にかこつけてタダ酒飲みに来ただけでしょ〜? ……それにね、お兄ちゃん! 私、涼香さんと白鳥先輩と一緒に、大学でも『お兄ちゃん絶対防衛線(第二期)』を結成することにしたからね!」

「えええっ!? また結成されたの!?」


◇


新歓コンパが終わり、夜風が心地よい帰り道。四人は並んで駅への道を歩いていた。


「もう……葵も白鳥先輩も、大学まで追いかけてこなくてもいいのに……」

「ダメだよ! 大学は誘惑が多いんだから、私たちがしっかり見張っておかないと! ね、涼香お義姉さん!」

「ええ、葵ちゃんの言う通りよ。樹くんは天然で無防備だから……私と葵ちゃんで、一生守ってあげないとね♡」


涼香は私の右手をしっかりと握り締め、優しく微笑んだ。


「ふふ、最高の取材資料が毎日手に入りそうだわ。新著のタイトルは『新婚大学生の過剰飼育日記』で決まりね」

「ちょっと先輩!勝手に撮らないでください〜っ!」


夜空に響く四人の賑やかな笑い声。

大学という新しい舞台でも、甘く、激しく、そして愛に満ちた私たちの日常は、どこまでも賑やかに続いていくのだった——!

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【作者から読者の皆様へ大切なお願い】


第127話(特大ボリューム・深夜の過保護なお仕置きタイム!)をお読みいただきありがとうございました!

涼香の不安と独占欲、そして極上の抱っこシーンを楽しんでいただけましたでしょうか……!


本作は現在、読者の皆様の温かい応援のおかげで【評価平均★★★★★(5つ星)】を獲得しております!

目標である【ランキング第1位】と【公式コミカライズ(無料漫畫化)】へ向けて、大学同居編も全力で爆進中です![cite: 2]


「深夜の甘々お仕置きが最高すぎた!」「涼香の独占欲が可愛すぎる!」と思ってくださった方は、

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