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新生活の開幕と、隣の『氷山妻』の過保護な朝

【シーン1:4月上旬 午前6時30分、ふたりの新居・マンションの寝室(甘い朝の目覚まし)】


春の柔らかい光が、白を基調とした新しいマンションの寝室に差し込んでいた。


高校を卒業し、都内の大学へと進学した樹と涼香。

両家の公認(というより涼香の強い意志と両親の全面協力)のもと、ふたりは大学近くのマンションで「同居生活」をスタートさせていた。


「……ん……っ」


樹がゆっくりと目を覚ますと、視界いっぱいに広がっていたのは、美しい黒髪と、至近距離で自分を見つめる琥珀色の瞳だった。


「……おはよう、私の可愛い旦那様♡」


「うわっ……!? り、涼香……!?」


涼香は樹の大きめのTシャツ(彼Tシャツスタイル)を一枚だけ羽織った姿で、樹の布団の中に潜り込み、樹の胴体にぴったりと抱きついていた。


「もう……そんなに驚かなくてもいいでしょう? 今日から私たちは、同じ家で暮らす『夫婦』なのよ?」


「夫婦って言っても、まだ入籍は大学卒業後の予定でしょ……っ! ていうか、近すぎるよ……!」


樹が顔を真っ赤にして退こうとするが、涼香はフフッと妖しく微笑むと、樹の首元に手を回して逃げ道をふさいだ。


「ダメよ。毎朝の『旦那様エキス補給』は、私の義務なんだから……♡」


チュッ、と甘い水音が寝室に響く。

涼香は樹の唇に深めのキスを落とすと、トロリとした瞳で樹の頬を撫でまわした。


「ん……ふふ。今日から大学生活のスタートね。学校でも、私の目を盗んで他の女子と喋ったりしたら……ダメだからね?」


「しないってば……! 涼香こそ、大学で絶対モテるんだから気をつけてよ?」


「私には、あなたしか見えていないわ。……さあ、朝ごはんが出来ているから、リビングへ行きましょう。今日も私が、あーんして食べさせてあげるわね♡」


「じ、自分で食べられるよ……っ!」


「ダメ。私が食べさせたいの……♡」


こうして、高校時代よりも甘く、重く、そして過保護になった涼香との「新婚同居生活」が幕を開けたのだった。


【シーン2:午前10時00分、大学のキャンパス(『氷山姬』の復活と全校の注目)】


満開の桜が舞い散る、名門・帝都大学のキャンパス。


入試を突破し、法学部に進学した涼香と、文学部に進学した樹。

キャンパスの中庭を歩いていると、周りの新入生や上級生たちから、猛烈な視線が注がれていた。


「おい……見ろよあの子、超美人じゃないか……!?」

「スタイル抜群だな……モデルか?」

「凛としてて、話しかけづらい雰囲気だな……まさに氷山系美女って感じ……」


高校時代と変わらず、涼香の圧倒的な美貌とクールな立ち振る舞いは、一瞬で大學中の注目の標的となっていた。


しかし——


「樹くん、手が離れているわよ?」


涼香は周りの視線など一微塵も気にせず、樹の右手に自分の手をそっと重ね、指をしっかり絡めた「恋人繋ぎ」にした。


「「「「ええええええええっ!?」」」」


周囲の男子学生たちから絶望の悲鳴が上がる。


「り、涼香……! 周りの目がすごいんだけど……っ! 離さなくていいの!?」


「どうして離す必要があるのかしら?」


涼香は首を傾げ、琥珀色の瞳で樹を愛おしそうに見つめた。


「私は自分が『夏目涼香』である前に、あなたの『お嫁さん』だもの。キャンパスの全員に、あなたという素敵な旦那様がいることを教えてあげないとね……♡」


涼香は嬉しそうに樹の腕に抱きつき、豊満な胸元を押し当ててきた。


(……ダメだ、高校の時より独占欲と甘やかし度がレベルアップしてる……っ!)


樹は滝のような汗を流しながらも、涼香の手をしっかりと握り返したのだった。


【シーン3:午後15時00分、サークル勧誘エリア(新たな出会いと正妻のセンサー)】


講義が終わり、キャンパスのサークル勧誘エリアを歩く樹。


「ねえねえ、君! 文学部の1年生でしょ? 一緒にテニスサークル入らない〜?」


派手めな先輩女子生徒たちが、樹の周りに集まってきた。


「あ、えっと……僕はスポーツがあまり得意じゃなくて……」


「大丈夫大丈夫! 私たちが優しく教えてあげるから! ね? この後、新歓コンパ行こうよ〜!」


樹が困惑して対応に苦しんでいると——


サッ、と冷たい風が吹き抜けた。


「——申し訳ありませんが、そのお誘いはお断りさせていただきます」


氷のように冷たく、けれど凛とした声。

トレンチコートを羽織った涼香が、まるで映画のヒロインのように登場し、樹とサークル女子たちの間に割り込んだ。


「え……何、この美人……?」


呆然とする先輩女子たちに対し、涼香は生徒会時代を思わせる「氷山副会長」の威圧感を放ちながら、一枚の書類(※自作の同居誓約書)を提示した。


「樹くんの放課後の時間は、すべて私との『家庭生活』で埋まっております。彼に手を出すことは……この私、夏目涼香が許しません」


涼香は振り返ると、樹の首に両手を回し、サークル勧誘のど真ん中で樹の唇にチュッと音を立ててキスしてみせた。


「「「「ひえええええええっ!?」」」」


「行くわよ、樹くん。今日の夕食は、あなたの好きなハンバーグだから……♡」


「う、うん……っ!」


こうして、大學初日から「氷山美女とその完全飼育対象(旦那様)」として校内中に名前が轟くことになったふたり。

第二部でも、涼香の極致の甘やかしと獨占欲は、どこまでも爆発していくのだった——!

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