第297話 地の精霊神殿
『え、あ、あーー。聞こえてますか。白金くん』
「はいはい。聞こえてますよーー。桜澤さん」
桜澤撫子が携帯端末宝珠の映像通話によるライブ中継をしてくれている。
時は深夜11時。
彼女は今、アカデミーの街の中心に建造されている『地の精霊神殿』の前に来ていた。彼女の能力を駆使し、神殿に忍び込むためである。
アカデミーの新居で待機している僕たちにも状況がわかるよう、通信しながら潜入してもらうことにしたのだ。
すると、ここで妙なテンションになっている桜澤撫子がリポーターのように意気揚々と語りだした。
『ウ、ウン!ご覧ください!今、見えているのが、地の精霊神殿です!この奥に今、謎の磁場を発生させている術式が設置されていると考えられるわけですが、果たしてソレは何なのでしょうか!これから侵入する私たちの身に、いったい何が待ち受けているのでしょうか!』
「いや、なに実況風にしてんの。普通にやってよ」
『……だってね。さっきから隣の百合華ちゃんが変なのよ』
「え?百合ちゃん?」
彼女に言われ、僕は同行させた嫁さんに声を掛けた。
なんと驚いたことに嫁さんが青ざめた顔をしている。
『れ、れれれれれ、蓮くん!どうしよ!ヤバいよ!』
「どうした!?何か、いるのか!?」
『めっちゃ怖いんだよ!!!この雰囲気!夜の神殿って、こんなに怖いんだね!!絶対、出るヤツだよコレ!』
「いや、出るって何が……」
『幽霊に決まってるでしょう!!!』
何に怯えているのかと思って心配してみれば、どうしようもなく、くだらないことだったので、僕は深々とため息をついてしまった。
「百合ちゃん、頼むからさぁーー。君は無敵なんだから。神クラスのドラゴンですら一撃なんだから。そんなことで怖がらないでよ」
『そんなことって何!!幽霊だよ!出たら怖いでしょ!!』
「いやいや、本当に待って。今さらこんなことで議論したくないんだけど……」
思えばウチの嫁さんは、なんやかんやで怖がりであった。この世界に来て世界最強の力を身につけたはずなのだが、もともと地球で生活している時に恐れていたものは、こちらに来ても恐ろしいままのようで、時折、こうしたワガママを言うのである。
仕方がないので、僕は一から考察して、説得を試みることにした。
「そもそもね、死んだ人が幽霊になって、生きてる人間を呪うとか、憑りつくとか、どう考えてもおかしいでしょ?」
『おかしくないよ!異世界なんだよ?魔法があるんだよ?精霊がいる神殿なんだよ?幽霊がいたって何もおかしくないじゃん!』
「……なら、仮に幽霊という存在がいるとしよう。それが人を襲う場合、生前に何らかの恨みを持って死んだ人の魂が、生きてる僕たちに勝手な憂さ晴らしで復讐しようとしていると考えられる。そんなことってある?」
『……あるんじゃないの?』
「いい?よく現実を考えて。”心霊スポット”に来たからといって無差別に人を呪う幽霊と、”誰でも良かった”と言って無差別に人を殺す通り魔と、どっちが理不尽で許せない思う?」
『ええーーと、それは通り魔の方が許せないかな』
「でしょ?現実に生きてる人間の方が怖いんだよ。本当は」
『でもさ、幽霊に襲われたら何もできないじゃん!陰陽師とか僧侶じゃないんだから、私だって勝てないかもしれないじゃん!』
「うん。だからね、もう一度、そもそもの話をするけど、生前に恨みを持った人が、本当に現実に憂さ晴らしをしたいなら、憎い相手を殺すとか、無差別殺人をした方が確実なんだよ。自分が死ぬ前にね」
『ま、まぁ、そうだけど……』
「それを生きてるうちにできなかった人が、どうして死んだ後に実行できるんだ?僕個人としては、こう言いたい。死ぬ前にできなかったことが死んだ後にできてたまるかと」
『確かに……』
初めは幽霊を信じて疑わないかのように力説していた嫁さんであるが、次第に聞く耳を持つようになってきた。ここで僕はもっと安心できる情報を提供することにした。
「それにね、西洋では、あまり幽霊を怖がらないらしいよ」
『えっ!そうなの!?』
「どちらかと言うと、キリスト教社会などでは、悪魔の方が恐れられるらしい」
『じゃ、じゃあ、幽霊はいないの?』
「西洋では、幽霊をそこまで危険視してないんだよ。日本だって、お盆には先祖の霊に会えるって考えるでしょ?」
『お盆か……』
ようやく落ち着きはじめた嫁さんをさらに安堵させるため、僕は証人として、後ろにいる美少女に尋ねた。
「例えばシャクヤ、君なら、幽霊に会えると聞いて、どう思う?」
「はい。わたくしなら、亡くなった祖母に会えると考えて、とても嬉しく思いますわ」
「こんな感じなんだ」
『うっそ!』
これには嫁さんも天地がひっくり返ったかのように愕然とした。幽霊を怖がらない文化があるなど考えたこともないのだろう。
そして、最後に僕は持論を述べる。
「だいたいさ、幽霊を信じてる人って、自分が幽霊になってしまう可能性と恐怖を考えてないよね。どうして他人の幽霊だけを怖がるの?どうして自分が死んだ後にそうなるかもって考えないの?他人の魂には恐怖するくせに、自分の魂のあり方なんて、これっぽっちも考えないよね?」
『ガーーン!!!それ私だ!』
「てことで、どう?百合ちゃんは自分が死んだ後に幽霊になると思う?」
『ならない!ていうか、なりたくない!』
「これが答えってことで、どうかな?」
『りょ!なんか、行ける気がしてきた!』
ここまで懇切丁寧に話して、ようやく嫁さんはビクビク震えていた状態から、いつもの自信に満ちた顔つきに戻った。
まさか侵入前から、こんなことで時間を費やすとは考えもしなかった。
一緒に話を聞いていた桜澤撫子は、呆れ返りながら僕に尋ねてきた。
『……白金くんって、いつもこういう話を百合華ちゃんとしてるの?』
「うん……まぁ、時々……」
『……大変だね』
「ありがとう……」
心から同情されてしまった。
さて、余談はこれくらいにするとして、いよいよ『地の精霊神殿』への潜入である。
桜澤撫子は、自身への認識を錯覚させる固有魔法【認識幻影】を使い、神殿の門番の兵士に”自分は近くにいない”と錯覚させ、素通りして堂々と内部に入り込んだ。
また、それを追いかける嫁さんも、気配を完全に消すことで誰にも存在を認知されずに付いて行く。
不法侵入をする上で、この二人ほど最強の女性は他にいまい。
『地の精霊神殿』は、一般開放されている礼拝堂を除くと、ほとんどが関係者以外立ち入り禁止の区域である。
古来より有能な神官が集まり、様々に極秘の研究や修行が行われてきたため、他の精霊神殿と比較しても、秘密主義の傾向が強まっているのだ。
ゆえに、この地に仕えている高位の神官でさえも、神殿内部の全ての施設を把握しているわけではない。
一方で、大神官ともなれば、独自の研究室や設備を与えられたりもする。
つまり、エニシダが、精霊神殿で何かを秘密裏に行っていても、それを誰かが発見することは不可能に近く、仮に教義に反する研究や実験を進めていても、誰も諫めることはできないのである。
そう考えると、この精霊神殿は無法地帯である。
個々の研究の独自性を尊重しすぎた結果、管理が全く行き届いていないのだ。
そして、1000年以上に渡り、度重なる増改築が繰り返された結果、まるで迷宮のように複雑な神殿になっているのである。
桜澤撫子が最初に向かったのは、神殿の地下深くである。
この地に張り巡らされた磁場のようなモノを調査するため、その発生源と思われる大規模術式が構築されている場所まで降りるのだ。
実は、太古の昔から何度も地殻変動が起きているこの地は、何度か地盤沈下もあったようで、神殿の古き部分は地中深く埋まっており、ほとんど迷路になっていた。
その入り組んだ薄暗い神殿内部を桜澤撫子は淡々と歩いて行く。彼女が以前に訪れたのは10年以上前のことだが、しっかりと道は覚えているのだ。
『す、すごいわね……これ、私一人じゃ、絶対に迷子になってるわ……』
嫁さんが感心して呟いた。
しかし、その姿が見えないので、桜澤撫子も不安そうに確認する。
『百合華ちゃん、ちゃんと来てる?』
『うん。大丈夫よ』
『私にも気配がわからないんだから、ちょっと不便よね……』
『じゃあ、服の裾を持つわね。これでわかるでしょ?』
『う、うん……』
何も見えないのに服を引っ張られる感触だけ味わうことになり、それで嫁さんの存在を確認できた桜澤撫子であるが、心の中はツッコミの嵐だった。
(ていうか、百合華ちゃんこそ幽霊じゃない!それに、この能力使われたら、私、絶対に勝てないわよ!前に戦った時、気づかれなくて助かったぁーー!)
彼女は密かに胸を撫で下ろしていた。
ちなみに嫁さんがそういう着想を持たなかったのは、彼女の性格上、仕方のない部分でもある。彼女は、この能力を”隠密スキル”だと考えており、”暗殺スキル”だとは思っていない。そして、常に真っ向勝負で挑み、力押しで勝つ、”脳筋プレイヤー”であるため、そのような搦め手の戦い方はなかなか思い浮かばないのである。
ともあれ、こうして二人は着々と神殿の奥深くへ進み、地下3階に辿り着いた。
廊下を歩くと階層の中央付近に大きな鉄の扉がある。
鍵もかかっていた。
『白金くん、開けられる?』
「もちろんだ」
僕は宝珠システムで解析し、風の精霊魔法を応用して、鍵穴内部の仕組みを動かし、鍵ナシで解錠してしまった。
『蓮くんいたら泥棒したい放題じゃん……』
嫁さんは呆れている。
桜澤撫子は何も言わずに扉を開けた。
その先には、約100メートル四方の巨大空間が出来上がっていた。等間隔に並んだ太い円柱によって支えられた、だだっ広い部屋である。
その床に、これまで見たこともない程、広大な術式が刻み込まれ、淡い光を帯びていた。今も発動中の術式なのだ。
『これが、シュラーヴァスティー建国以前から地の精霊神殿に設置されている大規模術式。地震を抑制する魔法装置よ』
「えっ!!!地震を!?」
桜澤撫子の説明してくれた内容に、僕は驚きを禁じ得なかった。予想外というよりも、それが実現可能であることに驚嘆した。
『シュラーヴァスティーのある、この大陸南部はね、大昔から続く地震大国なのよ。私たち日本人も他人事には感じられないわよね。そこで、様々な神官や魔導師、知識人が寄り集まって、長い年月を掛けて、神殿の地下に造り上げたのが、この大規模術式ってわけ』
「地震ってのは、とてつもないエネルギーを伴うものだよ。それを相殺するなら、逆に地震を発生させる程のエネルギーが必要になるんじゃないか?いくら精霊神殿でも、それは不可能に思えるけど?」
『振動するエネルギーを抑え込むわけではないみたいよ。詳しくは知らないけど、エネルギーを地中深くに逸らすことで、地表の揺れを軽減させているんだと思うわ。もちろん国全体を守りきることはできないけど、この地域を中心に半径1000キロメートルはカバーできてるらしいわね』
「夢のような術式だな……。これで一つ、合点がいったよ。この地にアカデミーが創設されたのは偶然ではなくて、もともと知識人が多く集まり、研究される土地だったからなんだね」
『そして、術式の恩恵を受けやすい、この近郊に、首都コーサラが置かれたってことね』
お互いに語り合いながらも、桜澤撫子は大規模術式の上を歩き回り、その様子を僕に逐一見せてくれた。そして、ため息交じりに意見を述べた。
『コレに何らかの細工が施されていると考えてたんだけど……正直、それを一から調べるなんて無理な話ね。こんなに広大な術式なんだもん。いっそのこと壊しちゃう?』
「待って待って!そんな大切な術式だとしたら、破壊するわけにもいかないじゃないか!」
『白金くんなら言うと思った』
「僕の方で解析してみるよ。宝珠システムに記録するから、このバカデカい魔方陣の上をくまなく歩いてもらえるかな」
『そうね。それしかないわよね』
とりあえず術式魔方陣に辿り着くのは簡単であったが、それほど大事な術式に改造が施されているとは考えていなかった。ゆえに単純に破壊するわけにもいかず、僕はこれを解析することにした。
レーダー機能が弱体化している宝珠システムでも記録できるよう、桜澤撫子が満遍なく魔方陣の上を歩いてくれる。この部屋は特別な用件がない限り人が訪れない場所であり、また深夜でもあるため、誰かに発見される恐れは無かった。全ての術式を記録するのも容易に終えられた。
ところで、嫁さんは周囲に人がいないことから、気配を元に戻している。桜澤撫子に付き従って、一応は護衛として歩いていたのだが、最後になって、広大な部屋の片隅に違和感を覚えた。
(あれ……?何かが動いたような……?)
何気なく近づいた嫁さんは、この時、幽霊以上に恐ろしいものに出くわしてしまった。
『ぎぃえっっっ!!!』
『あぎゃあっっっ!!!!』
なんと嫁さんが叫ぶと同時に、桜澤撫子までもが全く別の要因で沈痛な悲鳴を上げることになった。
嫁さんが力いっぱい彼女に抱きついたのだ。
『ど!!!どうしだの百合華ぢゃん!ぐっ、ぐるじいっ!!!』
『はっ!!!ご、ごめん!虫の大群がいて、つい!!!』
泡を吹きそうな桜澤撫子を見て、嫁さんは慌てて彼女から離れた。
そして、嫁さんが指差した方角を見て、桜澤撫子もギョッとする。まさに嫁さんが言ったとおり、部屋の壁をビッシリと覆うように大小様々な虫の群れがひしめいていたのだ。
”虫”と書くよりも”蟲”と表現する方が似つかわしい程に。
よく見れば、それが四方の壁の全てに行き渡り、天井にも溢れている。扉付近にだけはいないため、入って来た時には、気づかなかったのだ。
『うげぇ!これは私でもキツいわね!大学では生物学を学んできたから、ラットの扱いだって心得てるけど、さすがにこれはキモいわ!深夜に来たのは初めてだけど、こんなことになってるなんて!』
『は……早くここ出よ!!私、無理!ホントに無理なの!!これだけは!!!』
ガクガクと震える嫁さんを連れ、桜澤撫子も足早に術式の部屋を出た。既に記録は完了していたのが幸いである。
扉の外に出ると、廊下から階段にかけては問題なかった。あの部屋だけが異常なようである。
ホッとしたのも束の間、ここで桜澤撫子は厳しい顔つきになり、嫁さんに苦言を呈した。
『ていうかね!百合華ちゃん!!!今の、白金くんにやってたら確実に死んでたからね!私みたいな魔王じゃなかったら、即死だったからね!』
『ご、ごめん……だってホントに怖かったから……』
『本当に危なっかしいわね……レベル150ってのは……』
『うぅーー、ごめん…………』
もはや嫁さんは泣きそうである。今になって僕も改めて認識したが、嫁さんの最大の弱点は、幽霊などよりも現実に実在する虫であった。そして、僕は彼女たちのやり取りを聞きながら、心から安堵した。
「い……行かなくて良かったぁ…………」
もしも僕が同行していた場合、桜澤撫子の言うとおり、僕は嫁さんに殺されていたかもしれないのだ。もちろん嫁さんのことなので、その直前に必死になって力をセーブしてくれると信じたいが。
『と、とりあえず、早く次のトコ行こ!』
脅える嫁さんに急かされて、桜澤撫子は次の目的地へと向かった。
神殿内で与えられた大神官エニシダの研究室である。
とはいえ、彼女も、その正確な場所を把握しているわけではない。これまでに聞いていた、いくつかの噂話を総合し、地下2階にあると推理して、その階層を訪れてみた。
再び気配を完全に消した嫁さんを伴って、桜澤撫子は廊下を歩いた。深夜であるため、出歩く神官や神官見習いもほとんどいないが、極力、人には遭遇しないよう、上手に避けて進んだ。
そのうち、ある一角で嫁さんが何かに気づいた。
『……ん?』
『どうしたの?百合華ちゃん?』
『うーーん……今、何かがいたような気がしたんだけど……』
『神官が一人いるだけよ?あまり関わらない方がいいわ』
『そだね』
蟲の一件で臆病になっている嫁さんは、それ以上の詮索はしなかった。やがて桜澤撫子の推測が見事に的中し、大神官エニシダの研究室と思われる一室を特定した。
『見て。この部屋。エニシダ教授の自宅の研究室とレイアウトがそっくり』
彼が殺された現場の一室と同じように家具が配置されていたのだ。つまり、部屋の主が同一人物である可能性が高い。
部屋の中は暗いため、携帯端末宝珠の魔法でライトアップしながら、二人は室内を物色した。保管されている書物はエニシダの研究分野と重なるものであり、手記に至っては筆跡が同じであった。
『間違いないわね。ここが精霊神殿内のエニシダ教授の研究室。大神官として与えらえた部屋よ』
桜澤撫子は結論を下す。
僕はすぐに嫁さんに指示を出した。
「百合ちゃん、そこにある本と手記を全てスキャンしたい。部屋の中を回ってくれ」
『りょ!』
嫁さんは本の中身に興味がないため、僕のために室内を歩き回ってくれた。その間に桜澤撫子は情報を得るためにいくつかの手記を漁っている。
ところが、ここで嫁さんが何かに気づいた。
『ねぇ!撫子!奥の方から、誰かの呼吸音が聞こえる!すごく苦しそう!』
『え!?』
研究室の奥には、もう一室あった。
そこは寝室である。
警戒しながら二人が向かうと、なんとそこには、ベッドに横たわる一人のご老人がいた。
長く伸びた白髪に深いシワが刻まれた額。寝苦しさにうなされているため、苦悶の表情を浮かべているが、その端正な顔立ちからは凛々しさまで感じられる。若い頃はイケメンだったのではないかと想像させる貫禄あるご老人が、そこで苦しそうに寝ていたのだ。
桜澤撫子が驚愕の叫び声を上げた。
『ヤグルマギさん!!!』
『えっ!この人が!?』
嫁さんもビックリ仰天である。まさかエニシダの部屋で彼を発見するとは。手がかりを探しに来たはずなのだが、本人を直接見つけ出してしまった。
直ちに僕は、通信中の映像を後ろに控えている美少女二人に見せて確認を取った。
「シャクヤ!ラクティ!」
「「お爺様!!!」」
彼の孫娘たちが驚きと歓喜の声で共鳴するように叫んだ。
間違いない。彼こそが、僕の捜し求めていた賢人。
”大賢者”ヤグルマギ・クシャトリヤである。




