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吐血する最強回復魔法師のスローライフ  作者: ぼちゃっそ
2章 人形師編
11/17

11話 ナイフの男

午前2時24分。

ウォータル西区。

街は寝静まっている。

しかし近頃の街は少し眠りが浅い。

閑散とした街中を殺気を放った者が徘徊していた。


「・・・ったくよぉ。労ギル全部が24時間体勢で血眼に探してるってのによぉ」

「これだけ見つからないとひょっとすると幽霊なのかもですね~」

「はぁくっだんねぇ」


人形師(ドール・ザ・リッパー)が現れてから1ヶ月。

状況は掛け値なしで最悪だった。

街の軍隊、労働派遣ギルドのネットワークを張ってしても、

有力な証拠は未だ見つかっていない。


ただひとつの手がかりといえば、奴が人体の構造を完全に把握しているということだ。

切り口の綺麗な切断、臓器の摘出、糸の縫合。

どれをとっても一朝一夕、明日から決行しようと思ってできることではない。

以上の手慣れた所業から当初犯人は医者、解体師、死体媒介師が疑われた。

もちろん漏れなく全員隈無く尋問に至ったが奴は見つからなかった。


分からない。

この1ヶ月、奴はどこでどうやって私達の目をかいくぐっているのか。


「くそっ」


自責の念が私を追い込む。

労働ギルドのマスターとして3年、こんな感情は初めてだ。

街の治安も守れずに何がマスターだクソが。


「マスター」

「んだよ」

「見てください」


アイクの指さした方角を見る。


ん・・・男か。

身長は170後半、痩せ形だが筋肉はある。

服は上下黒、いやあれはスーツか?

何でもいいこんな時間に1人で徘徊してる奴を放っておくワケがない。


「失礼。少しお時間よろしいですか?」

「・・・ああ。私は構わないが」


低く、重い声。

歳は40代か?


「こんな時間に何をされてるんですか?」

「質問が違うのではないか」

「はい?」

「君たちが本当にしたかった質問はこうだろう」


私は反射的に叫んでいた。


「お前が”人形師(ドール・ザ・リッパー)”か、と」

「アイク下がれ!」


鋭い一閃が私の喉を通過する。

重心を後ろに、倒れるように受け身をとり致命傷を避ける。

5メートルほど感覚を空け、間合いをとると右頬からスーッと熱い水滴が流れた。


身長が低いのが幸いしたな。

アイクぐらいの身長だったら喉元にも口が出来るところだった。

あのナイフ裁き、間違いなく猛者だ。

ただ遠距離の私の魔法には相性がいいが問題は・・・あの気味悪ぃぐらい濃い魔力の方だな。


ただまぁ。

ここで一度退くほど肝が小せぇ私じゃあない。


「アイク、援護を頼む」

「任せてください」


ここで片を付ける。


愉快な人形劇の開幕(オープニング)


---


午後12時半。


「・・・んあ。もうこんな時間か」

「あっおはようございます!」


なんかいい匂いがするな。

リンゴの方を見るとすでに身支度を済ませ、活動着になっている。


「風呂でも入ったのか?」

「はい!シャンプーの匂いがとっても良くって!」

「そうかそうか」

「5回も入りました!」

「頭皮傷むから止めようね?」


いやはや疲れか歳かこんな時間まで眠ってしまった。

早く朝食を食べて’あの場所’へ行かねば。

いや昼食か。

まずは俺も風呂だな。

こんな豪華な暮らし堪能出来るうちにしておかなければ。


惰眠を貪り、ご飯を堪能し終えた頃には時刻は13時半を迎えていた。

日が暮れると殺人鬼が出て危ないので、半ば仕方なしに出かけることにした。


えー住所はどこだったか。

そういや偽村長から住所の書いた紙を貰ったな。


「えー、ウォータル西区の-」


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