10話:Wデート!?〜過去の記憶〜
この回では美咲とハルの回想が主です〜
昼休みが終って俺がマジメに社会の授業を受けようと
しているのに対して、颯真はずっと
「遊園地で綾瀬に手だすなよ!」とか
「実は付き合ってるんですとかやめてくれよ!?」
とか色々話してくる。
鬱陶しいので全てシカトしてるわけだが・・・・
そうか。美咲を誘わなくちゃいけないのか。
しゃーない。棗は隣で爆睡中だし、今誘っとくか〜
俺は美咲の方を向きシャーペンでつつく
「なぁ。土曜日って暇なんか?」
「今週の?特に予定はないけど」
「そっか。お前とお俺と吏緒と玲那で久寿川ランド行こうって
話になったんやけど・・・どうや?」
「楽しそう〜全然おっけーだよ」
その後授業と颯真はほったらかしにして美咲に
土曜日の詳細を話した。
その策略と陰謀が混じったWデート作戦が実行される日。
俺は待ち合わせ場所に向かっていた。
時間は早すぎるわけでも遅いわけでもない。
むしろ早めにきたはずだった・・・・
「おっ!ハル!遅いぞー」
「早いな・・・・ご苦労さん」
全員揃っていた。
時間が勿体ないからということで早速
久寿川ランド行きの電車に乗る。
席は同じ車両に2人分空いてる席が少し離れているが
2つあった。
これは吏緒と玲那。俺と美咲という席位置にするため
やや強引に
「美咲ーあっち座ろうや」と誘導して並んで座る。
そして必然的に吏緒と玲那が隣同士になる・・・
はずだった。が。
吏緒と玲那が座るはずだった席に買い物袋をもったおばさんが
座ってしまった。
これはまずい。
今俺と美咲が座っているところにあの2人を座らせる手が
妥当だと考えたが美咲は今日の遊園地に行く本当の
目的を知らないわけだから不自然すぎる。
他に空いてる席はと見渡すが立っている人もちらほらいて
微妙な隙間くらいしかなかった。
俺は誰にも聞こえない声で呟いた
「ごめん。吏緒」
最初は2人が気になったがドア際の所で並んで話していたので
これはこれで悪くないんじゃないかな。
と思い俺は美咲と話していた。
ここから目的地まで電車で1時間くらい。
だんだん席が空いていき、吏緒と玲那は俺達から少し
離れた場所で2人で座っていった。
美咲からは海外に行ってたときの事とか色々聞いた。
そして今の日常の話題も話し尽くし自然に昔の話
になっていた。
「秋月先輩と付き合ってたってマジなの?」
「俺が玲那と?んなことあるわけないやろ〜
噂は色々立ったみたいやけど実際にはんなことあらへん」
「そうなんだ。あたしと別れた後、誰かと付き合った?」
「俺はそこまで軽くあらへん」
「ぇ・・・?じゃぁ今好きな人とかいる?」
俺はずっと外の流れる風景をみながら話していたが
この質問にはビックリして美咲の顔を反射的に見る。
不意に目が合うが俺は直ぐに逸らす。
「んー・・・居ないかな」
「あっ!羽流葵の標準語、久しぶりに聞いたような気がする〜」
ちょっと焦っていたせいかなまりが無かったらしい。
(間もなく、久寿川ランド前〜御出口はー・・・・)
車内アナウンスが流れる
「おーい。この駅だぞ〜」
吏緒と玲那がこっちに来た。
「おっ!やっとついたかー」
俺は軽く背伸びをして電車を降りる。
無事に入園を済ませ貰ったパンフレットを見る。
俺はその間に今日の計画の事を考えていた。
まず、この人ごみだ。
俺と美咲は行動を共にし、吏緒と玲那と自然に別れる。
俺はそれだけの事だけに来たわけでもない。
かといって美咲と復縁するためでもない。
唯純粋に楽しもうとしてる。
前には玲那と吏緒が。その後ろには俺と美咲が配置されている。
てかまずいな。
こんな人ごみでは吏緒ペアとはぐれるどころか美咲とはくれてしまいそうだ。
さっきから容赦なく俺と美咲の間に人が押されて食い込んでくる。
どうにか人並みに流されないで美咲を見失わないようにする。
さっきから人の足を踏んだり踏まれたりしているがこれは仕方ない。
美咲は・・・・大丈夫だろうか?
これは仕方ないよな。
俺は丁度、人波が少し途切れた瞬間に美咲の手を掴む。
今美咲がどんな気持ちかは知らんがこの状況を読んでか
ぎゅっと握り返してくれる。
案の定、早すぎるが吏緒たちとはぐれた。
俺達は広い休憩場的な椅子と机が並べてある場所で
座った。
皆アトラクションに夢中でここは昼時でもないので
空いていた。
当たり前だが繋がれていた手はどちらからともなく
離された。
「はぁ・・・凄い人だね〜・・・お祭りみたいだね。
しかも秋月先輩達とはぐれちゃったし」
離れたところに見える人の波を見ながら美咲は言う。
「せやな。吏緒達はうまくやってるやろ。心配せんでいい」
パンフレットを見てみる。
「そうだね〜てか、前も2人で一緒にここ来たよね」
2年以上も前の事だが俺も良く覚えている。
俺は記憶を蘇らせ開いてあるパンフレットの園内案内を
美咲とデートした時の道筋を指でなぞる。
最後に乗った定番の観覧車に指を当てた時に思い出した。
「最後に観覧車とかベタだねー」
って話しててゴンドラが下につく寸前に俺が
「それじゃベタついでに」と美咲とキスをした。
美咲もそんなことを思い出したのかちょっと沈黙が流れる
「最初に何に乗ろうか迷っててもしゃーないし。前に来た時
と同じルートにせんか?」
まぁ前来た時とは美咲との関係が違うけど・・・・
「よしっ!さっそくいこー」
テンションがやたら高いが・・・気にしない事にしよう。
久しぶりの投稿ですが読んでくれている方に感謝を込めて投稿です(TωT)




