セントイプシロン。
お昼休み。
あたしたち。あたしとまりあちゃんは二人でセントイプシロン女学園の生徒のいるエリアにきてみた。
ひょっとしたら、あきさんいるかもだし。
ひょっとしたら、ナインがいるかもだし。
そう思ってこっそり教室の外から覗く。
数人の生徒がお弁当を食べながら雑談していた。お弁当もお弁当屋さん系のだったけど。もともと全寮制? だったらしいからそういうものなのかもだけど。
ほんとこっそり覗いてたんだけど、何人かに気付かれたっぽくて。
一人の生徒が立ち上がりこっちに近づいてきた。
金髪の巻き毛、カモシカのような足。いかにも体育会系女子で、ぱっと見少年のように見える。もちろん美少年に見える子だ。
「こんな所に一般人がなんの用?」
え? 一般人がって、なんか変なセリフ?
「え、と、あたしたち麻里子さんの友達で……。いらっしゃいません?」
「んー。麻里子っていったら天城麻里子しかいないけど、あんたたちどういう知り合い?」
あー……。ちょっと怖い系……。
あたしたちがちょっとどぎまぎして答えに窮していると。
「ちょっとユーリ。あんんまりいじめちゃかわいそうでしょー」
と、後ろの子達から声がかかった。
「でもさ、ここはあんまり一般人が来るところじゃ無いし……」
「って、その二人アリマリじゃない?」
「そうだよユーリ、あんたも好きでしょ? 双子モデルのアリマリ。この二人ったらアリアとマリアじゃないの?」
「え? ああ、そういえば……。ごめんなさいアリアちゃんとマリアちゃん。気がつかなくて。わたしあんたたちのファンなんだ。あーどうしよう。サインしてもらわなきゃ」
そう言ってドタバタと席に帰りノートを漁って持ってくるユーリさん。
あは。なんだか拍子抜けしちゃった。
手のひらを返すようにあたしたちの周りは女の子たちでいっぱいになった。
適当にお話してなんとか仲良くなって。
「で、ごめん麻里子は今日は居ないんだ」
「あの子、天城だからね。ちょっと特別扱いかな。授業も半分くらいは出てないし。おうちの仕事があるっていう話だけど」
「じゃぁ……。中子さんって人か、あきさんって人はいないですか?」
「中子って、スグだろ? チトセのことだよね」
「うんそうそう。確かチトセのコードネームじゃない?」
「あの子はこの学校には来なかったんだっけ? どうしたんだろうね?」
「まああの子も両親学校関係者で寮組じゃなかったからわかんないけど」
そう口々に話す彼女たち。
麻里子も中子さんもあんまりよく思われてないのかな?
そんな気がする。
「あきさんって亜紀だよね? あいつならもうじき帰ってくるよ。昼休みは屋上で寝てるとおもう」




