放課後。
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放課後。
みんなが帰ったあとまりあちゃんは令くんを捕まえて一緒に帰ろうと誘って。
ああ、あそこまで積極的なまりあちゃん、はじめてだ。
令くんもまんざらでもない様子。なんか寂しいな。
そんなこと考えてたら二人揃ってあたしの腕に絡みついてきた。
にゃ!
まりあちゃんはともかく令くん、も?
「ありあちゃん! あたしたち友達になっちゃった。ありあちゃんも一緒に仲良くしよね」
「ありあちゃん。よろしくね」
令くん、なんだか女の子みたい。
表情や仕草、雰囲気が完全に女の子、だ。
負けてる? あたしひょっとして。
目を白黒させてるあたしを尻目にふたりはきゃぁきゃぁ意気投合して帰りの準備をして。
今日はみーちゃんは部活だから三人で帰ることになった、の、だけど。
「あは。令くん初対面からなんか仲良くできる気がしてさー」
「うんうん。わたしもだよー」
令くんは自分の事をわたしって言う。声だってすごく可愛い。
うん。こんな所も男性性を感じないや。
こんな男の子、いるんだなぁ。
なんかすごく新鮮だ。
「ねえ。ありあちゃん」
ん?
令くんが上目遣いであたしの顔を覗き込んでる。
「わたしがこういうふうなの、気になる?」
ああ、顔に出てた?
「え、どうして……」
「なんか考え込んでたし。そんな顔に見えた」
あうあう。そんなに顔にでてた、の?
「ありあちゃんはわかりやすいからね」
あう、まりあちゃんまで。
「そんなにこだわるもんかな? 性別って」
え? どういう意味?
あたしの顔、ほんとびっくり目になってそう。
「わたしは今男子生徒な訳だけど、これはこれで楽しいよ?」
令くん、唇に人差し指をあてて。
すごくコケティッシュ。
「あのね、ここだけの話。
わたしって前世の記憶があるんだ。
ほら、今異世界転生って流行ってるでしょ?
わたしが転生したのはそのままの時代そのままの世界だけど、
信じてない?
あはは。
そりゃしんじられないよねー。
でも、それはどっちでもいいんだ。
わたしがわたしなのは変わらないからね。
んで、わたしの前世っていうのが、
おもいっきりアラサーで腐女子してたんだよー
だから、いまの人生って、ほんと楽しい」
ああ、なんか、頭の中が崩壊、する……。




