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『四葉のクローバー』学園物語  作者: 優貴(Yukky)


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第4話「校外学習と三つの想い」

五月中旬。

青葉学園では校外学習の日を迎えていた。

行き先は市内でも有名な自然公園。

広い芝生や森林エリアがあり、クラスごとに班行動をすることになっている。

朝。

校門前には生徒たちが集まっていた。

「眠い……」

悠斗があくびをする。

すると後ろから元気な声が飛んできた。

「おはよー!」

美咲だった。

「朝から元気だな」

「校外学習だよ!?」

美咲は笑顔全開だった。

その時。

「お、おはよう」

少し控えめな声。

四葉だった。

白い帽子を被り、小さなリュックを背負っている。

「おはよう」

悠斗が返す。

すると四葉は少し嬉しそうに笑った。

その様子を見ていた美咲は何とも言えない顔になる。

班分け発表。

そして――

「同じ班だ」

悠斗が呟く。

班のメンバーは、

悠斗

美咲

四葉

彩花

男子二人

女子一人

の七人だった。

「やった!」

美咲は喜ぶ。

四葉も少し嬉しそうだった。

こうして校外学習が始まった。

午前中。

自然観察コース。

森の中を歩きながら植物を調べていく。

「これ何の花だろ」

四葉がしゃがみ込む。

すると悠斗も隣に座る。

「さあ?」

「調べてみよう」

二人で図鑑を見る。

その姿はまるで仲の良いカップルのようだった。

少し離れた場所で見ていた美咲。

「……」

無言。

彩花が肩を叩く。

「顔怖い」

「怖くない」

「怖い」

即答だった。

昼食時間。

大きな芝生広場。

生徒たちはシートを広げて弁当を食べ始める。

「いただきます!」

みんなで手を合わせる。

その時。

四葉がお弁当箱を開いた。

「わぁ」

彩花が声を上げる。

「すごい!」

中には綺麗なオムライス。

ハンバーグ。

サラダ。

彩り豊かなおかず。

「全部手作り?」

「うん」

「すごい!」

女子たちが盛り上がる。

悠斗も感心した。

「本当に料理上手だな」

「ありがとう」

四葉は照れたように笑った。

すると。

「悠斗!」

美咲が呼ぶ。

「見て!」

弁当箱の中には大きな唐揚げ。

「朝五時に起きて作った!」

「それ市販だろ」

「バレた!?」

みんなが笑う。

その瞬間。

美咲もつられて笑った。

少しだけ心が軽くなる。

午後。

自由散策。

班ごとに園内を回ることになった。

そこで事件が起きた。

「きゃっ!」

四葉の声。

振り返ると――

四葉が小さな段差で足をくじいていた。

「大丈夫!?」

悠斗が駆け寄る。

「う、うん……」

しかし顔が痛そうだった。

立とうとしても上手く立てない。

「無理するな」

悠斗はしゃがみ込む。

「背中」

「え?」

「保健室まで運ぶ」

四葉の顔が真っ赤になる。

「で、でも」

「歩けないだろ」

結局。

四葉は悠斗の背中におぶわれることになった。

「軽いな」

「言わないで……」

恥ずかしさで消えそうな声だった。

悠斗の背中は温かかった。

安心できた。

だけどその分、胸の鼓動が速くなる。

(近い……)

四葉は必死に平常心を保えていた。

少し後ろ。

美咲はその光景を見ていた。

胸が痛い。

理由は分からない。

いや。

本当は分かっている。

でも認めたくない。

「美咲」

彩花が隣に来る。

「なに?」

「好きなんでしょ?」

その言葉に美咲は固まった。

「誰を?」

「藤崎くん」

数秒の沈黙。

そして――

「……分かんない」

それが本音だった。

だけど。

もし好きじゃないなら。

こんなに苦しくなるはずがない。

夕方。

校外学習終了。

帰りのバス。

疲れた生徒たちは眠り始めていた。

悠斗の隣には四葉。

その後ろには美咲。

静かな時間。

窓の外には夕焼けが広がる。

「今日はありがとう」

四葉が小さく言った。

「気にするな」

「でも助かった」

「友達だからな」

その言葉に四葉は少し嬉しそうに微笑む。

友達。

今はそれで十分。

だけど――

いつかもっと特別な存在になれたら。

そんな願いが胸に生まれていた。

後ろの席で聞いていた美咲もまた、窓の外を見る。

夕日が滲んで見えた。

その日の夜。

四葉は押し花のノートを開いた。

そこには以前見つけた四葉のクローバー。

そして今日、公園で見つけた新しい四葉のクローバー。

二枚並べて貼る。

「また増えた」

小さく笑う。

その隣に今日の日付を書いた。

――悠斗くんに助けてもらった日。

気付けば自然にペンが動いていた。

恋の芽は少しずつ育ち始めている。

そして同じ頃。

美咲もまた自分の気持ちから目を逸らせなくなっていた。

三人の関係はゆっくりと変わり始める。

次に待つのは――

青葉学園最大のイベント。

体育祭。

そこで新たな波乱が巻き起こることを、まだ誰も知らなかった。

第4話 完

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