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Fake and Liar  作者: 狼谷 朔
長編シリーズ1:赤い学園編
55/57

△19裏話.若さ

タイトルに △ が付いているものは、公式による非公式回。

大抵作者の思いつき、絵で言うなれば落書きにあたりますね。

また、後書きはなっがい独り言と化します。特にネタバレ要素はありませんのでご安心ください。暇潰し程度にどうぞ。

「……似てんなあ」

 そうぼんやりと呟いたのは、低気圧だからと珍しく髪を結っていた夢ツだった。雨の日は癖毛がよくうねるらしい。

 無論、出自不明の発言に応える声はなく、今の出来事がロンドンの霧雨のごとく途絶えようとしていたその時。

「……似てるよな?」

「うっせぇな不審者」

「いや毎朝顔合わしとりますやん!何ゆえ……あっ経緯か」

「わかった、お前阿呆だろ。さては」

「無我の境地ですが?」

「自我の塊みてぇな分際で何ほざいてんだ?」

「みたいというか、そのまんまだろ」

「確かに……これ原価は?」

「三百。二割増か、やめとけ損するぞ」

「そうなのか。助かる」


「頼むからツッコんで甘音さん」

「何でだよ、助かっただろ実際」

「そこちゃいますねん!!何で出自不明の医者(闇)がフッツーに居はるんよっ」

「公式ハウスだからだろ。突然消されたり突然現れたりするんだよ、観念しろクソ狐」

 公式ハウスとは、彼らが大人の事情により突然現れたり寛いだり猫を撫でたりする、本編とは一切関係のない憩いの場である。

 普段は此方の都合関係なく、頻出英単語よろしく夢ツがハウスに出入りしているわけだが、今回は甘音とバグも居たようだ。

「つか似てるって何がだ?」

「いや待って、何でアンタが甘音のお仕事手伝ってはりますの」

「公式ハウスだから」

「てめェがサボった仕事処理してんだろうが。今後は様つけて呼ぶことだな」

「気持ち悪いな。心臓に悪いから呼ぶのもやめてくれ」

「もしかしてやけど、俺って嫌われてます?」

「割と」「まあまあ」

(甘音先述)

「同居人が曖昧な表現なさると怖いんやけど……バグに至っては普通に嫌いやんかぁ~」

「そういう事をのほほんと言ってる所が腹立つ」


 話戻しましょや〜


「アンタらや。めちゃ似とりますやん、雰囲気とか口調とか〜、背丈178cmの甘音さんと175cmのバグで……知らんけど」

 甘「まあわからんでもねぇな」

 バ「そうか?結構違うと思うが」

 身長を知っていることについて誰も言及しない世界。

「絶対神(作者)の癖ですわよ奥さぁん、キッショ」

『君、凄惨な殺し方にしようかな』

 バ「魔王すぎねぇか創世神」

 甘「つか、似てるつったらてめぇとノイズもだろ。俺らと違って共通点多いし」

 仮面、関西弁、二刀流、兄バカ、ヤニカス……と指折り数えるバグの横で、甘音はふと顔をあげる。

 甘「そういや、ノイズの奴まだ17歳じゃなかったっけ?それで夢ツとタメ張ってんのか、最近の若者は凄いもんだ」

「いやぁ~アイツ相当やでぇ?会う度に背伸びとるし、勘鋭くなっとるし、ブラコン重症化してるし」

 二人の面識はノイズがもう少し若い頃からあったのだが、この前の宴襲撃事件の際に久しぶりに出会ったと思えば、自慢の俊敏さがまた一段磨かれていた。関節の使い方を再度心得たのだろう、昔から要領の良い子だった。

 夢ツは煙管に指を滑らせると、小さな溜息を吐く。煙は淡い青だった。

「にしても、今の一級は揃いも揃って早死にしそうな目してんねぇ。みんな立派な子やし、天狗になるようなこともあらへんけど……若すぎて”芯”がないんよなぁ」

 バ「あ~……暗示の件を考慮しても言動の軸となる部分が曖昧な気がするな。それをバディで補ってると言えば体はいいが」

 甘「実戦向きとは言えねぇよな。クロヴンお墨付きのライベリーはともかく、兄弟組は反射で動いてねぇ。見たとこやっぱ情が混じっちまう傾向あるし、判断ミスを恐れてるタイプだありゃ」

 バ「まぁ医者やってる以上、後の祭りほど怖いものもないってのは共感できるがな。アイツらは生死に関わるし、そこの判断も相手の内情経由してから、自分とバディの命を天秤にかけた結果ってだけだろうが」

「死生観だけは一級名乗れんよねぇ~……かと言って若者に無関係でも殺せ言うんも可哀そうやし、無駄な殺生は損失なる思てはるようやし。別にんな後処理上に丸投げすりゃええのに~」

 ”大人”からしてみれば、倫理観など出す時にしか出さない辞書のようなものだ。情緒に絡むこともないし、あったとしても身内だけだろう。元々頑丈な人外にとって、命の一回性に基づく恐怖の類には実感がない。強くなくとも敵を殺せば生きていけるし、強くとも忌避されれば死の概念を手招くことになる。それは万人に共通する。

 なれば躊躇う意味などないと身をもって知っているからこそ、仕事に関する実情はさておき、実体を伴う”命”を消すことに抵抗がない。

 情の使い方が限定的な人外が構成する社会が、何故円滑に__闇は深く、業が複雑だろうとも__回っているか?

 それは互いを利用し合っている、つまり相利共生を主としているからだ。

「自分らが死なんかったらそれでええ、余所を貶めても構わん、そんな効率主義な生き方はあの子らに酷ね。悪魔なんやから、自前の”直感”に従って生きてく方が楽やろうに」

 バ「……まぁ、いいんじゃないか。自分に騙れるまでは」

 夢ツの述べた”効率主義”も、決して悪ではない。死生における正邪の基準など、命の描く未来とは比にならない。

 ただ彼らの幼い、まだ満ちていない達観が何を守りたいかに委託されるべきなのだ、本来は。

 既に一級に身を置いてしまった彼らにその権利はない。トライアングルがひとたび命ずるなら、殺すしかない。

それはいい口実になり、判断を幇助(ほうじょ)するだろう。

 例えバディの殺害であっても__譛ャ蠖薙↓?

甘「お前は今の生き方に至るまでを悔やんでるのか?」

「へっ?いや、そないなわけではあらへんけど……あぁ、そっか。なんやろうな__変な気分やわぁ」

甘音の流し目が語る、ある種の指摘を苦々しく笑って受け止める。

後悔はしていない。していないはずだ。それでも。

「でもそれは、()()お話。ノイズは殺しの解釈を”排除”に昇華するまでに、クオンちゃんや部下みたいな庇護対象を迂回せなあかん。クオンは殺すまでに、義務や必要性を考慮しな命の抹消に集中できん。下手したら見逃してあげてまうやろなぁ、それによって身内に損があるって考え着くまでに至らんやろし……とか何とか宣うても、まぁ単なる憶測ですわ!知らんけど~」

この歳になると考えるところまで突き詰めてしまい、迂闊に喋り過ぎる。こういった話には饒舌なのだから、いつ墓穴を掘るか知ったものではない。

甘「結局心配なだけじゃねぇか、お前はアイツらの祖父か。夢ツは後悔していない()()で、実際は苦労したんじゃねぇのか?ハナから鬼だったわけでもあるめぇし、立場所以の辛酸を舐めるにゃ早すぎる若人が気がかりなんだろ。じゃそれでいいじゃねえか、変な文句つけんなダボが」

バ「一言余計なのがついたな」

「お前……ほんまさっぱりした言語化上手いなぁ。毎度心に響く前に感心してまうわ……」

甘「あー、読書好きだからじゃねぇか。報告書とかよく書くし」

バ「どんな詩的な報告書だよ。お前は単に引き出しのフットワークが軽いんだ、頭の回転早ぇだろ」

「何考えてるかわからん~言われるクロヴンの微笑に次いで、甘音の無表情普段ver.はほんっまに何考えてるかわからんからなぁ。ちなみに今のお気持ちは?」

甘「味噌の消費期限いつだっけ」



独り言__

バグと甘音の口調は似ているのですが、少し違います。

差分:

甘音「~~じゃねぇか」「~~なかったっけ」

バグ「~~だろ」「~~じゃないのか?」

甘音は「~~ねぇ」と言いがちですが、バグは「~~ない」口調ですね。また、バグは甘音に比べて断定が強めな感じがします。

ちなみにノイズの関西弁は基本語気鋭く、淡々とした兵庫弁です。夢ツは長いこと喋りがちで、京都味を帯びた大阪弁ですね。

差分:

ノイズ「~~しとるやろ」「~~とちゃうんか?」「○○言うとるで」

夢ツ「~~してはるんちゃいますの?知らんけど」「~~やないの?」「○○言うてはるで~」

知らんけど、が大きな違いです。ノイズは元々無口なので余計な一言を言わないタイプなのですが、思ったことをズカズカ言ってしますタチなので、そうしておどけることは多々あります。

夢ツはただのお喋りです。駄弁りbotと思ってください。


一年前の自分、投稿頻度バケモンすぎませんかね。こっわ。いつ絵描いとんねん。

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