書道サークルは常に部員募集中やで!
「終わった〜〜〜」
難しい韓国語の授業が終わって、苦しい授業から解き放たれた奏音。
「疲れたよぉ〜〜。勉強でこんなに疲れたの初めてぇ〜」
「そう。私はいつもこれ以上疲れているけど」
奏音の発言にイラッとした千早。いつも勉強でヘトヘトになる千早には奏音の発言に苛立ちを覚える。
すると松尾詩音と友利結衣が奏音の席にやって来た。
「奏音ちゃん、これから部室来る?少しのんびりと話さない?」
「そうだよ。初めての授業でストレス溜まっているだろうし・・・」
2人とも奏音を心配しているのだろうか、だとしたらとても優しい。その優しさに涙が溢れ出しそうだ。
「し、詩音ちゃんに結衣ちゃん・・・。もしかして、あたしの事を心配して?う、嬉しいよぉ・・・」
2人に抱きつこうとする奏音・・・、だが詩音にそれを阻止される。
「分かったから抱きつこうとしないの。奏音ちゃんだけじゃなくて結衣ちゃんも初めての授業で色々ストレス溜まっているみたいなの。だから、みんなでストレス発散しましょう」
「うん♪しよう!ストレス発散しよう!」
3人の会話のやり取りを隣で聞いている千早は少し羨ましく感じる。サークル仲間とストレス発散・・・恐らく部室でグダグダと駄弁るのだろうけど、サークル仲間とそういう事をするの少し憧れる。
もっとも中学、高校と帰宅部の千早にはそういう青春らしい事とは無縁だが。
でも少しくらい自分も青春らしいことをやってみたいとも思う。
「奏音ちゃんのお友達の千早ちゃん?も来る?私達のサークルはいつでも部員募集中よ。入部テストはあるけどね」
詩音にそんな事を言われて千早はポカンとした表情をしばらく続けていた。そして気気付く。
これは神からのお告げだと。大学では青春をしたいならこの誘いに乗れというお告げ。
これぞまさに天啓っ・・・!
きっと千早の人生で青春をする最後のチャンスが今このとき。
人と接するのが大の苦手。しかし、この人達となら青春出来そうとも思う。
そんなことを同じことを頭の中で1周も2周も何度も何度も考えた。
そして千早は小さな声でボソっと呟く。
「行っても良いけど」
か細く小さな声だが奏音は確かに聞こえた。
「えっ?本当に来るの?やったやった♪じゃあ早く行こ〜よ♪」
千早の手を掴んで部室へと走って行こうとする奏音だが、千早は抗う。
「分かったけど手を掴まないでくれない?痛いんだけど。」
「う、ごめん・・・」
千早の冷静な物言いに思わず謝ってしまう奏音。しかし、その目には親友とサークル活動が出来るという喜びで一杯であった。




