お喋りしながら帰るのって楽しいよね
帰る道中、奏音は結衣とめっちゃ話していた。
「あたしン家は鳥取の小さな神社でさぁ〜、それであたしはいつも巫女服着てんだ♪」
「へぇ〜。お家が神社って凄いね。私の家はみんな公務員だから面白みないよ」
帰る道中といってもまだ大学の敷地内の自販機コーナーでお喋りしている。奏音たち以外にも似たような人は沢山いる。恐らくサークル終わりの人達だろう。
「公務員一家なんて凄い真面目な家族だね!あたしン家はお母さんが高校の教師でお父さんがドカタ!」
「わぁ・・・なんか珍しい組み合わせだね。」
こうやって話してみて思ったのだが結衣は感情表現が苦手なのかあまり笑わない。普通だと何考えているのか分からなくて話しかけにくいと思うのだが奏音はそんな事考えずに話す。
「まあね♪」
そんな感じで話していると周りの人が奏音たちの方をめっちゃ見てくる。
「奏音ちゃん・・・なんだか見られていない?」
小声で囁くように喋る結衣。だが奏音は何も気にしていない感じで普通であった。
「あたしの格好のせいで見られているんだろうね。ゴメンね。少し場所変えようか?」
「う、うん・・・」
奏音たち大学の敷地から出て、夕日を見ながら語る。
「あたしさ〜、昔から学校以外は巫女服着てるから周りから凄い見られるんだよね。特に田舎だから変わり者を嫌う習性があるのかな?凄い馬鹿にされたよ。」
「それは・・・。なんというか・・・」
いきなり重そうな話になって、何と答えれば良いのか困る結衣。
「でもね、あたしは巫女である事を変える気ないよ。それに東京だと案外誰も見てこないしね。多分、大学内ぐらいでしょ♪」
「そ、そういうもんなのかな?」
「そーいうもんだよ♪あたし、こっちに来る時の新幹線の中でも見られなかったし、東京駅に来ても誰も見てこないの。都会の人って自分以外に興味無いのか、多様性の社会が根付いているのか知らないけど・・・あたしは好きだね。」
奏音は昔から変な奴扱いされてきたから、都会の人に無関心なところは割と好き。
「そっかぁ。奏音ちゃんも色々あったんだね。私は特に何事もなく生きてきたから語れることないや・・・」
「あはは♪だったらこの大学生活で語れることを沢山増やそうよ♪あたしも大学で色々と楽しむつもりだし♪人生を謳歌しないとつまんないじゃん?」
奏音の笑みは眩しかった・・・。夕日のせいで滅茶苦茶眩しく見えた。そして眩しい笑顔は凄く綺麗に美しく見えた。
「うん・・・!」
そんな奏音の笑みにつられて結衣も返事をしてしまった。
そしてしばらく話しながら歩くと・・・
「おっと!家についてしまったよ。じゃあ結衣ちゃん、また学校で♪」
そう言って別れようとすると奏音であるが・・・
「私もこのマンションなの。ここの3階だよ。」
何たる偶然。この周辺には学生用のアパート、マンションが沢山あるのに同じマンションと何たる偶然か。
「同じマンションだったのか〜♪じゃあこれからは暇あれば結衣ちゃんとこに行ってお喋り出来るね!」
「う、うん。私、理学部だからテスト期間中はやめてもらいたいかも・・・」
理学部は理系。理系は文系と違ってレポートは少ないかわりにテストが多く、猛勉強しないといけないパターンもある。
「うんうん!分かった!テスト期間中以外なら大丈夫ってことだね♪」
「う、うん・・・」
どことなく心配そうな表情の結衣。今日一日奏音と話した結衣は奏音の事を明るく愛嬌のあるお喋りな子だと感じた。
だからこそ少し心配なところがあった。




