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holiday  作者: NY
柳家編
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77/80

holiday 第百七十八話 似顔絵とその行方

N(こいつ、フィジカルだけかと思ったが割とそうでもないか)。

(こりゃ少し捻らないと火傷するわね)。

N「そろそろ私もメインウェポンを使おうかしら」。

マリアが鎖分銅を取り出した。

桃怪(何かくる)。

その分銅を軽々と振り回して、桃怪の死角に飛ばされるが驚異的な反応速度で下に屈んだ。

桃怪(こういう系のやつは遠心力を武器にしてる)。

(それが得物なんだろ。これを封じれば勝機はある)。


桃怪がマリアに向かって駆け出した。

もう至近距離だ。

分銅は真っ縦に飛ばされる。

桃怪(ここだ!)

桃怪が鎖を鎌に引っ掛けた。

桃怪(他の引き出しを出す前に切り殺す!)

その時、マリアは得物であるはずの鎖を手放し

爪を伸ばして桃怪に放った。

その爪の先は腹の傷。

桃怪「お前ならそこ狙うよね」。

伸びる腕に向けて鎌を振り下ろすがその腕が消えた。

代わりに桃怪の額に斬撃が飛ぶ。

額から血を流すも横に飛び距離を離そうとする。

N「そりゃ太ももが痛くならない方向に飛ぶわよね」。

しかしマリアは桃怪の移動と同じ方向、距離に付き、

横に飛んだ勢いを利用して横腹に爪先を飛ばしたが桃怪は両手の鎌を蹴りの中心で交差させ二重の柄でダメージを減らした。

N「避けなくていいの?」

その言葉に桃怪は交差する鎌で爪先を振り抜きバックステップで距離を図るが伸びきった足がI字を描き蹴り上がった。桃怪はそれさえも紙一重でよけるが足が頂点に達する直前に爪先の爪が急に伸び抜き、身を捻ろうとするも精密に見切ったが故に伸びた爪に目と鼻の間から鮮血が飛んだ。

桃怪「ていうか鎖よりよっぽどそっちの方が上手いじゃないか」

マリアはその言葉に身振り手振りすらせず応じない。

マリア「あ、言い忘れてたけどそれ毒だよ」

桃怪「誰がお前の言うことを信じるか」。

桃怪が二丁の鎌を振り上げてマリアに切り掛かる。

マリアは両爪で応戦。

マリアの打突に薙ぎを混ぜた斬劇を悉く鎌で弾くもやはりマリアが優勢か。致命傷は避けるも切り傷が後を絶えない。

防戦一方に追いやられる。

桃怪は徐々に押され、壁際まで迫られる勢いだった。

桃怪(傷はあってもここまで一方的ではなかった)。

(やっぱ毒入れてやがったのか?)


(私の捌き方も明らか精彩を欠いている)。

(ホンマに入れてやがったのか)。

桃怪は斬り合いの最中強引に爪を弾き落雷のように振り落とす。

マリアはそれを容易に躱す。

桃怪がその隙間で解毒剤を取り出した。


桃怪(太い脈に突き刺す)。

そして解毒剤が体内に注入された。

N「あらら〜バレちゃったね」。


桃怪「もう終わりだぜ。クソアマ」。

桃怪が鎌を手放したかと思いきや

それを閃光のような蹴りでマリアへ飛ばした。

N(ただ手放す馬鹿はいない、読める)。

(だが避けるだけじゃ意味がない。技の自信を潰す)。

マリアは回転する鎌を鎖分銅を投げて回転を弱める。

尚周り続ける鎌をマリアが素手でキャッチした。

桃怪(本命はそれじゃないけど)。

キャッチした頃には桃怪の姿はなかった。

次の刹那、桃怪が音もなくマリアの背後へ回っていた。首は完全にフリーだ。



刃がマリアの目の前に走った時、


マリアが笑みを溢す。

突如桃怪の視界で捉えたマリアの姿が歪んだ。

桃怪の体勢が崩れた。

桃怪(嘘..解毒したはずなのに..)。

マリアが笑いながら桃怪を蹴り飛ばす。

桃怪が飛ばされる壁にぶつかり力なく壁にもたれる形で倒れる。

N「バッカね〜。自ら毒を注入するとは」。

桃怪「どう..い..う」

「毒のない体に解毒剤入れることは却って毒を作るのよ」。

「その体で斬り合ったこともないのに不利になった理由が傷の痛みと私がギア上げたのを毒と勘違いしちゃったね」。


マリア「テメェには苦しんで死んでもらうわ」。

マリアが鞭を取り出した。

鞭弾くたびに桃怪の肉も削がれる。

マリア「さぁ泣き喚け!許しを乞え!そしてそれが打ち砕かれる絶望を思い知れ!」

桃怪(何事?奴の動きが一気に雑になってる)。

(それでも今突っ込むだけでは急所に命中する)。

桃怪は急所を外しながらも受け続ける。体に一筋の紫色が浮かび、肉が削られても尚炎の使い所を誤らない。

(落ち着け。鞭が反り返る時を待て)。

そして今、鞭の応酬に合間が生じた。


桃怪はそのわずかな間に体全体を少しずらした。

頸動脈に当たるはずだった鞭が透き通るように過ぎた。

首の皮が少し剥がれたがそんなものは桃怪の足枷にはならない。

その時、マリアの視界から桃怪が消えた。

後ろから気配がした。

マリアは力任せに後ろに鞭を振り抜く。

そこにあったのは桃怪ではなく割れた鎌。

N(ダメだ。感情的になり過ぎたか)。

(だがやりたいことはわかった)。

マリアの背後に影が忍び寄った。

桃怪(これが最後の最後。奴を斬り落とせ...!)

鞘に納めるように構えた鎌がもう一方の手で持たれる。

その眼からは見えない炎をみせる。

N(裏の裏からの刈りでしょ!)

鎌は抜刀の如く解き放たれた。

銀閃はマリアの喉元に正確に迫る。

N(奴はもう一本しかない。撃ち落とせ!)

爪を自身の喉元に置く。

掌と鎌が触れるその瞬間、マリアの手首が曲がり、鎌持つ手首の動脈を掻き切った。

手首から鎌が落ちた。

マリアの突きが鎮火を告げようとする。

しかし桃怪に揺らぎはない。

鋭い蹴りがマリアの腕へと向かう。

それは凄まじい速度でマリアの腕を貫くように衝突した。

その時、マリアの腕は完全に曲がった。

桃怪「あの世でも彼女に殺されたときな」。


桃怪が鎌を拾い上げ逆袈裟が飛んだ。

それはマリアを容易に切り裂く。


だが鮮血を浴びたのはマリアだった。

鎌持つはずの手には何もなかった。

鎌を持っていたのはマリアだった。


桃怪の口から血が吹き出し、顔面から倒れ伏した。

N「腕、折ったとでも思ったでしょ」。

「私の柔軟性を忘れるなんて」。


マリアは蹴りが当たる直前に腕を折れたかのように曲げたのだ。

それを隙と見て、一挙手で終わらせようとした桃怪の手は毒で精密さを失い、落ちていた鎌から数ミリ狂ったのだ。


N「吐血って息も辛いでしょ」。

「早く終わらせてあげるわ」。

マリアがゆっくりと爪を桃怪に向ける。


桃怪「ふふっ。終わるのはお前だけどね」。

桃怪は震える手でドアは指差した。


その方向には釣竿を握る者が立っていた。

祝日のつぶやき


マンティスや桃怪が使う解毒剤はフォレス特製であり、効果は抜群だがその分数日間筋肉痛という副作用に加え健康な体に打つと目眩に吐き気と中毒症状を起こす

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