holiday 第百七十二話 知らせ
マッサーカが弔電へ向かい走る。
マチェットをまっすぐに突く。
弔電は包丁でマチェットの軌道を逸らす。
マッサーカ(上がダメなら次は下)
その瞬間にマッサーカが弔電の膝にローキックを飛ばす。
威力は強烈。だが弔電の体の軸は一切ぶれない。
弔電「私の体幹を崩すことなど不可能だ」。
弔電は蹴りが飛んだ瞬間足を前後に広げ衝撃を喰い込むように軸を蹴りの方向に合わせたのだ。
マッサーカ「次はパワー勝負といこうか」。
マッサーカが弔電を押し出すように張り手を繰り出す。
弔電も張り手で返した、と思ったが
手と手が合わさる瞬間、弔電は全身を後ろに下げたのだ。
これで張り合う力が消えマッサーカが体勢を崩す、ことはない。
マッサーカ「読めてるんだよその汚ねぇ心」。
マッサーカは前に出た勢いをそのまま利用し怒涛の速さで弔電に迫る。弔電がカウンターで包丁を構える。
マッサーカが弔電にぶつかりに行くと思われたが
弔電の横に体を向ける。
弔電(横から切り裂くつもりか)。
その目はマッサーカを捉えていた。
その時、マッサーカが軽やかに走る足のバランスを崩す。弔電の視界からマッサーカが消えた。
すぐさま下を見るとマッサーカが蹴るように地面を滑っていた。
一択故その動きに迷いなどない。
通りすがりにマチェットで弔電の脇腹を切り裂いた。
だがマッサーカも無傷じゃない。カウンターとして構えられた包丁で肩の肉が切られた。
互いが振り返り再び見合う。
弔電はマッサーカの周りを歩み様子を伺おうとするもマッサーカがもう飛び出していた。
弔電(読み合いすら封じるか)。
弔電は包丁を一閃しマッサーカの頸動脈へと斬りかかる。マッサーカはそれをマチェットで受け止めるが
金切り音が聞こえた頃には既に刃先が自身のハラワタへ飛んでいた。
弔電(これは刀身で受けるしかないぞ蟷螂の子よ)。
マッサーカはマチェットを飛ばし返し刃先と刃先がぶつかりマッサーカのマチェットが包丁の下に滑り込む。包丁が上に迫ったこてによりマッサーカの腕が線に沿い肌を押し退けるように肘まで切り裂かれる。
だがマッサーカは腕からマチェットに力を込め弔電の包丁を腕ごとかち上げたいのだ。
マッサーカ(この腕はお役御免か)。
腕を上げられた弔電にマッサーカが義手を鋭く指の隙間をなくし胸へ突きにかかる。
貫く手は弔電の肋骨との間を通り抜け肌越しで肺に撃ち込む。
弔電の肺の片方が潰れ弔電の息がコンマ数秒止まる。
マッサーカが弔電のコメカミを殴り込む。
それでも弔電は視線をマッサーカから逸らさない。
すかさずマッサーカに金的を繰り出す。
マッサーカの体が鋭い金的により痺れ出す。
弔電「片方は潰れたね」。
あまりの激痛にマッサーカは下を向く。
そこから包丁が飛び脊椎を絶たんとするがマッサーカは体を屈めたまま頭突きをかます。
弔電は身を捻り躱して包丁をマッサーカの腹に下から
突き刺した。
マッサーカの口から血が溢れる。
被り物越しでも下から流れてゆく。
突き刺さる包丁が捻られ臓器を根こそぎ奪われそうになるその時、
マッサーカは突如被り物を口元まで外し口から溢れる血を弔電の目に向かって吹き出した。
液体を回避するのは困難の極み。弔電の目に吹き出した血が入り込み片目の視界を奪われる。
マッサーカが屈む腰を起こす。
二人は命からがら後方に地を蹴り距離をとる。
弔電の片目は充血し機能を失い白い吐息が目立ち始める。
マッサーカも未だ口から血を流し呼吸すらままならない。切り裂かれた腕は骨も断たれ力なく垂れている。
マッサーカが姿を消す。
弔電(奴は奪われた視界の方へ狙いを定めるはず)。
弔電が視界がない方向に体を向け刃を振るった。
だがそこには何もなかった。
マッサーカ「お前ならそこを狙うよな」。
弔電の背後にマチェットが弔電の横腹へ飛ぶ。それでも弔電はマッサーカの方を振り向きそれを受け止めた。
包丁が滑るようにマッサーカの太ももへと落とされた。筋肉の繊維を突き太い血管が大きく裂かれる。
マッサーカが片膝をついた。
弔電が再び包丁を首に
マッサーカは再度マチェットで受けようとした。
包丁が滑り込み首に包丁が立てられる。
と思われた次の瞬間、マッサーカがマチェットを落とす。
マチェットに沿って滑っていた包丁は伝えを失い軌道が逸れた。
包丁が地面へと刺さる。
その刹那、マッサーカが手に力を込めて握りしめる。
できた拳が弔電の頭部へと飛んだ。
その拳は何を思ったか。
拳は弔電の頭部へと撃ち抜かれた。
弔電は風圧すらでるその出力により頭蓋骨は割れ脳みそから血が漏れ出す程に揺れた。
弔電はうつ伏せに倒れる。
マッサーカが倒れた弔電に足を引き摺りながら近づく。
マッサーカ「まだ意識はあるみたいだな」。
弔電「...殺せ」
マッサーカ「最後に言い残すことはないか?」
弔電「そんなものはない」。
マッサーカ「....そうか」
マッサーカが弔電の上に跨りマチェットを弔電の延髄に突き立てた。
延髄は潰れ脳みそから酸素も届かなくなる。
霞む視界の中、弔電に知らせが届いた
マッサーカは全ての力を使い果たしたのか、横から落ちるように倒れ込む。
マッサーカの口から血が吐かれる。
(あ。これ結構ダメなやつかも....)
マッサーカの体から力が抜かれてゆく。
ゆっくりと目が閉じてゆく。




