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holiday  作者: NY
柳家編
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holiday 第百七十一話 感勘関

壊れたアジトを背景に冷たい影が突き刺さる。

マッサーカ「俺は見た目に反して用意周到な者でね」

ポケットから機械でできた拳を取り出し手の断面に装着する。


続いて腰からもう一刀のマチェットを取り出す。

それを逆手に構える。

その時、弔電が突如溶けたように見える足捌きで

弔電の死角へとすぐに迫る。

その踏み込みはかなりのもの。マッサーカは後方に避けるも

包丁が振るわれ腹が斬られる。


弔電(今のを避けるとはこの蟷螂頭の子、手練れね)。

(早急に片付けないと大変なことになる)。

弔電が踏み込みあっという間にマッサーカの目の前。包丁で突きにかかる。

マッサーカが全身をずらしそれを難なく躱す。

かに思えた。

マッサーカの胸には深く一箇所に刺された傷ではなく

横一文字に切り裂かれたそこから血が流れる。

マッサーカがバックステップを取って距離を取る。

マッサーカ(この野郎。フレックサーみたいな動きをしてるのか?)

弔電が流れるように距離を詰め包丁とマチェットの斬り合いへと持ち込む。

両者が持つ刃のやりとりにより無数の火花が爆ぜる。

だがその局は徐々に弔電へと傾いてゆく。

包丁の薙ぎをマチェットで金切り音と共に防いだかと思えば包丁の突きが顔面を襲う。

顔をズラすも髪の毛と共にコメカミが削れる。

マッサーカが斬り裂こうとしても弾かれたと同時に

マチェット持つ義手を切断しようと包丁が飛ぶ。

すかさずマチェットを放って別の手に持ち替えようとするも手が斬られてしまった。

マッサーカが弔電の額を狙って頭突きを繰り出しなんとか窮地を脱するも弔電の頭には傷一つない。

マッサーカ(フレックサーの戦い方に近いと思ったが今ので確信した。全然違う)。

弔電が下から弾くように包丁を振るう。

狙うは首。マッサーカが義手を前に出し貫通させて刃を止める。

(フレックサーの千手にはこちらに攻撃が来るかと思えばそちらという所謂幻惑が含まれる)。

マッサーカは包丁を受け止める義手を刃の根本まで迫らせそのまま掴む。

(だがこの女は重心の扱い方や距離の測り方と言ったナイフ捌きで初めらへんに習う動きしかしてない)。

弔電の包丁は生きているかのように義手から逃れてマッサーカの腹へと再度突きが飛ぶ。

マッサーカは体を捻るも胸が刺される。マチェットを振るい自身の周りから弔電を追い出す。

刺し傷を素早く包帯で巻く。

マッサーカ(ただその一つ一つの動きが一ミリの澱みもなく磨かれている)。

(だが裏を返せば...)

マッサーカが弔電に向かい走り出す。

弔電(単純明快な突進。薄皮一枚で焼けて臓器を突く)。

弔電と向かい合いマチェットが薙ぐ。

その弔電はほとんど体を動いてないように見えるほどにマチェットを見切る。

その時、弔電に位置に合わせて刀身が伸びた。

マッサーカは薙いだ瞬間に持つ位置をズラし親指と人差し指指のみでマチェットを握り直したのだ。

そこから鳴る音はマッサーカが望む音ではなかった。

弔電は包丁を首とマチェットの間に滑り込ませたのだ。

そのままマチェットはマッサーカの手から弾き飛ばされてしまった。

弔電(少し離れてもらおうか)。

それと同時に包丁の柄をマッサーカの胸に打ち込む。

マッサーカは嗚咽しその衝撃に従い地面に擦れながら仰け反る。

弔電「マニュアル外の攻撃なら通じるとでも思ったか」。

「それは逆。マニュアルの内容を極みに極めれば自然と対応力も身についてくる」。

マッサーカが胸を抑える。

マッサーカ(マチェットが飛ばされた。拾いに行くか。行かねぇか)。

弔電が作業のようにマッサーカの目の前へと迫る。

マッサーカ(どちらも違うな)。

弔電が刃でマッサーカのハラワタを切り裂こうとする。

その時、マッサーカが崩れたアジトの破片を持ち出し

投げ出した。弔電には空を切られるも狙いはマチェットだ。

マチェットが破片にあたりシーソーの要領でマチェットが弾き飛ぶ。

飛んだマチェットを掴み弔電を迎え討とうとするもそこに弔電はいなかった。

既にマッサーカの背後を取っていたからだ。

弔電の刃がマッサーカの背中を切り裂く。

前に飛んだもののその傷は決して浅くはない。

背開きのように裂かれた。

マッサーカは弔電の方へ向くも体勢を立て直す時間を弔電は与えない。

上から包丁が降る。

マッサーカはそれをバックステップで避けようとするも間に合わず胸から腹へ一閃をもらう。

そのまま壮絶な斬り合いへと持ち込まれた。

マッサーカは弔電の手捌きにより防戦一方だ。

マッサーカ(クソッ選択肢を与える時間すら許してくれねぇ)。

(一体どれが正解なんだ)。

その時、マッサーカが被る被り物の内からマッサーカの脳内は何かが入り込む感覚を覚える。

「今頑張るか、明日頑張るか」

マッサーカ(そんなもん今頑張るに決まっとるだろ...)


(ん?決まっとる?)


マッサーカの脳天に向かってそれは突き刺す。それは包丁ではなかった。


マッサーカ(答えが分かっているのにわざわざ二択を用意するのはおかしくねぇか)。


(いや、でも一択だけじゃ誤りも多くなっちまう)。


金切り音は静寂を見せないが彼の脳内では沈黙が宿る。


(.....新しい選択肢...)


次の刹那、マッサーカのマチェットが閃いた。

弔電はそれを弾くがその動作が始まった頃には義手による拳が弔電の額へと飛んできた。

そこに隙間などゼロだった。

弔電は包丁を額に持っていき後ろに飛び受けるも包丁越しでも弔電の額に衝撃を伝わらせ、血を流させた。

弔電が距離を取る。

マッサーカ(これだ!一択を決めてそれが違うなら新しい一択)


弔電(被り物越しでもわかる。明らか目の色が変わった!)

(やはり危険な奴だったか)。


目は二つだが考えは一つ。悩みの余地など概念ごと存在していなかった。


(正解を見つけるまで引き続けてみせるぜ!)



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