holiday 第百六十七話 二つの斧
タナカがギルド目掛けて走る。
レイピアが横に振るわれる。
ギルドその斬撃を避ける。
ギルド「あまちゃんめ。そんなおもちゃじゃ当たることも叶わないぜ」。
完璧に避けた。
にも関わらずギルドの脇腹が裂けた。
ギルド(なんだこいつは?全身がぼやけてて輪郭が掴みづれぇ)。
タナカは食肉による代謝の向上で腕以外も振動させ粘り気を作ることが可能となったのだ。
マンティスも続く。
跳躍し、ギルドの頭目掛けて小刀を立たせる。
しかし、その刃は透き通るように消え、代わりに足の甲に刃が立つ。
足の裏から床にまで小刀は貫通し、ギルドの位置が固定される。
ギルドの視線が下になる。
タナカ「それは抜かせないぜ」。
フレックサー「地蔵様にお祈りでもしときな」。
レイピアと千手が息を合わせ踊り狂う。
手刀が四方八方からギルドを撃ち、レイピアはその乱撃の間からにゅるりと迫る。
そのレイピアはかつてないほどの槍を放ちギルドを削る。
更にマンティスがその中を潜り太刀を幾度も浴びせる。
ギルドの体に痣と切り傷が徐々に浮かび上がる。
だがギルドはこの嵐の中でも床を殴り3人の足を浮かす。
拳がフレックサーとマンティスへと向かう。
マンティスがその拳を刀で受け止める。
その一撃は強大だ。すぐにマンティスはそれを直感し拳を蹴り上げる。
あいた隙にフレックサーがギルドの土手っ腹に向けて崩拳を放った。
それは怪獣を持ってしても無傷では済まず、腹から全体に衝撃が広がりギルドが嗚咽する。
だがギルドは嗚咽により何かが閃く。
ギルドが口に空気を送り込む。
フレックサーとマンティス、タナカはその異様な光景に警笛が鳴り距離を取ろうとする。
その時
「ゔぉぉぉぉぉぉ!!!」
アジト全体に真の咆哮が響き渡る。
至近距離に居たマンティスとフレックサーはその音の弾丸をモロに受け、鼓膜が潰れ、三半規管も大きく狂わされる。
マンティスの方から吐瀉物が流れる。
2人の視界がぼやける中、
タナカはそのまま突撃する。
タナカ「音とは空気の振動。空気を粘らせればそれは弱まる」。
タナカは耳に粘り気を寄せて音の弾丸を軽減したのだ。
タナカのレイピアがもう一度唸る。
しかしギルドはレイピアから放たれる空気をチョップで消し飛ばしたのだ。
ギルド「変な斬撃でも消し飛ばせばいい話だ」。
空気を無視し、その割れ目からそのままタナカの脳天目掛けてチョップが迫る。
タナカはその鬼のチョップを自身の手に空気を纏わせ拳を受け止める。無論ギルドが押すも空気の摩擦によりコンマ1秒は止めれた。その間にタナカはギルドから離れる。
受けた手全体が紫がかる。
その手は素早く元の色に戻るもタナカの口から血が流れる。
タナカ(よく働いて辛いだろうがなんとか持ってくれよ俺の臓器)。
3人が離れた間にギルドが小刀を抜く。
その時、糸が自身の首に巻きついているのに気がついた。
ギルドの背後にいたのはカイ。
だがギルドの首は一切締まらない。
その時、チャクラムが糸目掛けて飛び、糸の中心に命中する。その衝撃により緊張していた糸が急激に緩みカイの体が宙に浮く。その瞬間にカイは地面を蹴りギルドの周りを浮いて舞う。
糸の周回が止まった時、フレックサーがカイの背中を押し、ギルドに巻き付く糸に力が加わる。
ギルドは大きく締め付けられる感覚を覚える。そこにフレックサーが前に出てきて千手を一つにし再びギルドの腹に張り手を出す。ギルドがその威力により血を吐く。ギルドは糸を掴み、カイごと自分の場所へ引っ張る。そのままもう一方の腕がカイを待つ。カイは糸を蹴り、直撃から逃れたかと思われたがカイの視界に地面が映る。
ギルドはカイを地面へ叩きつけようとしたのだ。
その落下速度は自身の肉体を潰すのが容易だと直感する。
フレックサー(こりゃまずい)。
その時、マンティスがカイの真下へと来た。刀を捨て、両手を差し出す。
マンティスはカイの落下を受け止めた。
足腰が響く中、衝撃を吸収した。
その直後、ギルドは糸を破りそのままタナカへ突撃する。
タナカはその突撃をサイドに避ける。
だがそのまま壁に当たるかと思われたギルドは突然手を広げそれをタナカの首へ向ける。
ギルドの手がタナカの首を掴んだのだ。
そのまま壁へと叩きつけられる。
壁が割れ、タナカの視界が揺らぐ。
ギルド「ほー。首がなかなか締まらん。最後の悪あがきか」。
フレックサーとマンティスは両サイドギルドの背後へと迫るがギルドが地面を勢いよく踏み締め2人が浮く。
そのまま裏拳をフレックサーに当て衝撃を流そうと飛んだことによりフレックサーがマンティスにぶつかり2人とも飛ばされた。
ギルド「チェックメイトだぜ」。
マンティスとフレックサーも走るも距離がある。
ついに首に纏っていた空気が...
破れた。
タナカが指が近づくのをまじまじと見た。
ギルドの指が首に触れた直後、一階まで何かの物体が降ってきた。
その物体が鎖を両手で掴み吊りながらその勢いでギルドの腕を蹴る。
ギルドはその蹴りを避けタナカから離れた。
タナカが地面に伏っし、首を手で掴み呼吸を整える。
その正体は指を包帯で覆う鈴木だった。
鈴木が鎖から降りた後、横小路も鎖を伝い、降りてくる。
鈴木「すっかり回復したぜ。気分は絶頂じゃ」
横小路がタナカの手を取り引っ張り立たせる。
タナカ「すまねぇな」
ギルドがマンティスは殴りにかかる。
三半規管が回復しきれていない故マンティスの反応が遅れる。
その時、ギルドへと鎌が投げつけられる。
ギルドはそれを弾いて砕きもう一度殴りかかるも小指が外れる。
その先を見ると外れた指にかかっている糸と針だっった。
カイ「釣竿は最早体の一部。関節外しなんてお手のもんさ」。
その隙を逃さずマンティスがギルドの腹を切る。
ギルド「おいおい。こりゃとんでもねぇな」。
鎌の先には桃怪が立っていた。
桃怪「さぁ熊さん。冬眠というか永眠をどうぞ」。
この嵐は滞ることを知らず周り続ける。




