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holiday  作者: NY
柳家編
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holiday 第百六十六話 風変わり

ギルドは幾度もなく拳を振り上げる。

フレックサーは千手で避けて受け流しを繰り返す。

トラもチャクラムで応戦するも斬れる前に砕かれる。

拳がフレックサーの千手を掻い潜り、飛んでくる。

それをマンティスが受ける。

拳が刀に寄せられている時、フレックサーが手を横に倒し、振り上げる。

それはギルドの首筋に綺麗に当たる。

ギルドの脳が痺れるものの、それを意に返さずもう一方の拳を振りかぶる。

狙いはマンティス。かと思いきやそれを地面にぶつける。

マンティスの足が浮く。

その間にギルドがマンティスを掴みにかかる。

マンティスは空中で身を躱そうとするが掌を向ける分範囲が広く、指に少しでも触れると一気に対象を拳に閉じ込められる。マンティスの手が拳に封じ込まれそこに力が流れてくる。

しかし、そこにマンティスの姿はない。

マンティスがフレックサーの横に立つ。

マンティスを掴んだ拳は皮が切れ傷の線に沿って血が流れる。

マンティス「稚拙な搦手だな。こんなものなんの意味もない」。

ギルド「そんなこと言って結構それやばいんちゃう?マンティスちゃん」。

フレックサー「気安く儂らの同志の名を呼ぶんでないアホめ」。

逆に曲がり紫色になった指をもう一方の手で戻す。

マンティス(握ることは出来るな)。


トラ(やはりこいつの言っていたことは俺らを至近距離に誘い出すブラフだったか)

(当然だ。直接人を殴れない奴がギルドなんて名前では呼ばれないよな)。


地面が悲鳴を上げて震え上がる。

カイとトラはバランスを崩すもマンティスとフレックサーはギルドの一撃に合わせて跳躍しそのままギルドの至近距離に着地する。

ギルドが腕を一周させ近くには寄らせない。

その旋風はとてつもない勢いだ。

トラとカイがチャクラムと糸で牽制する。

それはギルドの視界を遮る。

フレックサーに死の拳が当たった。

マンティス「フレックサー!」

だがギルドは横腹に鋭い衝撃を覚える

フレックサー「言ったじゃろ。わしは五体全てが地蔵様じゃ」。

ストレートをフレックサーは後ろに飛び制空圏から流れるように逃れる。

ギルド「なんじゃお前は。明らか芯にめり込んだはずなのに」

フレックサー「さぁな。お主が馬鹿なだけじゃろ」。

彼はギルドに自身の手を体の芯と錯覚させたのだ。

ギルドが地面を殴る。

再び地面が揺らぎ響く。

トラ(カイ。巨漢の拳が触れた瞬間、跳んだら呑み込まれないぞ)。

カイ(それは見てよく分かったわ)。

2人が飛んだ瞬間、ギルドが腕を前に出し走り出す。

フレックサー「そうはさせんぞ」。

フレックサーとギルドの両雄がぶつかる。

それは刹那の間、密着し互いの動きが止まる。

ギルド「なんだ。壁と密着している感覚だ」。

トラ(落ち着け。巨体だろうと結局は物理)。(物理法則には従わざるを得ない)。

ギルドの足腰が隆起する。

すると密着していたのにも拘らずフレックサーの体を吹き飛ばした。

そのまま2人の方へ走る。

その時、トラが一歩前に出た。

ギルドの突進がトラへと命中する。

かに思われた。

己の肉体に弾かれるはずの肉が消え突進の速度が死ぬ。

トラはギルドとは離れたところで膝をついていた。

さらにギルドの肘の角から血が流れる。

マンティスの目が丸くなる。

マンティス(なるほど。俺の剣術を自身の回避法に応用し、あの圧力の中でものにしたか)。

トラの額から膝の隅々にただならぬ量の汗が体を濡らす。

トラ(ヤバい、本当にヤバい。ただ体重を差し向けられただけじゃない。俺の心身全てをぐしゃぐしゃにすると言わんばかりの怨を宿しているのと同義だ)。

トラ(これは流しきれない)。

速度は止まれどギルドは止まらない。

今度はカイの視界を拳で覆う。

ギルド(俺の腕に糸が。いつの間に絡ませてたんだ?)

ギルド「やけど魚を釣った気でいるのなら大間違いだぜ」。

しかしその糸がさもなかったかのように拳は飛び続ける。

その時、マンティスが小刀を投擲し、ギルドの拳を突こうと言わんばかりに空を切り裂きながら飛ばされる。

ギルドはそれを避けるが故に拳が一瞬止まる。

カイ(ここだ!)。

カイが下から上へ釣竿を引っ張る。

カイ「おりゃーーー!!」

宙に止まる拳がついに動き出した。

拳は顔面からは遠ざかり顔面から大きく外れた。

それはカイの真横を通り過ぎる。

だがカイの肩から紫色が浮かびあがる。

カイが膝つくトラの元へすぐに駆け寄る。

トラ

カイ「トラ、行けるか?」

トラがゆっくりと立ち上がる。

トラ「なーに。こんなもの俺の母に比べたらたかが知れてるな」。

ギルド「いいねお前ら。大体の奴らはこの方程式でくたばるのに。ていうか跡形もなくなるのに」。

ギルド「少しは本気の出しがいがありそうだぜ」。

その時、ギルドは自販機に手をつけ、そのまま根を抜くかのように自販機を持ち上げる。

その自販機が地面にもの凄い勢いで叩きつけられ、

粉々の粉々に鉄片が砕け散る。

それは全員の視界を曇らせる。

曇る中、巨大な影が迫ってくるのをマンティスの目が捉える。

マンティスは刀を前に出しギルドの身を穿り出そうと突きにかかる。


ギルド「やっぱこっち〜」。

ギルドが急に方向転換をし出す。

彼の行動は突発的もいいところ。

狙いはフレックサーだ。

マンティス(策を展開したかと思いきや今度は何も考えずにその場で行動する。思考が全く読めねぇ)。

フレックサーに急襲がかかる。

拳が振り上げられたその時

フレックサーはそれを滑るように

フレックサーの手刀がギルドの膝を捉える。

更にもう一方の膝をカイが竿で斬るように叩く。

ギルドが膝をつく。

フレックサー「武が技に勝てるかいこの野郎」。


しかしギルドは腕に受けた衝撃を無理矢理利用し、体全体を回転させたのだ。

振り向きざまの裏拳がフレックサーに迫る。


だがそれさえもフレックサーは地面を蹴りあげ裏拳の方向に合わせて飛ぶ。

ギルドの射程圏から流れるように逃れたのだ。

それでもフレックサーの頭は割れそこから血が流れる。


フレックサー「後ろ、気をつけたほうがええぞ」。

ギルドが後ろを振り向く。

だがそこには誰もいない。

フレックサー「おっとすまん。今言うべきじゃったな」。

その時、マンティスが上半身をかがめる。

マンティスを飛び越え、現れたのはタナカだ。

タナカがレイピアでギルドに向けて突く。

ギルドも負けじと拳を彼に振りかぶる。

レイピアの勢いに従い粘る空気が放たれる。

拳が削られ勢いを空気に飲まれながらも突き進む。

フレックサーがタナカの横に飛びその拳を振り払う。


フレックサーがタナカを見た時、タナカの体から流れる血が止まっていた。


それはしょうやとの死闘の直後...

鈴木「なぁ、お前はどこに行くつもりなんだ?」

タナカ「仲間の助太刀だな」。

鈴木「確かお前って吸血鬼なんだろ?」

「肉とか喰えば強化されるとかはないんかい?」

タナカ「その言い方は好きではないが、肉や血を摂ると代謝が異常なほど早くなるな」。


鈴木「俺を...喰え」。

タナカの目が丸くなる。

そばにいる横小路は止めもせず鈴木を見て微笑んでからタナカの方をまっすぐ見つめる。


タナカ「...俺はお前に感謝する」

その時、鈴木の薬指が一本消える。

そこに痛みはない。

タナカが指を口に放り込む。

その時、無数の傷口や火傷がアメーバの如く蠢きそこから新たな肉が形成され血が止まる。

横小路が速攻で鈴木の傷口をタオルで抑える。

鈴木「タナカ。あいつらをぶっ飛ばしてくれ」。


タナカ「当然だろ」。


タナカが血のついたレイピアを振り払い、堂々とギルドの前に立つ。

フレックサー(傷が塞がっておる。人を食べたな)。

フレックサー「無理しやがって。代償などお構いなしか」。

タナカ「命に感謝を伝えるためにはこれが最大限の行動だからな」。

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