holiday 第百五十八話 よだつ
カイは手を引っ張られながら、その感覚はない。
彼には道標でもあり、明かりでもあったものを手放したからだ。
母の次に自分というものを作った者。それがないなら自分はなんなのか。
フレックサー、トラ、マッサーカ、グチとホープ・ファミリー前に合流した。
フレックサー「そっちも終わったか」。
グチ「あれ?餡おらんじゃん」。
フレックサー達は彼等が言わずとも察した。
彼等が餡を己から置いていくような人物ではないと理解しているからだ。
マッサーカ「餡、ご苦労だったな」。
トラ「カイも大丈夫か?」
カイは階段に座り込む。
カイ「大丈夫。心配してくれてありがとう」。
カイ(もし、桃怪を振り払ってでも餡を助けに行けば結末は変わってたんじゃないのか)。
(結局俺に炎なんてない)
(薄情で誰かがいなきゃなんもできないのか)。
(そんなもん認めてたまるか)。
(マリアは絶対ぶち殺してやる)。
カイは唇を血が滲むほどに噛み締める。
カイの目からは何も溢れない。
それでもマンティスは彼が黒い涙を流していることを理解する。
マンティス「桃怪、、」
桃怪「えぇ。わかっているわ。」
(これは落ち込んでるで片付けていいものじゃないわよね)。
「カイ。火の扱いは気をつけないと己を焦がすわよ」
カイは声がした方へ向く。
桃怪「...きっと餡ならこう言うかもね」。
「付き合いはそう長くなくても刃を交えれば大体わかるものよ」。
桃怪「餡が燃え尽きることなんて決してないわ」。
「私達が忘れない限り」。
グチ「ほら。炎をって燃え移るやろ。つまりは俺たちは燃え移りさえすればよいんだよ」。
マンティス「1人で行動しようなんて愚かな真似はするな」。
「そんなもの、彼女を踏み躙る行為に等しい」。
桃怪「それじゃ、ユネルコ軍やら柳家やら全部...」
「燃やしに行こうぜ」。
カイ(そうだ。そうだった。餡を弔う方法はこうやって俯いていることじゃない)。
(炎を魅せることなんだ...!)
カイの顔に光が照る。
カイ「おう!」
一方でホープ・ファミリー屋上では...
しょうやとタナカの笑う光弾と唸るレイピアの魅せ合いが後を絶たない。
タナカ「これは流石にキツイな」。




