holiday 第百三十九話 守るべきもの
後藤のポケットが震える。
後藤「どうしたんだ?」
電話の主は則武だ。
則武「あいつなんなんだよ。本部にある限りの兵器を使ってもかすり傷一つつかんぞあの亀」。
「ちょっと来てくれ」。
後藤「君達も来てくださいますか?」
後藤は則武についていった。
その先には横小路、杉原、包末がかめしゃんを袋叩きにしていたのだ。
グチ「もうヤケクソじゃねえか」。
則武「おい。そんなこと、なんの意味もねえぞ」。
後藤「もうやむを得ないな。おいお前達。あの島へ連れて行け」。
則武「嘘だろ、流石にそれはまずいぞ。この街にまで被害が出てしまう」。
後藤「街を犠牲にしないとこやつは倒せん」。
「早く準備しろ」。
カイ「後藤さん。一体何すんの?」
後藤「こいつに恒星大和を使う」。
それを聞き、カイ、トラの顔が青ざめる。
グチ「こーせーやまと?なんじゃそりゃ?」
トラ「恒星大和は歴史上最悪の核兵器と言われていた存在。これ一つで小さな島ならどこまでも粉々にしてしまう」。
カイ「爆発後も大変で、太陽が地上に降臨したかのようっていう名前の由来のように、しばらくその地域の気温が10℃以上も上昇してしまうんだ」。
グチ「おいおい。それやべぇじゃねえか」。
杉原「これでこいつともおさらばだ^v^」
カイ「ちょっと待ってよ」。
後藤「なんですか?」
カイ「仮に、本当に仮に核兵器で亀を殺せたとしても奴に攻撃意志がなかったらやり損じゃない?」
後藤「そうは言っても亀野郎が本当に攻撃の意志がないと言う証明ができないからな」。
トラ「、、、あ、そうだ」。
トラ「マンティスさんって相手の心がわかるんだろ」。
「もしかしたら動物の心もわかるんじゃないか?」
カイ「それいいね」。
グチ「その発想はなかったわ」。
トラがマンティスに電話を繋げる。
マンティス「どうしたんだ?」
トラ「マンティスさん。聞きたいことがあるんですけど」。
「あなたって動物の言葉が分かったりしますか?」
マンティス「言語まではわからないが、そいつの気持ちまではわかるがそれがどうしたんだ?」
トラ「いまユネルコ軍の亀に攻撃の意志がないかを知りたいんです。来ていただけますか?」
マンティス「命令されるのは好きではないが、ユネルコ軍ともなると話は別だな」。「今すぐにどこにいるか教えろ」。
マンティスがジニアルの門を叩く。
トラ「マンティスさん。こっちです」。
かめしゃん「また変な人が来たよ」。
マンティス「こいつが例のやつか」。
「さてと。色々聞かせてもらうぞ」。
マンティスがかめしゃんをじっと見つめる。
マンティス「お前は何がしたい?」
かめしゃん(僕はご飯が食べたい)。
マンティス「お前が人に危害を加えなければいくらでも食べさせてやる」。
「それとしばらく拘束させてもらうぞ」。
かめしゃん(大丈夫。争うぐらいなら僕は寝てたいからね)。
(それにしてもすごいね。家族以外でここまで喋れたの初めてだよ)。
マンティス「いや、話すつもりはなかったのだが、、」。
マンティス(本来動物は快、不快ぐらいしかわからないが、ここまではっきり意思表示をし、心を読めれば受け答えも難なく可能)。
(極めて高度な知能を持っているな)。
マンティス「よし。攻撃する気はないみたいだ」。
杉原「おいおい。そんなん信じれると思うか?」
「一人喋っていただけじゃないか」。
タナカ「マンティスは生き物の心が読めるからね。実質的な通訳が可能なんだ」。
「どうか信じてくれるか?」
則武「カルチャーが言うなら信じてもいいんじゃないか」。
後藤「それで、いいのか?お前らにこいつを預けて」。
フレックサー「お宅関連の施設はここしかないのじゃろ」。
「対してわしらはお宅らのおかげでいくつかの支部に分かれておるし。そこの一部を使うわ」。
カイがかめしゃんに近づく。
カイ「殺さなくてもいい解決策。それを掴まずして一体何を守るんだ」。
かめしゃんの頭にそっと手を置く。
タナカは光る太陽を窓越しから見つめる。
タナカ「やっぱ太陽は綺麗だ」。
「なんでもできそうな気がするよ」。




