holiday 第百三話 目先のこと
あの地獄からしばらくの時を経て、新幹線の扉が開く。開いたドアからチャイムの音が漏れ出る。指定座席座るその姿はトラだ。
揺れる弁当、駅員さんの声、その全てが懐かしくそして束の間だけでも日常に戻れたと感じた。
窓からは犬野大学が見える。
トラ(前まであれは遠くの存在だと思ってたけどいまは自分でもできる気がしてきた)。そしてトラは犬野大学へ足を踏み入れる。
グチは実家に戻りグチ祖母[グラ]と面を向かわせた。
グラ「あらグチ。ごめんねぇあなたの厄介になるなんて」。
グチ「婆ちゃん、気にすんなよ。むしろするのが楽しくてここに来たんだから」。
「それよりも体調はどうなんだ?」
グラ「最近調子が戻ってきたのよ。このまま若返るかもね」
グチ「婆ちゃんならできちゃうかもな笑」
そしてカイは祝日の前日に爆破された家に戻った。
カイ「爆破部分のとこ素材が変わっているがこれはこれでいいかもな」そして家に入り込む。すると待っていたのは母からのハグだった。
母「カイ、情けない親でごめんね。こんなボロボロにもさせちゃって。でも生きていて本当に良かった」。その母の目には大粒の涙が出ていた。
カイ「いやいや。なんで母さんが謝るんだよ。俺が見殺しにしようとしたのに」。
「でももうそんなことはしない。強くなったから」。「誰にも選択肢を奪わせないから」。
家のインターフォンが鳴る。
カイがそのドアを少し開けると知らない男が立っていた。
「アナタがカイくんですか。少しお時間いただけますか?」
カイ「あんた誰なんだよ」。
謎の男「まずは挨拶ですね。どうもこんにちは、ジニアル所属の後藤と申します」
カイ(武器は持ってなさそう。構えもとっていない。危害は加えなさそうだな)。母「あーあの人か。カイ、あの人が助けてくれたみたいなの。
「その時どうやらこの家を爆破したとかなんとか」。カイ「へ?」。
カイは一瞬母の言語が日本語ではない何かだと錯覚した。すると後藤は額を地面に垂れて、平伏した。
後藤「その節は私達の不手際により多大な迷惑をかけたことをジニアルの代表としてお詫びを申し上げます。あなた方を巻き込んでしまい、すみませんでした」。
カイ「なんのこと?」母「まぁまぁとりあいず上がってください。ほら顔をあげて」。




