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“にぃに……”
ハッと、井上若実の声によって意識が引き戻され、徐々に状況の理解に頭が追いついた井上星は、まず大量の血を吐いたことでフロンの調子に関心したかった。
たとえ見えなくても井上星はわかる。今は間違いなくフロンに守られている。だが、彼はフロンの名前、最初の“フ”で言葉が喉に詰まっていた。
なぜなら、フロンは先に井上星が自分に声をかけることに見透かして、震える手で自分の唇に「シッー」というポーズを取っていた。
会話は……やめたほうがいいのか?
井上星は一瞬でも、それでも話しかけようと思ったが、続いての話で彼はすぐやめた。
「フハハハー!お前はいつまで耐えられるかな!」と男の狂った笑い声が井上若実の口を通して、室内に響いていた。
そのお前というのは、明らかに井上星に向かって放った話だった。
前はフロンおじさんがいるのに、なぜ……いや、そういえばアイツ、最初の時、環境「だけ」観察していた。
僕に気付いたのは、僕が話しかけたから――と、自分が犯した過ちに気付いた井上星は、今回ちゃんと口を噤んでしまったが、次に起きたことは顔色が青白くなった。
「脳よ、精神よ――」アレは諦めるつもりがない。見逃すつもりもない。
すでに気付かれてしまったものだ。今に口を噤んでも仕方ないんだが……
精霊よ、頼む――
「――我に従え!」
「マインドシールド!」
もう一度の魔法の衝突。
井上星は直接に見えないが、音が聞こえる。環境からも推察できる。
パリィという音。火花でも起こしたよう空気のゆがみ。地面に突然できてしまった切り痕。
二人の戦いがものすごく激しいというのがわかってしまう。
また、一回一回のピキィという音とともに、フロンの顔色の具合も悪くなっていく。
「脳よ、精神よ――」
精霊よ、頼む――
戦いの焦点はすでに井上星にいない。少なくとも、今の彼には局面を変える力を持っていない。それでも、彼は変えようと思っている。
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我に従え!マインドシールド!
衝突。
ピキィ
更に衝突。
ピキィ
もっと衝突。
ピキィ……
もう何回目の衝突だろう……やはり、魔法を使う前の時間、集中期間が大差はない。こちら準備期間が必要ないのは“結晶体”があったから。
だが、そいつは“狂った魔法使い”……やはりそれは「普通の魔法」ではない。
「――我に従え!」
「――マインドシールド!」
井上若実を操っている存在は片手振り、フロンは一生懸命に阻む。
「「「――我に従え!」」」これは三連発の攻撃だった。
無準備時間の三重概念……?!
「竜よ、精霊よ!頼む――」すでに魔法の準備をしていたフロンは、ここは逆に一回だけ結界を張った。
プシッ、シュッ、サッ――この音も出るような同じ速さで、見えない魔法の攻撃が三つの方向から攻めてきた。
点の攻撃は面で防ぐ!竜族の結晶魔法――
「――マインドバリア!」
チィン、ドン、カン!精神魔法は全てが防いだ。が――ピキィピキィピキィ――フロンの身体中にある三つ以上の結晶体が粉塵のように消え去った。同時に、また大量の血を吐いてしまった。
だが、アレはフロンがそうとも構わず、ただ疑問に思っている様子で呟いた。
「……うん?この魔法の“感覚”……バリアか?なんでわたくしの魔法はバリアに対処されていた?解析された?この戦闘中に?いやいや……おかしい、そもそもこのような『実験体』はなぜ――」
ダメだ!察知される――とフロンがそう思うと、
「――はっ!それはお前の魔法は別に大してことじゃないからだよ。」と井上星はここでアレに話しかけた。
明日はもう一話がアップできるかもしれません!
今回のストーリー的には連続アップした方がいいと思っています。
ちょっとストックもできましたし(*'▽')




