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短めです。
パタン!
ピコっと耳が立ち、ノールは後方のあまり遠くないところから戦いの音が聞こえた。
彼女はラーリーの死体を運び、頭だけ後ろに向きたいように気になる様子で横90度にした。
「何があったんだろう……」とノールが独り言をつぶやく。
音の方向は間違いなく冒険者協会の方向だった。だから一瞬、モモナーの顔が脳裏によぎる。
モモナーという名前もノールが気になっている原因だが、一番の原因は彼女から不思議な魅力を感じてしまう。目を惹きつく力があるのだ。
よって、彼女はまたボソッと呟く。
「……戦いじゃないといいんだけど。」
そう呟くと、ノールは自分が運んでいるラーリーの死体を見て、まずしっかり埋葬してから、ここのことを後にしようと思った。が……
前歩き二歩。
シュッ
あれ?ノールは全身が軽くなった気がする……いいえ、体が軽くなったわけじゃない。
あるべきのものが手になくなったのだ。
ラーリーの死体がなくなった。
「え……?」手ぶらになった自分の手を見つめて、ノールはフリーズになってしまった。
そして、まだ頭が理解に追い付いていない中、彼女の視界の隅に一人の足が目に入った。
反射的に頭を上げて、その人の全身が目に収まった。
体格からには絶対男の姿であろう、サイズが全くふさわしくない小さい亜麻色のフードをかぶって、両目だけが露出している。エメラルド色の瞳に優しさが感じるが、目の周りに特徴的な火傷の痕があり、逆にやさしさの雰囲気がぶち壊され、怖さが増したのだ。
何より、体格が大きい。たとえ顔をかぶっても、体格だけで気迫がすごい……けど、それらのことはノールにとってどうでもいい。
彼女が今注目しているのは、大男が抱えているもの――ラーリーの身体だった。
「あなた……誰?先生の身体、返して!」ノールはこん棒を手にして、構える。
ただ、大男はなにも喋らず構えず、ノールを見つめているだけ……いいえ、正確には、視線の先はもっと遠くに見据えている。
冒険者協会……?と、ノールはすぐ大男の視線の先が自分ではないだとわかった途端、まるでこの隙を狙ったように、大男は走り始めた。
「あ!」
大男が遠くに離れると、ノールはすぐ彼が逃げるつもりだと意識できた。
「待って!」
ノールは大男の後に追いかけていた。
また、大男がボソッと呟いた独り言は風を通して、獣人生まれつきの聴力によって、ノールの耳に届いた。
(まだ、会ってはいけない……)




